2020年11月30日月曜日

重要連絡事項です。

 昨日未明、いつもトランスファー(水転写デカール)を発注している英国業者より
「残念ながら年内生産と発送が出来そうにもない」との連絡が来ました。


現在お預りのトランスファー待ちだった4台もこれで作業当面中止にするか、
トランスファーの施工を省いての仕上げお渡しとするか、
オーナー様に選択を余儀なくされる事となりました。



つきましては当面、トランスファー施工希望の車両に関しては、
トランスファー事前に入手済で併せて持ち込み可能な方、
或いはトランスファー施工を省いたフィニッシュでの承諾、
以上2点以外の入庫の受付を中断させて戴きます。


というのも、お客様の方で「気長に待てますので」で
英国からの発送再開まで延期で構わないと申されましても、
当方はその間金額を戴く事も出来ず、
施工待ちの預りでスペースもひっ迫されてしまいます。
こちらのお預りの場所事情と経済事情も鑑みてご理解いただけますと助かります。



画像は取引している英国のサイトの11月29日現在のもの。
「COVID19 LOCKDOWN」の表記がされており、
当方が知り得る限りでは6月からこの状態のままです。
気を揉みながら英国からの到着をひたすら待ちましたが、
嫌な方向での予感が的中してしまった状態です。



再開の通知が来た際には、こちらBlogにて
ラベルの「入庫状況」にて逐一お知らせ差し上げます。


当方、英国やイタリア車のトランスファー時代の旧車のオーダーが多く、
それだけご用命頂いておりました故、非常に残念で悔しい結果ではありますが、
何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


STUPID CROWN
Custom&Paint Factory
Mune.T.

2020年11月29日日曜日

若輩者の証。



実弟のところにとあるジャケットを引き取りに行った。
親父が若かりし頃着ていたVANのジャケット。
親父は設備屋で肉体が筋骨隆々になり着れなくなっていた。
私も実弟も若い頃これをよく着ていた。
その後実弟がこのジャケットを引き継いでいた。


その弟も実家の稼業引き継いでこのジャケットが着れなくなった。
弟の息子達3兄弟も体格が良くなって着れなくなった。
ウチの息子も170近く背があるので小さいだろう。
「響にでもあげれば?」
それで引き取って来た。


驚いた。私まだ全然着れた(苦笑)

これはあれだね、私が全然人間として成長してない証なのかもだね(苦笑)
シブさも貫禄も無いって事だ。
まだまだ人間力の磨きが足りないと思われます。。。。


文字入れbyカミさん。
20年前、髪の毛青かったんだ。
ヴァカだったんだろうなww


ま、いいや。娘に譲ろう。



私、まだまだ若輩者のようです。
早くこのレナード・コーエンの様な領域になりたいのですが、
恐らく一生かかっても辿り着けないんだと薄々思ってます。
声質全然違うし、今でもハードコアパンクやメタル聴いてる段階で
まぁ失格なんでしょう(苦笑)

2020年11月28日土曜日

アルピナ正統派。

T様よりご用命頂いたBMWアルピナカラー。
水色・紺・赤の例の3色ラインのオーダーです。

実はこの細く隣り合わせの3色ライン、
エアブラシで施す方が手間も時間もかかります。
筆引きの方が度胸1発で早いです。
でも今回の車体はオールドスクールではないので、
きっちりかっちり小綺麗にまとめるべく
エアブラシでラインを施していきます。

先ず水色入れるのに他の2色の部分マスキングして。

次に反対側の赤を。真ん中の紺は最後に吹きます。
何故なら赤は仮に紺がわずかにはみ出したとしたら
それを消すほどの隠蔽能力がないからです。
ここをよく閲覧されている方々でしたらもうご存じだとは思いますが、
赤と黄色は下地に白やピンク、灰色や赤さび色、黄土色などを先に施します。
下地に黒い部分が残っているといつまで吹いても隠蔽出来ないのです。
下地の色のチョイスは赤の「発色」で決めます。
ビンテージ感のある重みのある赤にしたい場合は赤さび色や灰色、
イタリアンの様な真紅の場合は白やピンクといったチョイスですね。

なので紺は一番最後です。隠蔽力ありますからね。
そして両端先に確保する事で3色ラインの「色抜け」を防ぎます。
オーバーマスキングで起るエアブラシで塗れてない部分出来ちゃうの防止っすね。
なので紺塗る時は水色と赤を0.1㎜程敢えて残してマスキングします。
こうする事でオーバーマスキングは防げます。

