2022年5月26日木曜日

Sinebar。

4月の下旬、車坂下Productionの野呂さんからメッセージが来る。

うん、ちょっと何言ってるのかわからないwww

1Fのカフェと2Fのバイク屋結ぶ階段、
ここにアートテクスチャーとして塗料垂らして欲しい、
との事。
「実際Muneさん垂らして塗ってたじゃないすか」
あ、ツネのショベルのペイントシリーズの事か(笑)



リメイク後のこの「そらジロー」シリーズの事か(笑)
こうやって見るとツネの依頼全部アブストラクトだなw


という事で確かに垂れ流して塗っていた実績あるので話を伺う。
「野呂さん、どんな車両の外装ご希望で?」
「いや、バイクじゃないんです。階段なんです」
「何、だと!?」


まさかの建築物へのご依頼(笑)
でもそこ、カフェだから匂い絶対にNGよね?
ツネちゃんのアクアフレッシュやった時
「ガン吹きじゃないからブース内じゃなくてもいいだろ」で、
魚肉のおじちゃんと2人で吊るして回して垂れ流しやってたら
実は大量の塗料消費するのとガン吹き以上の溶剤臭で
おじちゃんも私もかなりラリった経緯がございます(苦笑)

「ええ、なので先ずは塗料探しからになりますね」

という事でウチの業者にも相談。
「建築用の水性塗料で艶アリの良いのあります?」
「下地がコンクリートなら先ずはプライマーからになりますね」
「いや、垂れ流すからいきなりいくのでそういうのは要らないです」
「えっと、ちょっと何言ってるのかわかんないです」
まぁそうだよね、自分でも何言ってるのかわからんものww


という事で問い合わせされた業者絶対嫌がりそうな相談をしまくり、
どうにか適材と思われる塗料を入手。
野呂さんも演出用のビンテージ缶もGet。



という事で
カフェが木曜日が定休日なので
水曜日の閉店後から早速作業に取り掛かろうと向かう。

カンバスへと向き合いまする。

うっかり缶ひっくり返してしまった「時間」を固定して演出、か。 


まぁやってみるか。
やり直し・修正一切無理な1発TAKE。
あれだ、DAMMEDの1stアルバムみたいな奇跡起こせばいいんだな(笑)


少しずつ野呂さんとどの部分に動きが欲しいか、
どの部分に広がりを目指すか目視で確認しながら垂らす。
筆も刷毛も持たず、敢えてヘラだけで塗料を誘導していって
ひたすら垂らす(笑)



 上から見下ろす見た目と、下から見上げる見た目。 

階段が故にそれが全く異なった表情で観える。 


ここにバランスの全神経を集中させよう。
あとは垂らす以外の場所に一滴でも落とさない事。
うっかり落とした「一滴」で作為的なものになってしまうと思うので。
なのでディスポ手袋もウエスも潤沢に使う(笑) 




仕上げに缶にも少し汚しを施して

刷毛も演出の道具としてセッティングして。
このテクスチャーで刷毛一切使用してないけどもwww
とりあえずこれにて終了。
或る程度表面乾くまでこれだけの量垂らしてるので動きまだ止まらないはず。

という事でここで一旦様子見で休憩がてら晩飯。
野呂さん、ここの繊細で上品な味のラーメン超美味かったっす♬

で、戻って観てみたら
案の定更に立派に作品が成長しておったwww

表面は固まりつつあったけど塗料の膜がかなりありますものね、
自然界で溶岩流が表面固まっても内側で流れ続けるあの原理っすね。
同じ感じの「波うち模様」が出え来ててそれもまたリアル。

という事で宗正は「源泉かけ流しの術」を手に入れた。
が、この技が今後の人生でまた出る事があるのか否かは
正直私自身にもわからないところでございます(笑)

しかしまぁ、何とも愉しい振り切ったご依頼で面白かったですw
野呂さん、遊び心の一夜のご用命ありがとうございました♪
帰り南下して深夜の都心廃エースで流して帰りましたが
何かよくわからない多幸感に満たされて走っておりました(笑)
※水性塗料なので無臭でラリってたわけではございません。

