2022年3月31日木曜日

46 works's BMW R75。

 


BIKE EXIF

令和から遠ざかってく我が工房。

こないだの割っちゃったBOSCHレンズの代わりに
210パイ大口径のレンズ2枚とりあえずカット出来ないか問題。

もう戻って来た!

恐る恐る箱を開封、中身を確認。。。。




最高かよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(இдஇ; )感涙


レンズのスペアも確保出来ちゃった。
マジで下町のガラス職人さん、あざっした!!!


さて、割ってしまった元の方のレンズ。
捨てるにはあまりにも忍びなく
ふと思いつき10分ほどTig溶接で加工。

同じく不要になった192パイの大径リムと共に
工房のランプシェードに移植した。
不思議とこういう環境だとヒビ入ってる方が雰囲気ある(笑)
とはいえ公道では割れて落下する可能性のあるものは使えないしね。
ましてや業界の私がそれやっちゃいけません。
他の人に害を為す可能性だけはやっちゃいけない。


折角10年前にギリシャのキプロス島からはるばるやって来たので、
割ってしまったのは申し訳ないが
残りの余生はこの工房で共に過ごしてくだされ。



不思議とLED直の時よりも光が柔らかくなった。
だが私の工房はいよいよ昭和初期へと遡っている気がしてならない。
このランプ眺めててこの曲頭の中に出てきたw

2022年3月29日火曜日

ROTTING IDOLS。

偶然なんだろうけど昨日今日で
各種SNSで「煽られた」案件が6件も。

多分皮肉にもこれが一番煽られねぇんだと思うよwww

よだれちゃん戦闘モードwwwww



暴れる事とバイオレンスこそがハードコア。
うん、それは大正解だしその通り♪
でもそこにボールパイソン使っちゃいけない。
あいつらは黒目でクリクリした瞳してて
正確も穏やかで動きものんびりで全然ハードコアじゃない。
むしろ可愛いw
イメージで使っちゃ、いけないww

2022年3月28日月曜日

Habits。

日中の音出せる時間でフライスクリーン付けちゃおうと
ちゃっちゃと作業しちゃう事にした。

程好く肉厚な鉄をL字に曲げる×4。
フライスクリーンのマイナスネジで共締めにするつもりなので
1個ずつ穴位置それぞれに合せてマーキング入れてドリルド。

4つそれぞれ穴位置合わせたら4つ全部万力で挟んでハンマリングで角度調整。
先ずは全て同じ角度から始めて
スクリーンの角度や取付位置でそれぞれの微妙な角度調整をしていく。

ばっちりなポジショニング確保出来たら
L字の無駄を切削したり削ったりして成形していく。
肉厚だからこれ位スリムにしても十分に性能を発揮できるでしょう。

寝かせると戦後の車体っぽくなるので
ブラフシューペリアみたいにほぼ垂直にマウント。
しかし取り付け部は円を描く様に3次元で。

元はシェルにアンメーター埋め込まれていたヤツを埋めたので、
どちらにせよこの部分パテ整形だから
取り付けステーも滑らかにスムージングしようかな。
うん、満足♪

そして悲劇が訪れた。。。。

翌日夜車体眺めたら
かつて物凄く探し回ってようやくギリシャのキプロス島からやってきた
戦前のBOSCHのレンズが割れていた
(´;ω;`)

このレンズ、異径の192パイという変則的な口径で、
たまたまリムも一緒に入手出来たので
通常の180パイのリムに覆い被せて
光軸調整用の3か所のステーでボルトマウントしていたのだが、
どうやらそれで疲労骨折してしまったようだ。
膝から崩れ落ちそうな位悲しいが、
疲労骨折してしまったという事は
走り出した時の振動には耐えられなかった事であろう。
やはり異径の戦前レンズを導入するのは無理な話なのであろうか。。。。

あっ、

そういえば10年以上前、この車体のカスタムオーダーで
同じく戦前のアメリカ製トラクターのレンズをインストール出来ないかと
そんなオーダー戴いて、


見事に現行のシェルにカットでインストールさせる事に成功した
下町の凄腕ガラス工房があったじゃないか!!

偶然にもこのBOSCHレンズ、あと2枚ストックはあるのだ。
ただ、そっちは192パイよりも更に大きい210パイ(苦笑)
これカット出来れば現行180パイのレンズに落とし込めるんじゃないか?