が、この残しマスキングはかなり慎重になります。
わかさ生活のブルーベリー貪りたいです。
目がめっちゃやられるww

マスキングの貼り直しも3回やりますので、
最後までマスキングしておく部分は通常以上に丁寧に処理してます。
ライン次の入れる時にマスキング剥がして
その必要のない部分まで一緒に捲れちゃうと結構ストレス掛かりますからね。
およそ8時間ちょいの仕事をなるべくストレスフリーで行う手際は
かなり大切になってくるのです。

20年以上この仕事やってても
このマスキング剥がす時は結構ドキドキしてます。
とは言ってもワクワク感からくるドキドキというよりも
「無事に何事もなくフィニッシュしてますように」というドキドキですかねw

うん、いいね♪
ではラストのクリアコートです。
これもアイボリーやホワイト系は埃の付着で台無しになる可能性大なので
ペインターとしてはメッチャストレスなんですけどもね(苦笑)

3㎜幅3色ライン施したマスキングの残骸。

どうにか無事に終了。
たっぷりブース水浸しにしてビニールカッパ着て万全を期して挑みますが
それでもクリア4発の最中に埃の付着はもう「運任せ」です。
神信じてないけどまさしく「神頼み」です(苦笑)


昔、自動車屋の鈑金屋にいた時、
とある車の左側面パネル2枚補修ペイントしたんですが、
引き取りの際、その車の夫婦がルーペ持参して
1時間以上塗ったパネルをチェックされた事がありました。
その行動にもかなり驚きましたが、夫婦でおよそ1時間かけてチェック。
「あの、埃が6粒這入ってるんですけど」、と。
新車で買って大切にしてるので塗り直してもらえますか?、と。

ちょっとお時間頂いて、その夫婦に新車時のパネルもルーペでチェックしてもらいまして。
すると塗ってないパネルにも埃見つかったんですね。
「地球上で空気利用して塗っている限り、新車時でもこうなんですよ。
ですので仮に塗り直しても別の場所に5粒程は侵入すると思いますよ」、と。

ご納得頂いて無事にお帰りになられたのですが、
「新車にはない」「人が塗れば何かやらかす」
と、あの夫婦にはもう先入観ががっつり入ってたんだと思います。
とはいえ、やはりどこまでが「許容」で、どこまでが「不可」なのか。
ペインターは常にこれと闘ってる気がします。
その答えは20年以上塗ってても見つかっていません。


ただ、年に1度くらい、何一つ微細な付着もなく終わる個体があります。
その時私はそれを見て「神に選ばれし外装だ!!」と思わず叫びます。
全然神様信じてないクセに(笑)


T様、永らくお待たせしました。

2020年11月27日金曜日

スプラトゥーンという曲はなかった。

SNSの方で昨日の水色ぶちまけた画像のコメントで
「Muneさんスプラトゥーンで遊んでるのかと思いました」
と言われ、記憶が蘇った。



だとしたら俺、4年前からそのゲームで遊んでたみたいです

(´;ω;`)


2020年11月26日木曜日

Falling。

今日の俺、多分神に試されてる。
何だってんだこの仕打ち。。。。
ぶっちゃけ何が神の望む正解なのかまるで理解らん。
っちゅうか神なんぞおるか!


重大インシデント発生中だが
この事態の後遺症の事今は考えたくないので
垂れるがままに放置プレイで神に抗う事にした。

ブースで吹いてるクリア終わったら対峙する。
(´;ω;`)





1日に2個もくだらない事書くとは思わなんだ
(´・ω・`)

Dark Horse。

いやあのさ、ホント毎回突然爆裂するの、やめてくれる?
「バーン!!」ぢゃねぇんだよ、「バーン!!」ぢゃ。
驚き過ぎて変な声出たわ!

