2024年8月31日土曜日

Time Bomb。




「時計の文字盤の様な気品と上質な感じでグラデーションって出来ます?」
やってみますね。

一見グラデーションで黒塗りつぶしに見えますが


光の種類や太陽光ではばっちり透けます。
天面も透ければヘアライン現れる感じです。

グラデーション得意なのでオーダー多いですが
こんな感じで下地に一工夫しても面白いのが
キャンディ(透けてる)ペイントなんす。

モーリーさんのチョッパーお買い上げの方からのヘルメット。
3部作のうち2個目が完成。

一気には塗れないので1個ずつ送って戴いております。
それぞれ隙間見て作業して概ね3か月で
これで2個目が完成。

一気にすぐには出来ないこちらの事情配慮してくださって
ホントにありがとうございます。



上質な時計の文字盤っていうオーダー内容だったのに
時限爆弾貼る私の育ちの悪さよwww


I。


車坂下、野呂さんトコの新作THUNDER。
神戸のNEW ORDER CHOPPER SHOWに出展する車輛。

「ビンテージレーサーっぽく仕上げる予定なんだよね」
「ならば戦前HDみたいに赤どうです?」
「赤!!考えたてもなかった、でもいいね!!」

って事で程好く艶の無いビンテージレーサー風。



純正然とした感じで仕上げてみました。
赤はVINCENTのレアカラーの赤バージョンを参考に

野呂さんが神社仏閣好きなので
もうちょっと日本寄りにして朱色っぽく。
ゴールドのラインに黒で縁取りもして
これも国産HONDAのCB750っぽく。


ロゴも昔の英国車のトランスファーっぽい仕上がりで。
稲妻のマークは言わずもがなのBAD BRAINSの名盤。
ホワイトハウスに落ちてる落雷のあれ。


THUNDERの帯の下の文字は
アメリカ傘下になる前のNORTONのトランスファー(水転写)に書いてあるあれ。
これ、後で知ったんだけどRegisteredなんですってね。
REGの隣の?だか何だかわからん記号の意味初めて知った。
Dの下にピリオド打ってるんだねこれ。
阿部ちゃんが教えてくれた。
あざます阿部ちゃん愛してるw

野呂さん、仕上がりバチクソ気に入ってくれて何より♪

THUNDERのBlogでご覧いただけます。


明日ですね、NEW ORDER CHOPPER SHOW。
会場行かれる方は是非ご覧くださいまし。
明日頑張って、野呂さん。



2024年8月22日木曜日

夏季休業のお知らせ。

よくお仕事戴いている濃厚な関係の業者様には既に通知済ですが、
9月12日から18日までの1週間、
久しぶりに北九州のカミさんの実家に帰省させて戴きまする。
つきましては18日以降まで業者様も入庫ストップとさせて戴きます。

カミさん方のご両親は凄く元気ですが
今後の事含め色々お話しておく年齢ではありますので
長い夏季休業とはなりますが
何卒ご理解の程お願い申し上げます。

まぁもうそういう年齢ですよね、自分も。
沖縄の方は既に整理済ませてきましたし、
あとは私の実家の方もそういう話しておかねばと思うのですが、
お袋がそういう話極端に嫌がるので
実は私の方の実家の方がそういう話を一切できずに
困っているところがあります。

私は仕事柄長生きは望めるものではないのは間違いないので、
生きてるうちに息子と娘にはしっかりと
そういう話しておこうと思う所存。 



STUPID CROWN
Custom&Paint Factory
Mune.T.

Hallelujah。

これだけ暑いとぶっ通しで作業だけしていては倒れます。
ウチの工房エアコン無いし
(あってもブースのファン回せば冷気全部もってかれる)
ワーカホリック気味の私ではありますが
昨年くらいから2週間に1度くらいは
お休み貰う事にしております。
体調と精神整える為にも大事ですね、お休み(笑)

で、こないだ休み取って上野へ。
昨年同様美術館がメインでカミさんと2人でぶらぶら。
今回も昭和の喫茶店巡り。
今回はギャランへ。

あっ、写真撮ってる事に気付かれて被写体から消えようとしてくれてる店員さん。
ごめんなさいw
他の方も店員さん皆手際良くて対応も親切で丁寧で
店内活気もあってちょっと驚きましたが
残された昭和の喫茶というよりも
現在進行形で活き活きしてる昭和の香りがするファミレスといった感じで
雰囲気これはこれで凄く良かったです♪

