2019年6月19日水曜日

入庫状況のお知らせ。

入庫のお知らせ

業者枠7月半ばより受付再開します。
およそ1か月半ストップかけていたのですぐに順次埋まる可能性が大きいので、 ご検討の業者様はお早めにご連絡・入庫予約お願いします。 無論早い者勝ちで埋めていきます。

ユーザー様は現時点で既に8月までは全て埋まってしまっているので、 申し訳ございませんがお預かり・作業開始は9月からとなります。 何卒ご了承ください。



STUPID CROWN Custom&Paint Factory Mune.T.

2019年6月17日月曜日

Youth Gone Wild。

先週末の納品&発送ラッシュで本日銀行へ入金確認に。
「いやぁ良い天気だこと♪」で、そのままカブで立川の路地裏をトコトコ散歩。

丁度中学生の下校時間に重なり、路上は元気有り余ってるガキ共でいっぱい。
「この年式(年齢)パワー有り余ってっからなー」
で飛び出し注意して10㎞以下で徐行。
ほれ、案の定はしゃぎ過ぎてど付き合いに夢中で飛び出してきたよ。
「こんな時は威圧感あるホーンよりパフパフラッパだよやっぱ」
でラッパに手伸ばした時点で少年ワタシのカブに到達。



接触人身事故。



もとい、オサーン転がされる。
中坊のフィジカル圧勝(´・ω・`)




我に返った少年の集団、腕にお絵描きあるオサーン転がしてしまってあからさまに慄いている。

「大丈夫か?怪我ないか?」
「は、はい・・・す、すみませんでした・・・・・」
「怪我無くて良かったよ。気をつけなね」
「お、おじさん大丈夫ですか?前転してましたけど」
「あー、大丈夫。俺モトクロスやってるから転ぶの慣れてる」
「本当にすみませんでした!!!」
「仲間と愉しいのは十分理解るが怪我とか死んだら終わりだからな。
気を付けて愉しく生きろよ」


予測の上の最徐行、配慮してパフパフホーン、
レース速くないクセに受け身何故か巧い、
おかげさまで怪我人なし。
この少年共もこれで今後気を付けるだろう。
怪我せず実体験したのであれば尚更だ。

うーん♪ウィンウィンな結果で気分がいいぜ~♪
と思って店戻って来たが、
凄い冷静に考えればワタシ路上に転がされたんだからマイナスぢゃね?
しかも結果ラッパ鳴らせてないし(苦笑)


GUZZIのパニアケース。

「車体治ったので引き取りに伺ってもいいですか!」
パニアケースレストアしたGUZZIエルドラドのお客さん来店。
ご満足戴けたようで嬉しい限りです。
旧車あるあるで外すの簡単だったけど
どういうワケだか取り付けでプチ苦労しましたが、
ま、あれは予想の範疇ではありましたね(笑)
オーナーさんと「あぁでもないこぉでもない」で取り付け完了。





「MuneさんのGUZZI(これと同じ車種です)、いつ完成するんですか?」
あ、う、うん・・・そうだね、うん・・・うん・・・・
まぁ、あれ・・・だね・・・あれだよ、うん・・・・
あんまあれすると、ね・・・46さんが、うん・・・・w



これ以上やるとマジで造ってもらえなくなりそうので
これでやめておきます。

O様ご用命ありがとうございました!
ワタシのGUZZI出来上がったら是非一緒に走りましょう♪

2019年6月13日木曜日

TX650。

どマイナーな車種故に復刻デカールの流通一切無し。
勿論メーカー純正はとっくのとぅに無し(苦笑)

「これエアブラシで再現となると結構高くなりますよ」
「えぇ、勿論それで構いません」

もうこの辺の車種もそういう価値のある領域になってきたという事でしょうか。

「とはいえリペイントなので鏡面仕上げでいいです」






自分で塗っておいて何だが、
多分世界で一番美しいオリジナル塗装のTX650だと思いまする(笑)

完全硬化後の土曜日に梱包します。
ご用命ありがとうございました!

