2019年6月1日土曜日

旧いパニアケースの怖さ。

2月よりお預かりしてるGUZZIのビンテージパニアケース。
これの作業が右斜め上のトラブルが連続して
正直ドはまりしております。。。

このハンマートーンというかエンボスというか、
この部分の傷の修正ついでのレストア依頼だったのですが、
剥いてみれば合わせ面のFRPが相当に劣化していて機能果たせていなかったので
内側から1プライFRP新規で貼り込んで、と思っていたら
もう既に過去にやっつけ仕事でそれやられてる痕跡があり、
しかも足付けせずに貼ってるからペリペリ剥離しちゃってる。
アルミのモールはリベットで止められているのですが、
リペイントで一度解除しようと思っても
この過去のやっつけFRPでリベット埋められちゃってて出来ない。

更に「まじかよ」だったのがこのハンマートーン。
これ、どうやら適当なアンダーコートでそれっぽくしただけ。
しかもこれも足付けしてない。
だからサフェ吹いただけで全部縮れてめくれ上がる。
海外から来た車体だったから間違いなく外人の適当やっつけ仕事。
「もう入ってこねぇだろうからこれでいいや」
外人のクオリティは超絶丁寧か超絶やっつけか、
極端だがどっちかに振り切れてる事が多い。。。。

仕方ないのでやっつけ層を全て砥いで落とす作業へと移行する。
とはいえ下地が金属ではないのでマシン使うのはNG。
下地のFRPごと削ってしまうので。
外せないアルミのモールを保護しながらひたすら手で砥ぎ落す。

当時の黒ゲルが出てくるまでひたすら砥ぎ落す。
片側だけで2日は掛かる。
もう片方やるのに2日。
でもって2セットあるから(苦笑)

やっと落ちた。
当時の黒ゲルまで削ればもうトラブルは出ない。
これでやっと安心して作業が続けられます。

側面が追い込んでシェイプし終わったところ、
後ろ面がこれからのところ。
長い闘いだったがこれで終わる。

感無量(笑)
他の入庫との兼ね合いもあったが
これの下地の整えとFRP補強に1か月半費やした(苦笑)

ここまでくれば言う事を聞く良い子になる。
或る意味FRPの劣化は仕方ない。経年劣化だから。
今回のこの子はどちらかと言うと人的災害。
今までの修理した連中がいい加減な仕事してきたから
こんなハメになっただけ。

ここまでやれば相当立派なパニアに生まれ変わるでしょう。
ビンテージだけど十分実用に堪え得るスペックを有して。
そしてそれこそがパニアの本分ですものね。

やっと上塗りの作業に漕ぎつけました。
ここからはかなり予定通り進むはずです。
O様、あと1週間ばかりお待ちを。