2024年8月12日月曜日

Lock, Step, & Gone。

7月末から8月頭の丸々1週間。
非常に珍しい地べたでトー横キッズみたいな時間過ごしてました。

ま、言い換えれば
「モノがデカ過ぎて地べたでしか作業出来ない」
が正解です(苦笑)
これ作業する為に先ず徹底的に床掃除して水流して乾かして、
そして1度始めたら床に設置し続ける(他の作業一切出来ない)ので
まとめて1週間は没入出来る時期を見計らっての開始です。

なにしろブースの中いっぱいいっぱいのデカさなので
時折持ち上げてバランスみないと近過ぎるとわかんなくなります(苦笑)

何だか学生時代の文化祭の準備みたいですが、
大人の「それ」は1人孤独に黙々とです。
クラスのギャルだと思ってた子がおにぎり差し入れに来てくれたり
そういうときめきメモリアルは一切起こりませんw

そして切り出す為に正座やあぐらや寝転がり姿勢が一切とれず、
ひたすらナイフの距離稼ぐ為に膝を使ってストレッチしてるみたいに
静かにぶらさずに移動する事になります。
しかも地べたで。
これ全部切り出した時には太腿とふくらはぎの後ろ側がパンパンになりました。
あとアキレス腱伸ばし過ぎてそこも筋肉痛っす(苦笑)

クロームペイントとホワイトで塗り分けして

先ずは第1弾のカンバス完了です。



とはいえ本番はここからです。
先は長いっす。

蹴鞠出来そうな量のマスキングw




























ゴールドとシルバー、ホワイトのままでセクショニングして
一旦がっつり全部クリアコート。

これをまた♯1000ペーパーで足付けして次に参ります。

お次は筆です。ひたすら筆です。
真夏に半日以上筆引き専用のグローブしてたら
薬指と小指がフニャフニャになってまいました。。。。

英国のパブ等で見かけそうなトラディショナルなドラゴン。

文字にもアクセント引いてこれにてフィニッシュです。
看板は夜に照明で照らされるので
艶アリだと照りで見えにくくなるので
最後は艶消しクリアで抑え込みます。
っちゅうかこれだけパネルでかいとクリアの消費もハンパない。
まぁアルファードベルファイアクラスのスライドドア4枚に匹敵しますからね(苦笑)

これだけに専念して7日間。
仕上がりました。





と、思ったんですが
もしかしたらこの看板、頓挫しそうです。
色々諸事情ありましてね。
先方と当方の話なのでここでは詳細は控えます。

ただね、SNS経由やインスタDMでのご依頼は
少し「結果」のズレも生じる可能性もあるんだな、と。
先方が欲しかった完成形がもっと現代っぽいグラフィックだったり、
こちらのイメージがアイリッシュのトラディショナルだったり、
先方が簡単にもうちょっとこの文字右に2㎝移動出来ると思ってたり、
こちらはそう簡単にはPCじゃないから移動は無理だったり。

欲しかった「画風」自体が私の得意とするジャンルではなかった、
まぁ結果論としてはそういう頓挫かと思います。
多分理想の完成形はグラフィック屋でプリントアウトして
それをあちこち位置合わせて置いてみて
合点いったところで貼り付けて完成が先方の理想だったのかな、と。
手描きではその修正は無理だと判断した次第です。


若い頃はね。
もしかしたら意地になってリテイク挑戦したかもしれません。
でも、ウチは本業のモーターサイクルのレストアや
カスタムペイントの依頼がバックオーダー山積みで待ってます。
意地張ってリトライするより
待っていらっしゃる方々に早く私の「時間」を提供する。
これも長年やってきた上では責務であるとも考えられます。
何て言えばいいんだろう、時にはそういう判断もあります。
今後同類の依頼を受けた際に
それが双方共々「成し得る」着地点に導けるか否か、
この判断は今後に役立つのではないかな、と。

待ってる人が大勢いる以上落ち込んでいる時間すらありません。
切り替えて次、いきます。