GUZZIパニアケース。

以前レポートあげたビンテージGUZZIのパニアケース。
4か月要しましたがようやく完成です。


中心に奢られているアルミのモール、
この部分で分割を一体化してる構造なのですが、
ここのクラックが問題となって時間を要しました。
過去の人があろうことか内側からFRPを貼り付けまくるという
メタボリックな修正方法をとってしまったので
モール留めてるリベットが内側埋没してしまっていて、
かといって表からベルトサンダー当てるとモールやってしまう。
結果「これ取れないじゃん」という状態でした(苦笑)

 本来このパニアは表に意図的にクレバスが走っており、
それを隠す意匠でモールが奢られています。
ですので本来は表から治すのがセオリーです。
今回はイレギュラーでしたので内側をしっかり固めましたが。

年式考えるとFRPが蝋化しててもおかしくない年式です。
走行中に割れて中身道路にぶちまけてしまう前に
同型のパニアのオーナーさんはクラックの点検をした方が良いかもしれません。
軽度であれば一度モールを外して内側補強、
そして再びリベット固定で塗らずに治るかもしれませんので。


本来パニア後部下側にテールランプがついているのですが、
オーナーさんが必要ないとの事でしたので
クラック修正ついでにスムージングして
子持ちラインをそちらにも引っ張ってあります。
子持ちラインは装着する車体の雰囲気に併せて
ガイドライン一切無しの1発筆引きです。
当方の工房で言う「ゆるふわライン」ですね(笑)

クリアはやはり車体の雰囲気に併せて6分艶でフィニッシュ。
もしかしたら車体より艶が引けているかもしれませんが
その場合はオーナーさんが布で擦るなりしてコントロールする
「余裕」を敢えてもたせてあります。
コンパウンドで傷一つなく磨き上げるのと違い、
布擦りで擦り痕と摩擦の磨きで艶引け加減を自分で愉しむ。
これも一つの旧車の遊びと思いますので。

残念ながらオーナーさん、現在車体がプチトラブルで入院中(苦笑)
車体戻りましたらいらしてくださいませ!

2019年6月12日水曜日

コバ付け。

フェンダーやタンク曲面部に均一にパテを載せる技法、
通称「コバ付け」と呼ばれる作業。

コバとは車のフェンダーのアーチの部分の名称で、
これは口の利き方知らなかったクソガキ時代にワタシが故中沖氏よりご指導戴いた技法です。

均すのに使ってるのはサランラップ。コンビニ袋でもOK。
実は板金塗装、結構生活の中にありふれたモノを色々とアイデアで使っておりまする(笑)




まだ丁稚で自動車板金塗装屋にいた頃、
そこの仕事終わったら仲間が貸してくれてたガレージに向かい
そこで2輪のSTUPID CROWNの仕事をしていたのですが、
向かう前に1服してた品川通り沿いのコンビニ、
そのすぐ近くにご隠居された中沖さんは住んでおり、
ワタシの単車の音聴いて出て来られて
「結構弄ってますね」
これがきっかけでお話しするようになり、
「実は私も引退するまでは塗装工だったのですよ」
「え!おやっさんもペインターだったんすか!!」
「今度もしよろしければ昔の職場ご案内しますよ」
「マジで♪おやっさんありがとーーー♪」
で、連れていかれたのが他でもない「わたびき」(苦笑)

もうね、若造の頃のワタシは神様見抜けないヴァカだったのです。。。。

それ以来時折中沖さんに色々とアドバイス戴いたり作品観て戴いたり、
4輪の仕事辞めて2輪1本でやっていくか否か悩んでいた時も
その時は川口湖畔の別荘にいらっしゃったので
赴いて相談にのって戴いたりしてくださった経緯がございます。

直営の弟子ではありませんでしたが、
多分「何ちゅう無鉄砲な若造に出遭ってしまった」
位のスタンスで接してくださったんだと思います(笑)

2019年6月2日日曜日

Kidz Next Ska。

ウチに初めて来た時はまだ未成年のクソガキだった奴らが、
今ではそれなりの青年になった。
仲間同士みんなそれぞれ好きなバイクに好きなスタイルで乗っている。
チョッパーSR・ZXR・R6・CB750F。
うん、多摩地区だね(笑)
一人の仲間のバイクの作業に4人も集まるのは若い証拠だね。
あ、魚肉はいい年こいて未だにおっさん達ワイワイ集まってるけどねw

自爆で割っちゃったカウルをリニューアルしてカスタムペイントして、
それを集まって来て皆で交換してコーフンして。
色合わせしないでいいカラーリングなら手間かからないから
折角なんでカスタムペイント。
こういう七転び八起きカスタムもアリだと思うよ(笑)



スクリーンがあまりにも黄ばんで汚いから
とりあえず中性洗剤で洗ってみる。
うん、全然変わらんw
仕方ないからプロの技で復活させてあげる事にする。
車体オーナーのT君、工賃はスコッチ1本な(笑)



塗り上がりカウルへのパーツ移動にビビりまくる青年団。
バイク屋さんが工賃取る理由を身をもって体感していく。
「こんな緊張して冷や汗かいての工賃なら納得です」
そう、そうやって対価というものを納得していけばいいと思うんだ。