藁にも縋る想いで工房にレンズを発送してみました。
あとは職人さんの判断を待つのみ、です。






2022年3月25日金曜日

Chicken in The Corn。

2月に猛烈に仕上げたTRIUMPH
おおぅ、巻末ページだとばかり思ってたが
まさかの巻頭特集か(笑)

という事でMOTO NAVI発売中です。


雪見だいふくじゃないよ。

こー見えてもアルミ叩き出しのハイスペックだよ。
雪平鍋みたいなこれパテ使わないで丸くするの結構手間のかかる作業だよ。
因みにこれ叩いて造ったのツネちゃんだよ。

マイセンの陶器みたいにツルツルよ。

これが何かってぇと

東京駅のインフォメーションロボの頭だよ。
電車ほぼ乗らないから東京駅のどこにあるのか知らないよ。
ってか我々に比べて服飾チーム仕事が粗い。

よwww

「閉店するバイク屋のストックだという事で買ってきました。
サフェ入ってて凹みないです」
で、お預りしてみたけど裏側まるっきりサフェ入ってないねw
ん?

ぎゃ!
何か全然くっついてないハンダ載せられてて疑問に思ったんだが
穴誤魔化す為にふりかけ程度にハンダ載せて穴隠していやがった。

反対側もだ。
これ長期放置車両だね。
ガスほぼ入ってない状態で放置されてたから
結露で下側まんまと水溜まった典型例だ。
ガソリンと水だと水下に沈むからね。

表もやられてるからこれはもう地金だいぶ脆弱でしょうね、間違いなく。
戦前車ならそれでも何が何でも直す事になるでしょうが、
カタログ落ちから10年ちょっとのZRXなら
もっと程度良いタンク入手した方が遥かに安いです。

閉店セールだからバイク屋、知ってて放出したのかもね。
現金になれば何だってするでしょ、潰れた店は(苦笑)

今一度お探しになってお持ち込みくださいまし。
ZRXなら絶対すぐに見つかりますから!

珍しくタンク内錆取り&事前に保護案件重なる。
トラは新品リプロだから保険代わりの保護コート。
なるべくタンクライナーは使いたくないので
「花咲かG」でそれぞれ2日グツグツ煮込む。
全部で3本だから6日間、か。
ここ数日寒いからぶっちゃけ助かる。
これ真夏にやると工房の気温が作業中45度超えて50度近くになる。
眩暈がするwww

しかしこの作業中にコロナワクチンの3回目の接種の日が来る。
まぁ2回私はほぼ何も副作用出なかったので大丈夫だろ、と
若干というか十中八九舐めてた。
摂取した夜から肩がめちゃくちゃ痛い。
ムエタイ選手にハイキック喰らったみたいに痛い。
「やべぇ!今のキックで筋肉の筋逝ったぞ!!!」って位痛いw
でも高熱は出なかった。
んが、何故だかめちゃくちゃ低体温症になった。
手足の末端が痺れてる位冷たくて痛いwww

接種当日は流石に経過観る為に休んだ。
次の日からフツーに作業するはず、だった。
が、タンク保護の準備で行う燃料コックのゴム栓入れられない。
ねじ込む為に上からトルク掛けると
肩にまたムエタイ選手がハイキックしてくる
(´;ω;`)

流石に今日はこれ以上は作業しててパーツ落としてまう。
ここらで本日閉店とします。。。

しかし



春だねぇ~♪


前回のACDCカヴァーもだけど
早く街中にこういう音楽が溢れる世の中に戻らないかなぁ
(´・ω・`)
日本では一番受けないジャンルと言われているFUNK。
でも私コザの黒人街でいっぱい聴いてきたから好きなのデス♬

2022年3月24日木曜日

MOTO GUZZI制作記 車坂下Production編。




さて、車坂下Productionの野呂さんの作業レポート。

先ず手始めにフロントのステップボードから。
この位置合わせから様々なポジショニングを決めていきます。

フットボードはハーレーのオーバル(半円)タイプを流用。
で、ハーレーだと無論全てのマウントがインチ。
これをGUZZIのミリに統一すべく
先ずは野呂さんが全てのボルトをミリ化してくれた。
これ、地味に今後助かる統一規格。

というワケでこの作業はそれほど難しくはないが
色々野呂さんの優しさ設定で完璧なセッティング。

で、次に今回の車坂下での最大にして難関の
ハンドチェンジ化の為のハンドシフターの製作に。
先ずはリンケージのファイナル固定の場所を色々検討し探り、
この位置に決まりました。

その位置を確保する為
既存のイグニッションコイルは少しタンクトンネル内に移動。
そしてシフター側の燃料コックの位置も後方へリロケート。
こういうレイアウト変更が様々に起こるのがカスタムなのです。

