2025年2月11日火曜日

Theme。

これでも治して塗ってます。

赤鼻の外装、オリジナルペイントだから死守したいらしく、
でも内側5㎜程の穴開通してて当たり前だがこのままでは使えない。
でもどうしてもオリジナル塗装死守したい。
Tig溶接だと穴廻り絶対に錆で地金痩せているし
熱膨大にかかるから表面も焼けちゃうからそれでは無理。


表面守るべく濡れ雑巾びっしり当てて熱逃し処理。
患部に慎重にバーナーで熱入れて穴周辺にハンダ置いて
上から薄い鉄板載せてそれにまた熱加えて一体化させる。
そして更に上からハンダ溶かし込んでバインディング。
ハンダは無論鈑金ハンダの通称「ナナサン」ね。

この段階で水没エア漏れテスト余裕で合格。
念を入れて盛りハンダ全体をエポキシで覆い被せて
色吹いて周辺に合わせて汚し入れてフィニッシュ。
無論表面熱焼け一切なく無事です。

オリジナル死守したい気持ちはわからなくもないですが
これはあくまで完治ではなく延命措置になると思います。
穴が開くという事はその1点だけ腐食してるとは到底思えない。
周辺ほぼ腐食で地金痩せているのは間違いないでしょう。

タンクの声がもし聴こえるんだとしたら
「1回ちゃんと治してくれ!!俺まだまだ頑張れるから!!」
が物の本質の本音だと思う。

これも一つの技であり選択肢ではあるのですが、
手放しで正解ですとは言い切れない自分がいるのは事実。

ペインターでもありますが修復師でもあるので
中々自身の心の据え方が難しいなぁと毎回思います。
完全オリジナル主義の人からすれば
私のペイントはオリジナル殺してる行為なんすよね。
でも物の寿命を延ばす為の作業でもあるわけですから
そんな私からすれば瀕死の状態を延命でかわす事も
オリジナルを殺してる行為とも言えるんですよね。
「お題」は同じでも着地点は対極、
といったところでしょうか。



Over Seasons

という事で希少なイタリアン続編です。
今回の調理相手はこちら。
1950年代のフェアリング(カウル)とタンク一体型の外装です。

当時350㏄や500㏄のGPレーサーでは
フロントタイヤまでフェアリングで覆う空力デザインの
通称ダストビンカウルが一時期大流行しました。

が、結果車重がかさむ結果をもたらし、
確かに空力良いんだけどその分スピードがかなり上がって
当時のグランプリでは危険と判断されて
1958年に廃止となりんした。

そんな時代、小排気量も空力デザインに突っ走っていきます。




しかしレースでのダストビン禁止でこちらもブームが終わります。
あとこっちはタンク脱着時ハンドルも降ろさねばと
整備性考えてなかったっぽいですw

そんな70年前の産物。
今回はこのGILERAにセットアップして蘇らせるプロジェクトです。
おほぅ♪こいつはそそるぜ♪

んでは早速剥いでいきます。
前のMOTOBI同様50年代の外装なので総パテだらけです。
まぁ薄い塗膜のラッカー時代なので仕方ないです。
むしろ現代のウレタンで塗られていながら
2回も総パテ盛られてたこっちはどうしてそーなったか甚だ疑問です(苦笑)

タンク部とフェアリング部で別個に鈑金されていて
それを溶接でドッキングさせたみたいですね。
まぁ確かにガス漏れの不安の無い無難な構造です。

70年の歳月と当時の職人の鬼のハンマリングで
微細に凹凸いっぱいあります。
というより職人手叩きですから凹凸だらけです。

フェアリングは上下でも分割されてます。

この時代ガス溶接でしょうから歪みと相当戦ったんだと思います。
サイドの膨らみからの立ち上がりの場所に執念感じます。

タンクも真ん中で分割構造っすね。
まぁじゃなきゃ横の膨らみ叩けないっすからね。
大まかなデータは把握しました。
これもMOTOBI同様1度がっつりサフェ入れて
溶接部はその後パテ入れて成形して
残りは手砥ぎでライン出るまで砥いでみて
2回目のサフェで終えられるかもう1発サフェいれるか判断します。

というワケでじっくりゆっくり執拗に砥ぎ。
絶対に1回のサフェで終われるような凹凸ではないんですけど、
かといって総パテかます程でもないので
兎に角入念に砥いでストレートライン出していきます。
MOTOBIもそうだったんですが、こいつも裏のトンネルが酷い。
BMWのミュンヘナーばりに狭いライン峡谷ばりのトンネルなんですが、
歴代のペインターが横着してミストで荒れたまま次塗る。
これ回数重ねるとトンネルが蔵王の樹氷みたいになっちゃうんすよね。
しかも狭いから余計に「観なかった事」にしてる。
車体に載せちゃえば観えない場所ではあるけども
手入れたら傷だらけになっちゃう荒れっぷりはどうにかしたいっすよね。
私手小さいので(身長もw)
ド根性で手ェ突っ込んでガシガシに砥いで平地に戻していきます。
フェアリングの内側も荒れ荒れだったので根性入れます。
でもやっぱ手切れて地味に風呂入ると痛い(苦笑)