期待せず食した(失礼)ランチセットのカレー。
これが思いの外美味しかった(重ね重ね失礼)。
活気あって人気あるのも納得という感じ。
で、昭和の喫茶ならではの店内喫煙OK。
なので嫌煙家は行かない方がいいです。
そういう場所なんだから、昭和の古き喫茶というのは。
嫌なら行かないでね。
喫煙OKって書いてあるのに行って低評価レビューとか
自己顕示欲強いんだけど知性低いんですって言ってるようなモンだからね。

で、キリコ展。今回のメイン。

ダリやマグリット、エッシャーらに影響を与え
ジャンコクトーとも友情関係であった方の絵画展なので
どうしても観たかったのです。
絵もさる事ながらブロンズ像に感銘受ける。
ピカソらが用いた2次元カンバスに落とし込むキュビズムではなく
キリコは先に絵ありきで3次元に落とし込んでたんですね。
多面化の具現の手法の違いでこうもアプローチ変わるのかと。
勉強になりました。

で、立川戻る前に上野で軽く1杯。
息子に教えてもらって以来カミさんとハマってる立ち飲み屋。
ここの「禁忌」のこれを食しに来たw

立川戻ってテーマ決めて今宵はオイスターバー巡りでも。
先ずは1軒目。

そこでは生牡蠣と特大のあん肝を戴いて
BEERと日本酒それぞれでおあいそ。
江戸っ子みたいな巡り呑みで今宵は行きまする。

で、オイスターバー2軒目。
こちらも2品2杯で次行こうと思ったのですが
(立川だけで有名処のオイスターバー3軒はある)、
ここで少し大きな地震が発生したので
とりあえず家に戻ろうとなり、宅呑みで〆。
これでこの話いつの日なのかバレちゃいますね(苦笑)


暑気払い出来ました。
残りの8月も頑張りましょうかね。
キリコ観に行っておいて構図がエッシャーな夫婦で
申し訳ございませんwww








Up In The Sky。

連れ帰って以降、毎晩1時間ずつ遊んでます、RUMI。
先ずは持って来てネジというネジ全部にCRCビタビタに吹き付けて
およそ10日放置プレイ。
あ、遊んでないねw

10日経過して各部軽く回してみる。
半分以上がCRC浸透してすんなり回った。

とりあえずはラバーべったり貼ってあったステップボード降ろしてみる。
こいつ、ホントに納屋にいたっぽい。
鉄部品錆は出てるけど粉錆びだし(根の深い深刻な錆がない)、
70年以上前の車体にしては10日で半分ネジ回るのも優秀。
まだ回らなかった半分は引き続きCRCぶち込みまくって
素直に回るまでひたすら放置&吹付繰り返す事にする。

前のオーナーが左サイドパネルぶつけたらしく
ステップボードがめくれてアコーディオンみたいになってたので
あぶねぃからその部分切開して治す事にする。

切って切開した形と同じ形状でパネル切り出して
マグネットでツライチで固定して

Tig打って隙間も埋めて軽くハンマリングして完成。
あてがってみたら
「あ、パネルだけじゃなくてパイプも若干内側入ってるやん」と気付く。
パイプ修正するの超大変だし遊びの範疇超えて大事なので
「ショーカーじゃないし自分のだし」で、
その入ったパイプに合せてステップボード切り込み入れて修正する。
技術を無駄な方向に駆使するwww
でもね、これ言われなきゃ他の人絶対気付かない。
我々プロが見抜くレベル。
お客様のお預かりであれば無論パイプ修正やるべき案件。
でも自分のじゃんね。
これで事故起こす案件じゃないしこれ位いいよ別に(笑)

外したステップモール。
アルミがもう見た目「石」になりかけてたので
これ使うかどうかわかんないけど
取り敢えず磨いて復活させておく。

アルミに見た目戻ったw
使うかどうかわからんのは
RUMI専用のリプロステップモール売ってるんだけど、
これが1台分で日本円で5万もする。
左右3本ずつ計6本で送料入れて6万かよ。
こんなの1セット1万もしないで買えるVespa用で良くね?
自分のだしこんな場所のパーツ(走行に何ら問題ない場所のね)、
ぶっちゃけ何でも良くね?
ホント自分のだとそんなモン、拘りないww
ただ、Vespa用はRUMIよりもラバーの高さが低い。
だからこれ使うか否かわかんないのが現状です。