以前少し触れたニュートラルランプの電気信号を拾うセンサー。
これも当たるのでめくら蓋します。
元からニュートラルランプなぞ付いていない旧車ばかり乗ってましたし、
今回装着するメーター(モトガジェット)に
自動認識機能でメーター内にニュートラル表示どうせ出ますんで、
ここも塞いでシフターの「通路」を確保します。

野呂さんが普段扱っているHarleyとGUZZIは
メカニズムはまるで別物。
野呂さんも頭の中のシュミレーション
相当悩んで構築を繰り返したようです。
フレーム下に伸びているのがシフター、
上の先端がフック形状になってるのがクラッチアームです。

リンクを駆使して繋げていく野呂さん。

どんどん支店力点作用点を駆使して上がっていくシフター。

とりあえず暫定の位置まで到達。
贅沢にもシフターのリンク部分にベアリング仕込んでくれているので
動きが超絶滑らかです♪

実際組み上げてみて動きの中で不具合も見つかります。
今回はキャブにほんの僅か干渉する事が動かしてみて判明。
こっちの左側のキャブをほんの少し内側に振り直したようです。
色々お手間お掛けします。

シフターが決まったのでお次はクラッチ。
脚で操作するフットクラッチでロッカータイプ。
ここ観てる方はもうご存じの方が多いと思いますが
ロッカークラッチとは足を降ろした状態でも
そのままの位置でクラッチが固定されているもの。
その真逆で脚でペダルを踏み続けていなければクラッチが切れないのが
通称「スーサイドクラッチ」と呼ばれているものです。
脚降ろせないから自殺クラッチなんて呼ばれてるんすね(苦笑)

因みにロッカーはその名の通りロック(Lock)出来るので
左足を降ろしても問題起きないので
戦前のHarley等で採用されていたフットクラッチはほぼこれです。
ただ、スーサイドの方が構造がシンプルなので
カスタムチョッパー等は不便覚悟のうえでスーサイド採用する事が多いです。
踏むだけのシンプルなアームのスーサイドクラッチに比べ
ロッカーはシーソーの原理でクラッチ操作するので
構造的には複雑でその存在も結構目立つ感じになります。

こちらは新たに製作されたロングアームにボールジョイントを使用し
ロッドでクラッチまでエントリー。
何ならクラッチまでワイヤーで行くかと思ってたので
しっかりメカニカルなロッドでテンション上がる私。

で、お次は反対側のブレーキペダル。
野呂さんアルミを何やら切り出してます。

削り出しでブレーキアーム♪

一度製作したものの
このペダル面積では踏みにくいと判断したようで
何ともう一度作り直してくれる。
この同じ位置を何度もスクラップ&ビルドする事で
よりしっかり走る事も実現出来るカスタムになっていくのです。
野呂さんもホントこのリトライ何度もやってくれる人です。

ペダルの先端を戦前車イメージ(野呂さん解釈)に変更、
こちらもアームもワンオフでブレーキのレバー比考慮しつつ
更にこちらも駆動方式はロッド♪

何と期せずして跨って見下ろした時の光景が左右どっちもロッド。
細かいところですがメカニカルで眺めてて萌えますw

そしてラストはバッテリー電装ケース。


アルミで製作してくれましてん♪
形は野呂さんに「丸投げ」しました(笑)
ここで野呂さんにもこの車体のデザインに加わってもらいたいので♪

前大きくて後ろに向かって細くなっていく形状か~

おー、蓋というか天面は緩やかなラウンド形状。

中にバッテリー固定用の間仕切り造ってくれてます。


上蓋と後ろを溶接で繋いでいきます。
上に向かってそっちもちょっと広がってる
キッチュで可愛い昔の玩具のブリキのロボットみたいっす♬

そうそう、ここでまた面白いエピソード。
前にケンタが造ってくれたワンオフのハンドル。
無論私が構想してケンタに何となく伝えて具現化してくれて、
これで全然満足ではあったのですが

野呂さんからある日℡。
「Muneさん、あのハンドルがちょっとカスタムバイク過ぎません?」
色んな人がかかわってこそのこの車体のプロジェクト。
「大丈夫っすよ、けんたんこっち呼んでやらせますんで!」
ケンタ、ホントごめんwww
また何かバーターで塗るからリメイクお願いします(笑)

で、ケンタが車坂下でリメイクしてくれた。

ほんの少しワイド化。
中心に直線を少し取り入れてエンドもわずかに下に。
なるほど、確かに戦前車のハンドルっぽくなってる。
むしろライディングポジション良くなって大満足っす♬

シフターにドリルドでここはカスタム感を。

バッテリーケースも装着され


これにて車坂下での作業、全て完了。

納車の直前、
野呂さんがこんなノベリティまで製作してくれた。
外して不要となったクラッチアーム使って
アルミの更に溶接されて出来上がったお香立て。

やべぇぞ、これだけでもテンション上がるのに
車体も戻ってきたぞ!!!!