タンク上も砥いで溶接の地金出たので1回目はこれで終わり。
2発目サフェ入れてまた砥ぎます。

しっかりライン出たのでいよいよ色入れ。
先ずは50年代イタリアン定番のベースに錆色。

これにロッソ(本来の赤)載せていきます。

赤入れて完全硬化させて
シルバーのツートーンなので
トンネルやフェアリング内側マスキングします。



正直今までやった事の無いマスキングパターンですw

さて、シルバー入れましょうか。


正直人生で見慣れない物体が吊り下げられていますw

無事終了、最後のトップコートクリア施しましょうねー。

なんかバイクのタンクではなくて
試作でボツ喰らった東京モノレールのプロトタイプみたいだw
あ、若い人この色の東京モノレール知らないか(苦笑)
私にとって浜松町から乗るモノレールは
「はっさ!!うちなん帰れるやっさー♪」で
テンション爆上がりする乗り物だったので、
この色だった東京モノレールにはめっちゃ思い入れがあります。
あと敢えてジャンボじゃなかったDC‐10とかトライスターとか、
南西航空戻り(多分羽田で重整備)で貧乏くじの737とか。
あの頃の737って航続距離短くて、
一旦燃料補給のトランジットで大阪か福岡降りるのよね。
おかげで那覇着くの倍くらい時間かかるの(苦笑)
今ではその737タイ位までは無給油で飛べるし
大量輸送時代の象徴だった747は引退するしで
時代が変わってベストセラー機になったものね。
うん、話めっちゃそれました戻しますねw

とはいえこれにて完成(笑)


うん、良きライン出た。



本来蓋は中にパッケージングされるんだけど、
何か下手に入れて傷入るのも怖いので上に載せた。


何か完成したら超個性的な車輛なのは間違いない。

で、トンネル内も滑らかばっちりでございます。
(あ、こっちは前のMOTOBIの方っすね。。。)

1月はイタリアンロッソだらけの工房でございました。



2025年2月7日金曜日

フラミングひとりぼっち。



1950年代のMOTOBIのレーサーを再生すべく
昨年よりプロジェクト進めておりました。
完成形はほぼこんな感じになります。

先ずはベースのタンク獲得。
うん、中々やられておる。
ペイントの回数少ないけどその分地金かなりダメージ追ってそう。

レーサーでタンク上に伏せてライディングする仕様になるので
このバックル留めるステー作成はいつものツネちゃん。

レーサーでエンド部ラバー固定なので
ここもツネちゃんにお願いします。
ってか画像でもわかる位地金のコンディション芳ばしいっすねw

で、市販車バージョンのこのステーは今回カットします。

トンネルが錆や塗装のミスト飛び散りでガッサガサ。
しかも狭くて手入れたら見事に様々な突起物で指切れました(苦笑)
BMWのミュンヘナーモデルもそうですけど、
手がロクに入らない&どうせ観えないが故に
何度も塗り直されてるタンクとか
トンネルが細くて狭ければ狭い程に過去の人誰も綺麗にせず、
結果このトンネルが「蔵王の樹氷」みたいになっちゃって
手を入れるのも危ない位ガジガジになってる個体メッチャ多いです。
これはウチでは絶対に均します。
私小柄だから手入るし、なにせ意地です。

案の定地金結構な錆食いだらけでした。
ペイントの色見本預かるまで時間ありそうあので、
黒錆転化で今回は対応。
地金まで剥いて添加剤をまんべんなく塗布。
そのまま5か月以上放置して赤錆発生しない事を確認。
これだけ放置すれば錆の侵攻はもうないでしょう。
なので成形に入ります。
大きな凹みはありませんでしたが、
タンク全体に絶妙に凹んでる箇所だらけ。
砥げていない箇所が絶妙な凹凸。
酷い凹みは流石にパテ処理しましたが、ここまで絶妙だともう1回サフェ吹いて
今一度手砥ぎでライン出した方が良いかと。
パテは素晴らしい成形材料ですが最小限にはしておきたい。

2度目のサフェ砥ぎ。
うん、これなら大丈夫でしょう。
アールしかないタンクですが
これならどこから眺めても綺麗な曲線美だと思います。

で、完成。

良いアールと曲線美出たと安心っす。

ソリッド赤でこの映り込み得るには下地が重要っす。

しかし丸い。どこもかしこも丸い。


レーサーなのに丸いから何だか可愛い(笑)

こんな貴重なオーダーは言わずもがな
BAT MOTORCYCLESさんです。
実はBATさんあと1台あります。
それも含め納品しまする。
という事でto be continued(笑)

そっちも基本カラー、ロッソ(赤)なんす。
2台連チャン赤だったので私の作業靴絶妙にピンクになってるっす。