2021年12月29日水曜日

HANG DOWN YOUR HEAD。

いつも色々とご用命くださるK様より。
TRIUMPHのタンクに羽根をあしらってくださいとのオーダー。
紫色の羽根をご希望。

が、実は一度失敗しまして(苦笑)
羽根全体をパープルのシャドウでやってみたら
「羽根」感が凄く薄れて「観葉植物」にも見える感じに。。。
羽根、それっぽいアイコン(座標軸)取り入れないと難しい。

エアブラシ多様でより羽毛感出していったつもりでしたが

キャンディパープルで沈めたあたりから「羽根」感が薄れてしまい


一応フィニッシュまでやってみたものの
やっぱり羽根なんだか植物なんだかな状態になってしまい(´;ω;`)

もう一度全面的にやり直す事にしました。

私からの提案で
羽根全部をキャンディで沈めるとまた植物になるリスクがある。
なので羽根自体は白かシルバーで先端だけパープルにさせて欲しい。
「羽根」である強烈な座標軸で付け根を表現させてもらえますか?
ネットで拝借した画像ですが
この羽根の付け根の糸巻いたグルグルがあれば
より人はこれを「羽根」と認識するようになります。
はい、一度観葉植物にしてもうた私、ビビってますw


K様からの提案で
羽根の配置は左右対称のシンメトリーで
(この失敗作では右燃料キャップ避けてアンシンメトリーだった)
羽根の付け根は取り入れて欲しくない

了解しました、最大限やってみます。

「羽根」たらんものにするが為に今回は繊細にではなく
大きく大胆にデザインしていきます。

先ずはシルバー、羽根の描き込みは前よりはシンプルに。
でも輪郭くっきりでやってみます。

毛先にだけパープルを。
これだけでも植物から羽根へと認識がスイッチしていくんじゃないでしょうか。

タンク上面からスタートして下へと作業を進めていきます。
よって羽根の被らせ方も上から下の羽根へと影を入れていく感じで。

色入れ終った羽根を丁寧にマスキングして下へ下へ。

全てマスキング剥がして全体をチェック。
シャドウの入れ損じとか向き間違いとかないかを入念に。
OKだったのでここで一旦クリアコート。

オーダー通り左右シンメトリーで。

羽根の付け根の表現は採用されませんでしたが
(何度も言うが一度やらかしたので自信無くなってたw)

羽根をキャンディで沈めなかった事で
今回はダイナミックな「羽根」として確立出来てるんじゃないでしょうか。

この段階の画像でK様にもOK戴きましたので
では続きをやって参ります。
先ずはラインをシルバーで。


こんな感じで。
ついでに前回の羽根描いた時にどうしても出てしまう
毛先に0.2㎜位生じてしまうシルバーの「はみだし」を
黒で今回は筆で輪郭なぞってパープルで綺麗に終わる仕上げにします。
これどうしてもカッティングペイントでは生じてしまう境界線。
でもこういう所を細かく拾っているか否かで
カスタムペイントは仕上がりのクオリティ変わると思います。

お次にTRIUMPHのロゴを。
前回の失敗作では持ち込まれたデカールを使用したのですが、
このタンク綺麗なまん丸な造形で、
要は360度全方向曲線なんですね。
YAMAHAとかHONDAならば1文字ずつバラに貼っていって
トータルでバランス観て仕上げる事が出来ますが、
このTRIUMPHてRとHが繋がってるデザインなのでそれが出来ない。
よってデカールだと綺麗に貼り込めないのです(苦笑)

なので今回は「銀箔いかがでしょう?」とこちらからご提案。
K様が快諾してくださったのでそれで施します。

アートナイフでこれ切り出すのは楽勝です。
RとHのラインは曲線に合せてフリーハンドで描いてるので
辻褄も合いますし問題なしです。

銀箔貼る為にワニス塗ります。
上が22時55分塗布、下が23時6分ですね(笑)
この時期ですと塗布後30分経過してから貼り付けなので
左右で少々時間ずらしておかないと大忙しでてんてこ舞いになりますw

30分後銀箔をそっと載せてしっかり押し付けて定着。
そっとが大前提(呼吸もしちゃダメ。銀箔飛んでいきます)ですが
しっかり押さえつけないとロゴがくっきり出ません。

定着させたら余計な銀箔を筆で飛ばして除去していきます。
結構大胆にやらなきゃですが慎重さも問われます。
さっきから問われる内容が相反するものばかりでわやくちゃです(笑)