「Muneさん見違えりました!!ありがとうございますっ!!」
いや、こちらこそ俺が10代の頃に花形だった車体をこんなにも愛してくれて、
むしろありがとうね。
入庫パンパンで2か月も待たせたのはすまない。



魚肉クルーの森、魚肉らしさ発揮し過ぎてウザいwwwww

所帯持ち・メカニック・交通機動隊。
いろんな人生歩んでいるようだが、
こうして愉しそうにモーターサイクルを弄れる場になれるんならいつでもウチ使え。
あ、但し次ウチ来る時にはスコッチ持ってこいよなwww


いつでも言っている。
こういう時間をありがたいと思ったのであれば、
それを次の下の世代に回せ。
今度はお前たちがそういう大人になればそれでいい。
年功序列抜きにして形成される本来の「上下」とはそういう事、だ。
明日(もう今日かw)仕事の2名、しっかり起きて行けよwww


「最近の若い子らがバイク乗らなくなった」
そう?
それって大人の我々が自分だけ遊んで下育てようとしてないからじゃ、ない?
継承が出来てないものは絶えていくよね、フツーに考えて。

2019年6月1日土曜日

工房内BGM。

来店したお客さんと店内で流れてたFMラジオの話になる。
「Muneさんは好きな局とかあるんですか?」
「いや、ちょくちょく変えるんすよ」
「じゃあ好きな番組とかパーソナリティいます?」
「やまだひさし・ピストン西沢・バカボン鬼塚・マンボウやしろ」
「あー、それで今の面白い人格築いたんすね!」
死のうwwwww


入庫状況。

先の投稿でレポートあげましたが、
2月・3月・4月入庫のお預かりのものは
概ね6月半ばには全て納品の手筈で進めております。
オーナー様暫し連絡お待ちください。

現在ユーザー枠8月まで埋まっております。
これからのご予約ですと作業開始は9月になります。
何卒ご了承ください。

業者枠も現在完全にいっぱいです。
ホントにこれ以上の入庫が不可能な状態ですので
申し訳ございませんが業者様も6月全てストップとさせてください。
預かったところで作業に取り掛かるのは間違いなく7月からです。
すんません。

STUPID CROWN
Custom&Paint Factory
Mune.T.

エレン。

こいつがウチに来たのがレース開催の1週間前。
スタイロフォームから型取りされたレジン剥き出しのこいつ。
これをレースに間に合わせなければならない。。。。。

当たり前だがこいつはレーサーなので
パテ盛って重くなるとか普通考えられない。
なので凸凹した面をカットしてはフラットに貼り直す作業を繰り返す。
そしてシングルサンダーで削り込んではまた貼るを繰り返す。

ブースの中が足跡出来る位レジンの粉まみれになる。
「パテ粉!!パテ粉!!」連呼されて
「パテぢゃねぇよ、レジンだっての。」とイライラするのは
この時点でワタシの精神力に余力がない証拠だろう(苦笑)

これだけの量のレジンを粉にしてやっと下地をフラットにする。

そしてどうにかサフェが入ったのが木曜日の夜中。
あと2日しかない。。。。

金曜日、車体側の最後のフィッティングのタンクが設置された為
その部分のカット作業でクニさんが車体を持ち込む。

このガスタンクの部分載せてカットした訳ね。

これ、もう日曜日完成したら奇跡な状態。
というより今まで人類がこれ動かした事無い。
当日初陣どころの騒ぎぢゃねぇwww

ボディのカット作業が終わるとクニさんも店へとんぼ返り。
お互いに1㎜たりとも余裕がない
(´・ω・`)

もう金曜日だ。あまりに時間がない。
多色使ってグラフィックとかやってる時間は皆無。
ここは今までの経験で手が勝手に動く効率の良いペイントを施す事にする。
しかもサフェの地肌活かすペイントでイメージ再構築。


で、土曜日早朝にこうなる(笑)



もうね、英国式ドレスコード思いつかないw
しょうがない、だってワタシ嘉手納基地の玄関の地の血統だものw
付け焼刃で英国軍ターゲット入れたけど
どー考えてもスピットファイアではないよねこれ。
どー考えてもP51マスタングだよwww
もういい、
「何度言ったら英国式って理解ってくれるんだMuneさんは」
って、清々しく怒られに行こう(苦笑)


もうね、当日ドッキングしたこの姿観れただけで感無量(笑)

で、いざ走ってみたら

こーなったwwwww

ハンドリングクイックすぎ。
ドライバーのシフトチェンジやパッセンの移動でも敏感に反応して
いちいち左右に激しく揺さぶられる。
挙句コーナー終わりで更に深く切れ込んで側転しかけて
そのまま体勢こそ戻ったが草むらにコースアウト(´;ω;`)
死ぬかと思ったがや(苦笑)