エアホース、爆裂音と共に爆死。


俺、このエアホースで老後心停止して死ぬんだと思われる。
恐るべし死神のダークホース、エアホース。
(´;ω;`)
この曲は破壊的な暴力と共に美しい。

2020年11月25日水曜日

29日開催のSideway Trophyは。

3輪ニーラー集団のThe Flatfishes
コロナの影響を鑑みて不参加です。
1人乗りの二輪や四輪と違って
パッセンとドライバーの距離がどうしても「近く」なります故、
苦渋の決断と解釈頂けましたら幸いです。


29日の日曜日、2輪と4輪は開催されていますので、
気持ちの良い屋外イベントですので
お時間ある方は是非袖ケ浦フォレストウェイサーキットに。


2020年11月23日月曜日

まやかしのドキドキ。

今日と明日はウチに来ない方がいい。
私も工房もまるで少女漫画「りぼん」に出てくるキャラの如く
めっちゃキラキラしてるからだ。


万が一間違ってキラキラ倍増状態の私にときめいたとしても、
それは物理的作用によるものであって、
精神的作用からもたらされたものではないという事を
兎に角肝に銘じておいて欲しい。



そのドキドキは完全に「まやかし」、だwww


2020年11月20日金曜日

Young Folks。

異様に暖かい今年の晩秋、
コンビニまで煙草買いに気分良く口笛吹きつつ歩いてたら、
こじんまりしたお婆ちゃんに
「夜に口笛吹くとヘビが出ますよ」と
にっこりされた。

「そですね~♪」って言ってにっこりしてすれ違ったが、
もう既に家にヘビがいるとは言えなかったw





この曲口笛吹きたくなるよねww

2020年11月19日木曜日

こんだけやれば流石に。

ワイ、遂にBMW R9Tの外装バラシが
SRの外装降ろすのと同じ位の時間で出来るようになる。
(´・ω・`)
流石に使うトルクスの番手も種類も全部覚えたw






これ位あっちゅう間。

2020年11月17日火曜日

TAKUMI CLASSICS。

元TR Company、10年近く三重のOVER RACINGのメカだった加藤さん、
多摩に戻ってきたから10年ぶりにまた仕事するぜぃ。



加藤さん腕がいいからのぅ、
住宅街の中でひっそりとやってるのに
もう預り車体でいっぱいだったぜぃ。

と思ったらBASS弾いて遊んでやがったぜぃ。
仕事しろやw
ってか加藤さんアンタ俺と同じくDRUMSやんけw

加藤匠一にちなんで「TAKUMI CLASSICS」なんだぜぃ。
ショップのステッカー色んな種類用意されてたぜぃ。
夜、立川の繁華街で信号機やガードレールや電柱に
スケボー乗ってがっつりボムってくるから
もっとくれ、加藤さんwww

帰り玉川上水でジャイロ撮影してたら
バランス崩して川に落ちそうになったぜぃ。
危く太宰治になるトコだったぜぃ。

幅50㎝で水深20㎝もないしょっぱい川で入水自殺出来るとは
或る意味太宰さんハードコアなんぢゃね?と思ってたが、
調べたら昔はこれどころじゃない水量だったらしいぜぃ。
これで溺死してたら俺の方がハードコアだって事になるぜぃw







歳食ってもカッコいい。
結成40年経ても今なお現役の彼らは正しくカッコいい♪

2020年11月16日月曜日

ルーツを追った1人の男の物語。

とある方よりオファーが来た。
「アルミタンクが破れたみたいでガソリンが滲んでいます。
これを機にカスタムペイントをしたいと思っております。」

はるばる九州から送られてきたアルミタンク、
BSA Goldstarの社外アルミタンク。
それではレストア&カスタムペイント開始しましょうか。

先ずは外注でツネちゃんにTig溶接を依頼。
きっちり治ってリークテストもOKなので
んではいよいよペイントの下準備に入ります。
全部黒だけど3回塗られてますね、貴方は。
もしかしたらどえらい修復歴とか出てくるかもです。
それはそれでしっかり治しますが、ドキドキしますw

ぐっは!何すかこのパテの壮大な盛りっぷり!!
まさか過去に大転倒とかしてアルミボッコボコ⁉

あ、あれ?
思ってた程酷くないぞ?
何だったんだろ、あのモリモリのパテは。

ま、オーナーさん出来るだけ余計な物剥ぎ取ってくれって話なので
まぁ結果オーライという事で。

んんん?
反対側の右、やけにエッジが立ってるなぁ。
パテ盛るならこっちに盛って丸み帯びさせるのがセオリーなんだけどなぁ。
(´・ω・`)?