もう完成までのゴールがかなり見えてきた。





しっかし長ぇなおぃw
後ろの4段のロッカー移動させないとした2段開けられないやw
これは車体完成したら工房のレイアウトも仕切り直しだ(笑)


野呂さん解釈のアールデコ


メタルだけで構成されたロッカーとシフター



前後で採用したがメカニカルになったフットボード廻り

少し蒸気機関車のような
機械式時計の様な佇まいは狙い通り



キッチュな見た目がむしろ演出にプラスされた電装ケースは
そのフォルムが美しいのでアルミポリッシュでいく予定。

この車体のコンセプトだったNY博覧会のコイン埋めたシフトノブ、
ようやくこの車体に装着された

このシフトノブ、手首骨折した時に
リハビリ目的でちまちま螺鈿貼ったんだっけな(苦笑)






野呂画伯のバッテリーケースの中のGraffiti(笑)
おおぉ、このケース電装だと思ってたらこいつの犬小屋だったんかぃw
ぜってー消さないで取っておく事にするwww

思えばこのDRILASTICも探して見つけ出すのに2年以上かかったっけ。
ってか戦前ドイツ車知らない人はまるで知らないメーカーでしょうけど(苦笑)



ハンドル廻りはイタリア製で統一した。
スイッチは少し珍しいタイプのAPRILIA製。

ブレーキレバーは50年代のイタリアンのもの。
この辺はBATの片山さんが色々アドバイスと調達してくださいました。
そのレバーをSRのワイヤーで使える様にホルダー製作してくれたのはケンタ。




カスタムで確実に成功する方法論の一つが「引き算」。
無駄を省いていって車体本来の骨の美しさを際立たせれば
概ねフレームの美しい車輛ならこれで成功します。
保安器具全部降ろしたレーサーがその典型例ですよね。
ミラー装着しただけで全部台無しになって
「あああぁぁ付けたくねぇぇぇ」ってなった人多いんじゃないでしょうか(笑)

だから確実に結果を「外さない」セオリーは引き算だと思います。

じゃあ「足し算」はやはりダメなものなのでしょか?
付ける位置・数・チョイス・その周辺との兼ね合い。
これらを全て慎重に計算してやればカッコ良くはならないものか。
それこそ戦前の工場のボイラーや蒸気機関車、レシプロ航空機の内燃機。
ああいった機能美から来る美しさを落とし込んでみてはどうなのか。

どこまでも旅するモーターサイクル。
なので安心して走破する為のアイテムは減らしたくない。
むしろ夜間走行等ではフォグランプも欲しい。
それらを不格好なメタボリックではなく
どうやったら構築されて完成された範疇でメタボリックに閉じ込められるか。

野呂さんに同じ事言われました。
「引き算でチョッパー造ってきた俺には思いつかないスタイルで
物凄く刺激と衝撃を受けました」
ありがとう、第一線で常に結果出してきたビルダーにそう言われると
私の中で描いたこのミクスチャーは
今のところかなり綺麗に無理なく纏まっているようです。

戦前BOSCHのヘッドライトレンズ。
MGのラジエーターキャップ加工した燃料キャップ。
50年代のイタリア車のシャープな鉄レバー。
ドリラスティックとダンロップのラバーサドルシートのコンビネーション。
1910年代のブルックランズ缶後ろに大幅にせり出しての2本出し。
ツネちゃんに造ってもらったブガッティのScintillaテールランプ。


2輪4輪様々な当時のパーツの大博覧会状態。
でもそれをまるで当時から付いていたように見せられるか。
自分の中で外装の形は大幅には変えないは決めてました。
変わってない中で細く絞ったガスタンク。
フェンダーに追加したスカート。
メタボリックに見せない追加作業で纏めていく計算式。
知らない人が見たら
「こんなGUZZIあったんだね」って思ってもらえれば
私としてはコンセプト大成功です。

野呂さんホントありがとう。
GUZZI買ったら走りにいきましょうwww