ついでに同じくアルミなのに「石」に成りすまそうとしてるテール

あとボディと同色で塗られてるヘッドライトリムも
ポリッシュにしちゃいましょうかね。
ウチの工具とケミカルだれば楽勝だし。

アルミに戻って戴いた。

こちらは車体がボロいままだからキモイwww

テールランプ降ろした時に気付いた。
レンズに80%断裂寸前のクラック入ってる。
完全分断されると再生難しいので
超慎重に分解してレンズ摘出する。
画像で観ても下中央から左に円を描く様にクラック入ってるのわかる。

下の透明のレンズ欠損していたので
適当なプラ切り出して同寸法にして嵌め込む。
CDケース使ったから両サイドリブが立ってる。
むしろありがたい、強度上がるから(笑)

レンズはアクリル製なので
アクリル接着剤使えば元に戻る。
この接着剤は接着と名前にあるけど実際は「溶着」なので
完全に真っ二つにさえなっていなければほぼ完全体で溶着する。
溶かし合って繋ぐので強度も問題ない。
ただ、この溶かす際にその部分アクリルが白っちゃける。
それをなくる為に裏側から軽くクリア吹きつけると
アクリルの透明度が復活する。
照明にあてがってもクラックの痕ほぼ見えなくなってる。
オリジナルのこの中央にPARILLAのグレイハウンドのマーク、
これだけはしっかり残したかったので一安心。

錆びだらけだけどしっかりしてるシートベースだから
レストアすれば余裕で復活出来る感じ。
ならばシート張り替えよね。
「これ海外では流通してるんかな」でeBayで検索。
何とあった。
イタリアの業者が10セット製作して残り3セットだと。

取り敢えず急いではいないので
RUMIの型持ってるのか、頼めば今後も受注してくれるのか
メッセージで送ってみる。

5日後返信が来た。
「10年前に10セット製作した物の残り在庫だよ。
もうこれ欲しがるのお前くらいしかいないよ。
だからこれ買えよ。
お前のサイト観たよ。
あのGUZZIぱねぇな!!
だけどRUMIはもうちょっと早く仕上げろよ。
送るからそれ観てモチベーション上げろよな♪
今すぐポチれよ早ょ」

確かにモノは凄く良かった。
裏側ラバーと同時縫いしてあるし強度も凄いありそう。
そして縫製も凄く丁寧でしっかりしてる。
だが腑に落ちないチキショーメwww

一応お礼のメッセージ画像付きで送った。
最初のレスくれるまでの5日間で私のサイト観まくったらしい。
「一応本サイトあるよ」
「何!?お前こんなに豊富な車種レストアしてんのか!!さてはプロか!?」

何故そこに気付かない。。。。
やっぱ腑に落ちないチキショーメwwwww



で、新品被せたら錆で汚れちゃうので保管しておく事にしたが、
その間スプリング丸出しで錆びだらけでめっちゃ汚い。
仕事中一時的にも物置けない位ばっちぃ。
カウンター横に居座っておきながら
私の仕事の手伝いすらしないのは何とも許しがたい。

という事で全バラにしてさび落とししてやる。

万力に挟んでカップワイヤーでゴリゴリすると
あらまぁかなり簡単に綺麗な地金がお目見えになる。
こいつ、やっぱ屋根付きの納屋で惰眠貪ってたんだな。
錆がかなりすぐに除去できるのはとっても有難い。

という事で錆落としてガンブルー化しておいた。
要は黒錆ね。
赤錆と違って安定するからこれ以上錆ない。
拳銃とかに施す表面処理ですね。
拳銃は精度も大事だし擦れるし熱も持つからペイントは不可能ですからね。
だからガンブルーって呼ばれてます。
日本だと南部鉄瓶とか思い出してもらうといいかも。
一生涯錆ない黒鉄化というヤツです。
これで心置きなく上に物載せられるな。
一緒に働け!!RUMI!