SINEBAR、セネガルの言葉で「毒」なんだけどね(笑)
昨日垂れ流してて脳内でずっとこれ流れてた♪

2022年5月24日火曜日

罪の味。




ツネちゃんのところで急ピッチで進められていた企画、
それもようやく完了となったので
それではと、私のGUZZIを持ち込む事にする。

ブルックランズ缶(マフラーエンド)降ろしても車体荷台から溢れる。
いや、無論斜めにすれば収まるんだけど、
載せる時ラダーで「亀の子」になって動けなくなって超焦った。
あれ?昨年46さんトコから持ち帰った時の廃エースでは
同じ状態でも「亀の子」にはならんかったのに。
だからこそサイドスタンド完璧に干渉して動けなくなったのは焦った。
向かいのMさんが音聴いて出てきてくれてどうにかなった(苦笑)
ぶっちゃけそれで士気そがれて真っ直ぐのまま動かさなかったw

「このプロジェクト、最初の1発目の役回りの時は凄く楽だった。
何故ならまだ誰も手を付けていないはじめの一歩だったし、
最初の状態はゴミ同然だったから何やっても劇的な変化だったし。
でもこれはどうだ。
もう色んなビルダーが技とセンス注ぎ込んでこの順番でもう1回か。
ホントやりたくないマヂでやりたくないどちゃくそやりたくない。」

byツネ。

という事でブルックランズ缶の吊りステー制作と
パニアケースのステー製作、よろしゅうに♪

と、ここでオサムさんからTel。
「Muneさん今立川いないの?」
「だからアポなしだとこーいう事になるんだよ、どしたのよ?」
「いや、ミシンの針固定するパーツ造って欲しいんだけど」
「それペインターに頼むなよ、そういうのツネちゃんに依頼しようよ。
ってか今まさにそのツネちゃんとこいるんよ」
「じゃあそっち向かうわ!」

フットワーク軽いのは感心したが依頼内容がよくわからないw
先ずはビンテージミシンの針のネジ山のピッチ調べましょうか。
その細かさは時計とか精密機械系だろうけど、
それ施せる旋盤屋その後みつけて、そっから金具造形でツネちゃん、だね。


さて、こないだ連れてきたボールパイソン。
新しいゲージ(お家)も完成して暫く経過したら
夜には中をあちこち散歩(探索)するようになった。
少しは上下の運動も出来た方がいいかと思いスパイラルパーチも設置。
このネジネジした木、本来は鳥の為の「宿り木」として販売されているが、
それがどうした事か今ではその鳥の天敵たるヘビ愛好家に大絶賛。
可愛く小鳥が止まる光景愉しむべきアイテムだったはずが
ヘビが運動する格好のアイテムになってしまった悲劇の代物(笑)
ま、その鳥もフクロウやワシレベルになると
今度はこの子らが捕食の対象に確変するんですけどもねw

で、登りやすいようにと勾配付けてあげたってぇのに
事もあろうにそっちから登るんかぃww

あっ、でもこれパイソンっぽくてカッコいい♪
でもね、

普段は大概こんな風にお風呂漬かって
チンアナゴみたいに顔出してまったりしてますw
水浴びは大好きみたいでほぼ日中は風呂っす。
動きもそれはもうBPMはレゲエ。
優雅なモンっす(笑)

ボールパイソンだし多摩地区だし。
で、この子の名前は「たま」。

ほぼ常にシンクロしてるコーンスネークのこいつらは
昨年黒が卵産んでるの目撃して雄雌確定するまで丸1年、
「黒いの」「赤いの」で名前すらありませんでしたww
一応オスメス確定したから「赤男」と「黒子」www


そういやこないだ挙げた「げっぱめ」といい、
驚愕の長寿全うした「ブサイクちゃん」といい、
ウチはネーミングの邪険っぷりが酷いwww

まぁ、私自身が海水魚みたいなラボ的アプローチで動物と接するのが好きで、
あんまり私にとって愛玩対象ではないんです。
海水魚は面白かったです。
水質・日照時間(ライト)・生体の量・ライブロックの配置、
その全部が絶妙にバランスとって初めて安定する世界。
逆に言えばそのどれかが不具合あると総じて崩れる世界。
地球の奇跡のバランスの素晴らしさを知るには最高のラボでした。
海水魚とかもわざわざ名前つけないのと理論は同じで
ヘビ達も名前はあってもなくても、というのが本音っす。
とはいえボールパイソンは下手すると30年っすからね。
名前あってもいいかな、とも思ったけど(笑)






