2026年7月22日水曜日

KROMA EDGE考。

 昨日のクロームペイントについてのあくまでプロユース前提でのレポートをあげておきます。

あくまで同業向けのレポートなので専門用語いちいち説明しないので、何卒ご了承ください。
先ず素晴らしい性能を発揮しますが、材料の値段がかなりの高額で、 更に専用クリアは性能保証期限が90日と短いので、 クロームペイントをまとめてオーダー募集しないと 1人あたりの工賃が相当な高額になってしまうので、 まとめてオーダーを念頭にいれておいた方が良いかと思います。

次にフラッシュオフタイムやポットライフ厳守しないとクロームの反応がすこぶる悪くなり、 ユニクロメッキっぽくなってしまいます。
クロームペイントの強制乾燥と自然乾燥はもとより、 下地のサフェーサー等も完全硬化72時間を要した方がいいです。


クローム塗装後強制乾燥1時間と自然乾燥24時間、 完全硬化72時間に相当するフラッシュオフタイムを要するので、 トップコートクリアはあくまで保護膜で、 強固にクロームに食いついている状態とは言えません (足付けしないでクリアですからね)。

なので次の工程でマスキングしてとなると、 クリア剥げるリスクがかなりあります。
前面クロームペイントオンリーでしたら問題ありませんが、 カスタムペイントのスポット的使用にはリスク回避の応用テクニックが必要かと思います。
各画像にキャプションつけておきますので、 同じくプロのペインターの方のご参考になれば幸いです。
MOTO RUMI FORMICHINOのヘッドライトカバー。 雑誌企画前に先行で試し塗りしました。 ご覧の様に赤いチープな材質のプラスチック製ですが

サフェ入れて完全硬化させて研ぎ上げてクロームペイント施しました。 完全硬化のフラッシュオフ5日間程余裕もってインターバル開けました。 基本メーカー推奨はクローム塗装して近赤外線強制乾燥1時間、 その後自然乾燥24時間の後に専用クリアでコートとなります。
このように単品全面クロームでしたら抜群の性能を発揮してくれます。

もうちょっと検証データ欲しかったので 自分のメットを慌ててペイント。
こちらもう塗って数年経過していたので 大慌てで#1000足付けしてマスキングして塗ってみる。 うん、かなりクロームです。 慌てて持ち込んで塗ったからブツが何個か付着しちゃいましたけども。 が、このブツが実は埃じゃなかったかもしれません。 以下のキャプチャーに詳細記載しておきますね。

で、これが塗り分け施してフィニッシュしてみたものです。
これに至るまでにちょっとトラブル発生しました。 先に書いた専用クリア、これ施すまでに十分なフラッシュオフタイムを要します。
要するに硬化剤の入るクロームペイントの完全硬化を待ってからのクリアとなります。 その後クローム部分をマスキングしてブルーグリーン塗ったのですが
その際をビニール製のクリアラインテープ(ニチバン製No.536)を使用。
他の部分は紙のマスキングテープ使いました(3M製343シリーズ)。 するとマスキング剥ぐ時にクリアラインテープ部分がテープ糊に負けて マスキングと一緒にクリア綺麗に持っていかれました。 残りの3M部分は問題なかったのでマスキングテープの粘着力次第では
クロームに施したトップコート負ける可能性が高いようです。


なので「HONDA」や「YAMAHA」等のロゴをカッティングシートで製作して それ貼り付けて何かしらのカスタムペイント施した後、 シート除去時にクリア持っていかれるリスクをどうにか回避する知恵が必要か、と。
これ回避するには専用クリア(主剤硬化剤割合10:1)塗った後十分完全硬化待って 足付け後普段使いのクリア(3:1ないし2:1)で更にトップコート施して クリア同氏の「横繋がり」を強化しておく必要があるかな、とは 私個人的には思いました。 最低でも4コート以上は要した方がいいかと思います。


あと剥がれやすいという事はアートナイフもかなりリスキーかと。 上に強固なトップクリアで横繋がり強化してもナイフ入れちゃうと お祭りの縁日の型抜きよろしく マスキング剥がす時切った形でクリア持ってかれちゃうんじゃないかと。 部分クロームペイントにキャンディカラー施す等 使い方によってはアレンジ無限大な感じはしますが、 クロームの上に足付けなしトップコートクリアが その後のアレンジの前に結構なリスクのハードルで立ちはだかってるかな、と。 この辺は後日クロームの上にクリア吹く前にミッチャクロンとか ちょっと色々試してみる必要があるかもしれません。