まぁそんな感じで毎日ちょっとずつ遊んでます(笑)
そろそろちんまりした遊びは一旦ストップかな。
秋からいよいよ年末のロッドショー準備始まりますので。

ってかその前に9月1日神戸のNEW ORDERショーの車輛が
あるんすけどね(苦笑)


2024年8月12日月曜日

Lock, Step, & Gone。

7月末から8月頭の丸々1週間。
非常に珍しい地べたでトー横キッズみたいな時間過ごしてました。

ま、言い換えれば
「モノがデカ過ぎて地べたでしか作業出来ない」
が正解です(苦笑)
これ作業する為に先ず徹底的に床掃除して水流して乾かして、
そして1度始めたら床に設置し続ける(他の作業一切出来ない)ので
まとめて1週間は没入出来る時期を見計らっての開始です。

なにしろブースの中いっぱいいっぱいのデカさなので
時折持ち上げてバランスみないと近過ぎるとわかんなくなります(苦笑)

何だか学生時代の文化祭の準備みたいですが、
大人の「それ」は1人孤独に黙々とです。
クラスのギャルだと思ってた子がおにぎり差し入れに来てくれたり
そういうときめきメモリアルは一切起こりませんw

そして切り出す為に正座やあぐらや寝転がり姿勢が一切とれず、
ひたすらナイフの距離稼ぐ為に膝を使ってストレッチしてるみたいに
静かにぶらさずに移動する事になります。
しかも地べたで。
これ全部切り出した時には太腿とふくらはぎの後ろ側がパンパンになりました。
あとアキレス腱伸ばし過ぎてそこも筋肉痛っす(苦笑)

クロームペイントとホワイトで塗り分けして

先ずは第1弾のカンバス完了です。



とはいえ本番はここからです。
先は長いっす。

蹴鞠出来そうな量のマスキングw




























ゴールドとシルバー、ホワイトのままでセクショニングして
一旦がっつり全部クリアコート。

これをまた♯1000ペーパーで足付けして次に参ります。

お次は筆です。ひたすら筆です。
真夏に半日以上筆引き専用のグローブしてたら
薬指と小指がフニャフニャになってまいました。。。。

英国のパブ等で見かけそうなトラディショナルなドラゴン。

文字にもアクセント引いてこれにてフィニッシュです。
看板は夜に照明で照らされるので
艶アリだと照りで見えにくくなるので
最後は艶消しクリアで抑え込みます。
っちゅうかこれだけパネルでかいとクリアの消費もハンパない。
まぁアルファードベルファイアクラスのスライドドア4枚に匹敵しますからね(苦笑)

これだけに専念して7日間。
仕上がりました。





と、思ったんですが
もしかしたらこの看板、頓挫しそうです。
色々諸事情ありましてね。
先方と当方の話なのでここでは詳細は控えます。

ただね、SNS経由やインスタDMでのご依頼は
少し「結果」のズレも生じる可能性もあるんだな、と。
先方が欲しかった完成形がもっと現代っぽいグラフィックだったり、
こちらのイメージがアイリッシュのトラディショナルだったり、
先方が簡単にもうちょっとこの文字右に2㎝移動出来ると思ってたり、
こちらはそう簡単にはPCじゃないから移動は無理だったり。

欲しかった「画風」自体が私の得意とするジャンルではなかった、
まぁ結果論としてはそういう頓挫かと思います。
多分理想の完成形はグラフィック屋でプリントアウトして
それをあちこち位置合わせて置いてみて
合点いったところで貼り付けて完成が先方の理想だったのかな、と。
手描きではその修正は無理だと判断した次第です。


若い頃はね。
もしかしたら意地になってリテイク挑戦したかもしれません。
でも、ウチは本業のモーターサイクルのレストアや
カスタムペイントの依頼がバックオーダー山積みで待ってます。
意地張ってリトライするより
待っていらっしゃる方々に早く私の「時間」を提供する。
これも長年やってきた上では責務であるとも考えられます。
何て言えばいいんだろう、時にはそういう判断もあります。
今後同類の依頼を受けた際に
それが双方共々「成し得る」着地点に導けるか否か、
この判断は今後に役立つのではないかな、と。

待ってる人が大勢いる以上落ち込んでいる時間すらありません。
切り替えて次、いきます。