あっ、何だか自分事ばかりのレポートになっちゃいましたけど、
仕事はせっせとやっております。
というかせっせとこなさないとすぐパンクする直前っす(苦笑)


でも自分にもたまにはご褒美あげなきゃね~
FOR SALE中のこのVespaサイドカーのお尻に描いたハチと文字。
「人生において後悔するのは、
何かをしなかったという事、だけである」
byジャン・コクトー

だから「罪の味」www


2022年5月17日火曜日

Shocking Blue。

現行TRIUMPHのオールペン希望で入庫。
どんな感じのペイントをご要望です?
「この純正のグラデーションかかってるチェッカーがね、
何でまたこんな子供っぽいデザイン選んだんだろうって。
ここを大人っぽくして欲しいんです」
何となく言わんとするニュアンスは理解出来ます。
これ、光の具合で上の方フェードアウトしているんじゃなくて
実際にグラフィックがフェードアウトしてるんす。
デカールだから近くで観るとドット画ですし、
確かにちょっと純正にしてはちゃっちぃ(苦笑)

カラーリングはどうします?
「あ、そこは純正然装っておきたいのでそのままでいいですか?」
了解です、ではサイドカバーやフロントフェンダーに合せて
今回のペイント調色しますね。


青残してってのはデカールもクリア入ってるので
流石に出来ません。
なので結局地金までは全部剥ぎます。

シートカウルも同様に剥いて行きますけど

どういうワケだかシートカウルが白PP。
そう、これここよく観てる人ならもう知ってるかもしれませんが、
紫外線が容赦なく透過していくから劣化が激しいPP(苦笑)
うーん、これ裏はマスキングでもいいかと思ってたけど、
紫外線透過させない為にも裏も塗っておくか。。。。

で、構造上絶対裏も塗らなきゃなビキニカウルが何故だか黒PP。
同一車種で外装で何で材質変えてたんだろ?
時折海外メーカーは意味不明で恐怖を覚えるw

で、サフェ入れて砥いで青入れて数日完全硬化待つ。
もうその辺の画像はどれもこれも今までと変わらないので割愛w
で、ライン。
ここはTRIUMPHのトラディショナル、
黄金比の3本ライン入れましょうかね。
あまり奇をてらわずにここは大人っぽく。

バランス取って位置確定したらペイント部分剥ぎます。



センターマーカーも除去してライン入れ。
そしてそのラインの縁を筆でゴールドで。
もうこの工程もウチでは常套工程なので割愛ww

段差取って最終クリアコート入れてポリッシュして完成。
簡単に書いてるけどこの上の工程だけで5日掛かりますからね(笑)

ラインはステンレスヘアライン風で仕上げ。
縁のラインは手引きでビンテージ風に。

チェッカーよりは確実に上質で大人っぽいと思います。

シートカウルも然り。




オーナーのO様よりかなりのご評価頂いて無事に納車されました。
光栄しきりでございます。
ご用命有難うございました!!

チェッカーが子供っぽいのではございません。
Oさんも言ってましたがしっかり黒白2Toneならいいんですよ。
何でそこで変なグラデやフェードアウトで色気出しちゃったんだ、と。
まぁその辺はあくまでそれぞれ個人の見解によりけりではございますが、
そこを中々の資金を投入してリニューアルしたO様の言い分は
この怪電波のこのレポート内に限っては
雄弁に語られても良い案件だと思っておりまする(笑)




Shocking Blueと言えばヴィーナスが俄然有名ですが、
個人的にはこっちの方が好き。
これもまた「よりけり案件」なれど
ここは私の怪電波、也www

2022年5月12日木曜日

入庫状況。

 現在バックオーダーが7月末まで全て埋まりました。
或いは戦前車の再生プロジェクトも中におりますので、
いつも通り作業始めてみたら一筋縄ではいかない予測が容易につきます。
タンクオンリー等の単品でしたら8月からOKかもしれませんが、
車体まるごとはもしかしたら9月秋口まで入庫待機になる可能性ございます。

10月・11月は恒例のロッドショー車輛の入庫も始まりますので、
予想では車体まるごとのペイントは年内あと2台が限界かもしれません。
ご検討の方はなるべくお早めにご相談くださいませ。


STUPID CROWN
Custom&Paint Factory
Mune.T.