マスキングを取り除き更に時間置きます。
次の工程の為のフラッシュオフタイムですね。

次の工程というのは銀箔にスピニング模様を施す事。
時計の世界ではペルラージュと呼ばれている加工ですね。
デコトラの世界ではこれをまんま「ぐるぐる」と呼んでいるそうです。
要らん豆知識ですww

定着後更に時間を置いてからでないとこの加工出来ないんです。
うん、綺麗なペルラージュ出来ました。
これでまた一旦クリアコートで保護です。

またまたクリア砥いでいよいよ最後の工程へ参ります。
このロゴの縁取りとシルバーのラインにシャドウを施します。

ロゴは昔は頑張って位置取りしながらマスキング&エアブラシでやってましたが、
今はもうこのレベルの縁取りは筆でやった方が早くなりました。

こんな感じでロゴの方は終了です。

で、最後にシルバーのラインにも立体感出す為にシャドウを。
ラインマスキングしてエアブラシでフリーハンドで入れていきます。

大失敗含め本当にお時間戴いてしまい申し訳ございませんでした。
ようやくこれにて作業終了です。

今回はしっかりと「羽根」だと思います。
多分、きっと。
いや自信持ちましょう!羽根ですっ(笑)


年末になってしまいました。
K様永らくお待たせしました。






































2021年12月27日月曜日

Chaise Longue。

SUZIKIバンバンを仕事の愛機で使用されている方からのオーダー。

バンバンの小さなタンクではガソリン給油がどうしても頻繁に。
で、同じSUZUKIのGN125のタンクがポン付け出来るそうで。
仕事の愛機なので容量UPはやはりマージンが大きい。
で、折角なら年中共にする相棒なので綺麗なペイントにしたい、
との事でオーダー戴きました。

ポン付けとはいえ中華製のタンクなので、
ホントは一度セッティング確認した方が良さそうな気もしますが(苦笑)
ま、まぁ「取り付け部の形状全く一緒です!」と仰るので
それ信じましょう(笑)

流石は中華製、色々地金の段階で下地粗い。
裏側とか「観えなきゃいい」主義全開で特に酷い。
タンク全周のスポット溶接の部分に
どーやったらそうなるんだ?っていう鋭利な鉄の切削痕がぎっちり。
それを裏側に折り込んで見えなくしてる。
それのせいで1回指先切った
(´・ω・`)

「何でも形に出来るよ♪」で車体にフィッティングしないインド製もアレだが、
中華は更に「自分の手元離れれば後はどーでもいい」的な
何というか製品に悪意を感じまする。。。。

スポット溶接の部分だからベルトサンダーあんま当てるワケにもいかず、
仕方ないのでヤスリで地味に鋭利な鉄片除去して
残りは分厚いサフェで埋めて危険を回避しておく事にする。
そうしないと次の取り付けのバイク屋さんが指切るし。

これが延々と指が切れる仕様のまま渡りゆくのが
中華の文化という事なんでしょう。。。。
とりあえずまともなフォルムと仕様のタンクになりました。

先ずはスノーフレークがっつり。

無論こんだけフレークまぶせば凸凹なので
分厚く塗ったクリアを真っ平になるまで水砥ぎ。
大粒フレーク程ではないにせよ結構な労力です。

で、キャンディでグラデーション入れて完成。
最初の打ち合わせでは前から後ろへのグラデでしたが、
やってる最中にこのタンクだと長さのマージンがあまりないので
グラデのダイナミズムがあんまり効果出なさそうと判断、
急遽タンク底面にもグラデーション施す事にしました。
このタンクの造形ならこの方が効果高いんじゃないかと思います。

無論黒く見える部分もキャンディなので
ライトの当たり具合ではきっちり煌めき出ます。


O様お待たせしました。
これで来年綺麗なタンクの相棒バンバンで
文字通りバンバン稼いじゃってくださいまし(笑)

あ、でも年内は載せ替えしないでくださいね!
この気温ですと「完全硬化」は年内置いた方が無難ですから。


ご用命ありがとうございました♪



このアンニュイな感じ、好きw

2021年12月24日金曜日

Santa's Coming For Us。




毎年そーだが自営業で独立してからは
この12月の年の瀬は世の中が活動停止になるので
正直クリスマスどころじゃない。
どうにか年内仕上げへ向けて毎年必死なのだ(苦笑)










時間の余裕を謳歌できる若者よ、今を愉しめ。
いつしか時間に追い込まれる様になった大人よ、今を踏ん張れ。

メリークリスマス(笑)