一応決勝走りましたがドライバーもパッセンも走るだけで疲労困憊。

出走前は
「まぁあれだ、俺らの前出るんなら覚悟しておくんだな。
噛み殺すぞ」
とか言ってましたが、
いざ本番走ってみたら搭乗員がこいつに噛み殺されました
(´・ω・`)

堆積層怖い。

先のGUZZIパニアケースと並んで苦労しているパーツ。
Z系のシートカウル。

サフェが入った状態でお預かりしていたんですが、
どこをどう見てもフォルムがエッジなくてデブってて緩い。
深いえぐれ痕があったのでそこを修復しようとペーパー当ててみたら
「ちょっとどんだけあるんだ」レベルで塗膜の層が。

歴代タイに並ぶ勢いの塗り重ねっぷり。
数えられた層だけで13層近くある(笑)
しかも過去の塗り重ねで容赦なくデカールも埋めてる。
その段差を赤パテ(ラッカーのゆるいパテ)で均してる。
当たり前だがこのまま上塗り出来る代物ではない。
この塗膜のバウムクーヘンみたいなフェザーエッジが
ガンガンに吸い込み現象起こすに決まってます。

えぇ、前回のパニア同様手砥ぎで全部削ぎ落すしかありません。
下地がPPなんでやっぱ機械砥ぎは出来ないので。。。。

丸々1日費やして全部落としてやりました。
すると傷一つないとても綺麗な状態。
エッジもぴしっとシャープに出てます。
そうだよね、お前は本来これ位美人なはずだもの(苦笑)

という事でこちらもペイントいよいよ佳境。
K様、あと暫しお待ちを。

しかしこの地道で途方もない手砥ぎの作業重なると
精神的には結構くるものがございます(苦笑)

旧いパニアケースの怖さ。

2月よりお預かりしてるGUZZIのビンテージパニアケース。
これの作業が右斜め上のトラブルが連続して
正直ドはまりしております。。。

このハンマートーンというかエンボスというか、
この部分の傷の修正ついでのレストア依頼だったのですが、
剥いてみれば合わせ面のFRPが相当に劣化していて機能果たせていなかったので
内側から1プライFRP新規で貼り込んで、と思っていたら
もう既に過去にやっつけ仕事でそれやられてる痕跡があり、
しかも足付けせずに貼ってるからペリペリ剥離しちゃってる。
アルミのモールはリベットで止められているのですが、
リペイントで一度解除しようと思っても
この過去のやっつけFRPでリベット埋められちゃってて出来ない。

更に「まじかよ」だったのがこのハンマートーン。
これ、どうやら適当なアンダーコートでそれっぽくしただけ。
しかもこれも足付けしてない。
だからサフェ吹いただけで全部縮れてめくれ上がる。
海外から来た車体だったから間違いなく外人の適当やっつけ仕事。
「もう入ってこねぇだろうからこれでいいや」
外人のクオリティは超絶丁寧か超絶やっつけか、
極端だがどっちかに振り切れてる事が多い。。。。

仕方ないのでやっつけ層を全て砥いで落とす作業へと移行する。
とはいえ下地が金属ではないのでマシン使うのはNG。
下地のFRPごと削ってしまうので。
外せないアルミのモールを保護しながらひたすら手で砥ぎ落す。

当時の黒ゲルが出てくるまでひたすら砥ぎ落す。
片側だけで2日は掛かる。
もう片方やるのに2日。
でもって2セットあるから(苦笑)

やっと落ちた。
当時の黒ゲルまで削ればもうトラブルは出ない。
これでやっと安心して作業が続けられます。

側面が追い込んでシェイプし終わったところ、
後ろ面がこれからのところ。
長い闘いだったがこれで終わる。

感無量(笑)
他の入庫との兼ね合いもあったが
これの下地の整えとFRP補強に1か月半費やした(苦笑)

ここまでくれば言う事を聞く良い子になる。
或る意味FRPの劣化は仕方ない。経年劣化だから。
今回のこの子はどちらかと言うと人的災害。
今までの修理した連中がいい加減な仕事してきたから
こんなハメになっただけ。

ここまでやれば相当立派なパニアに生まれ変わるでしょう。
ビンテージだけど十分実用に堪え得るスペックを有して。
そしてそれこそがパニアの本分ですものね。

やっと上塗りの作業に漕ぎつけました。
ここからはかなり予定通り進むはずです。
O様、あと1週間ばかりお待ちを。