メットと同じく既に塗って数年経過してる我がGUZZIのクローム部分。 折角なのでここもリクロームペイントして結果みてみようとなりまして。 既に数年経過して下地からもう溶剤抜けてるので まぁ抜群のクローム再現度ではあります。 下地の溶剤抜き(完全硬化)が最大の肝となるようです。

メーカー純正のクロームメッキ程度には仕上がります。 ですがカスタムカーの様な贅沢な3層クロームには及びませんので この辺オーダーされたお客様がどう判断するのかは難しいなぁとは思いました。 旧車再生という点では十分な仕上がりだとは個人的には思いますが、 ショーカーレベルをご所望のユーザーには役不足とも判断されかねず、 そこの判断の温度差はペインターにとっても難しい点ではあります。 実際今まで使用していたクロームペイントで再生ペイントだったとしても とあるユーザーさんは「当時物っぽくて最高です」と言われたとしても 別のユーザーさんには「移り込みがクロームじゃないです」とクレームになったり。 この点正直ホントに難しいです。

因みにメーカー推奨セッティングすっ飛ばして塗ってみた例。
もう1枚のC92タンクカバーはサフェ吹いて強制乾燥30分でトライしてみましたが (近赤外線30分は自然乾燥24時間に相当)、 クローム塗った時は綺麗に映り込んでいたのですが その後推奨通りセッティング置いてクリア塗ったら白被りして 仕上がりがユニクロメッキになりました。

逆にサフェ吹いて完全硬化待ってクローム塗って その後30分強制乾燥だけでクリア塗っても白被り生じました。

また、メーカー推奨の専用クリアが前近代的な10:1という事にも疑問感じたので クローム施工後推奨のフラッシュオフ置いて通常使用しているクリア吹きましたが こちらも若干の白被りが生じました。

全てにおいて言える事は充分な乾燥時間ですね。
サフェの溶剤を完全に抜く。
クロームの溶剤を完全に抜く。
専用クリアが10:1なのもメーカーに何かしら理由があると思われます。


そして最後に。 クローム塗料はハイパーミクロな分子構造っぽくすぐにダマになるので 通常使ってるストレーナーに和紙も追加して濾過した方が良いと思います。
上に書いたメット塗った時の「ブツ」だと思ってたもの、 多分ダマだった可能性が高いです。 というのも、最初にRUMIのヘッドライトカバー塗って結構塗料余ったので
勿体ないしデータもっと欲しいでメット持って来て慌てて足付けしてマスキングして それで慌てて吹いたのですが、 ガンのカップに入れて30分程経過して吹いたんですね。 それでヘッドライトカバーには付着のなかったブツが メットには数か所付着しまして。 これ、多分カップの中でポットライフに変化出ちゃったんだと思うのです。 メーカー推奨ポットライフ4時間とありますが、 ガンのカップにインしてからはもう5分くらいでダマ生じると思ってた方がいいです。



かなりの高額な製品なので試したくても躊躇しているペインターさんも多いかと。
今回雑誌企画の提供品なので、これで残りを商売に回すのは仁義を欠くと思い、
突貫事例や多重マスキング耐性、通常クリア使用やミッチャクロン試験等、
様々な検証して使い切ろうかと思っております。
たまたま自分が東京のペインターだっただけで、
情報は全国のペインターが欲しいものと思いますしね。



オールドタイマー放送局。

八重洲出版のOLD TIMER誌の企画の検証動画、
You TubeにUPされています。
初の2液型クローム塗料「KROMA EDGE」のペイント動画です。
お時間ある時にでも是非ご覧くださいまし。

※ここご覧の方々ならもう既にご存じでしょうが
編集長神山とはもう15年来の仲であり、
更にはVMXチーム「魚肉スピード」のクルーでもあり、
更には私が魚肉総帥でバチクソ立場が上である為
動画内で無意識にタメグチきいいてるのは
どうかご容赦くださいましw