まぁ左の方が綺麗なアール描いていて理想的よね。

こっちのエッジ、お世辞にも上手なメタルワークじゃないものね(苦笑)
一応オーナーさんに画像送って相談。
どっちのアールで行きます?ってやりとりしてる最中にある事に気付く。
「ん!待てよ!!左パテたっぷり盛ってたって事は!!」

エッジの位置が足りてないから左盛ったのですか、そうですかww
これも含めてオーナーさんに報告。
オーナーさんより男前なカッコいい方法を提示される。

「これがこの当時のプロダクションの精一杯だったんでしょうから、
位置違いはそのままで仕上げるとかは無し、ですかね?」

おおぉ、ある意味ヒストリック大切にしてて良いと思います!
なのでこのまま「なり」で綺麗にしていきます。

因みに何回目のリペイントでされたのかは不明ですが、
この台座まで黒塗りされていたエノットキャップ。
アルミだし塗られている理由ないと思いますので
(エノットキャップのこの部分塗ってる車体ほぼ無いです)、
ここは丁寧に剥離剤で塗装剥がしました。

あまりに酷い凹み以外は極力パテを使わない方針で。
とはいえハンドメイドのアルミタンクだとやはり微妙に凹凸あるので、
サフェーサーを1度入れてざっくり砥ぎ上げて凹凸を減らし、
もう一度サフェを入れて再び砥ぎました。
ビンテージな旧車なのでショーカーの様なパーフェクト鏡面にはしませんが、
これでかなり映り込みには耐え得るベースになったでしょう。

黒に塗ってクリア入れて、数日完全硬化させたらいよいよエンブレム。
んでは参りますかね。

このタンク、当時Taylor Dowというファクトリーが製作したそうで。
そういう意味では名車ゴールドスターではありますが
当時物の「カスタム車両」だとも言えます。

Taylor Dow,Stella D' Oro Racing Petrol Tank.
ほほぅ、これが当時の広告なんすね~
「このStalla D' Oroを文字でエンブレム下に入れてもらえますか?」
了解しました、ではエンブレムに馴染む様にゴールドでいれましょうか。

エンブレム内はこのピンバッジをモチーフにインストールする事に決定。
ではやっていきますね。

今回は蒔絵で箔をやろうと思いますので、
色違い金箔を3色用意します。

先ず中を赤に塗ってマスキング、では参りましょう。

蒔絵と言ってもモザイク箔ですね。
色違いの箔をランダムにモザイク状に押して貼っていきます。
その際指で擦り上げて敢えてクラックを発生させて、
そのクラックに色違いの箔を押し付けて定着させていきます。

ここでオーナーさんから連絡。
「蒔絵と聞いていたので金粉でやると思ってたんですが」
あ、いえいえ。これも蒔絵です。

オーナーさんに「蒔絵でやりますね」で送った参照画像がこれ。
以前ケンタのところで塗った中世ヨーロッパの活版印刷風のタンクね。

オーナーさん、金粉のものを蒔絵を思ってたみたいで。
金粉もモザイクも大きさ違いで蒔絵で同じではあるのです。
説明って難しいですね(苦笑)
こっちは先端に向かってかすれていく画風だったので金粉でかすれさせてますが、

BSAの場合は先端が「破綻」していないので、
モザイク箔を選んだのです。
更にこの様に放射線に影もありますので、
それをランダムですが箔にも印影付けようかという次第。
オーナーさん、納得してくださいました(笑)

「了解です、ただエンブレム中は赤じゃなくて黒が良かったんですけども」
あ、ピンバッジモチーフだから疑わず赤にしちゃいました(苦笑)
これはディスカッション不足です、すみません。

で、一旦またクリア入れて完全硬化させて中を黒にする(笑)
で、文字入れ。こっちは1枚箔で。

でもって先に仕上がったGBタンク同様、フリーハンドで放射線を描き込む。
そしてエンブレム下に文字入れ。
当たり前だが左右w


いよいよ最終仕上げのクリアを入れて磨き上げて完成です。
BSA Goldstar、Taylor Dow製のStalla D' Oroタンク。



左右エッジ違いは敢えてそのまま仕上げました。

うん、上品に収まったと思います。



ヒストリックをしっかり追って敬意を表して仕上げたペイント。
ペインターの名前なんざどうでもいいんですよ。
英国より遠く離れた極東の国に
それを追い求めて成し得た1人の熱い魂の男、
BSAのオーナーがいるんだって事が英国にも届けば、
それだけでいい、って話です♪

T様、この度は壮大なロマン溢れるオーダー、
ありがとうございました。
お力添えとなれたのであれば是幸いです。





で、英国とか言ってる割には流すのはボストンパンクwww