2023年3月20日月曜日

UTA。



もうすっかり常連となりました競艇選手の芦澤さん。
今回もメットのペイントをご用命戴きました。
競艇選手のヘルメットは車検で使用年数3年と定められている為、
何だかんだで今回3個目のヘルメットとなります。

1個目はマクロスでしたし、
2個目は何でしたっけ?キャラ9人いるやつ(笑)
「今回はどうします?」
「ONE PIECEのウタでいきたいかなと」

おぉ、マクロスは抽象的なデザインにしましたし、
9人のは流石に9人描くのは無理という事で
シルエットをバイナル屋さんでカットしてみらいましたし、
今回はキャラ1人をがっつり描く感じなので
三浦選手の時のメットみたいな感じになりそうですね。


メットの形状とウタの絵柄を2人で色々ディスカッション。
ベースカラーなども話し合いで徐々に決まっていきます。
実を言うとワンピースみたいなシンプルな絵柄の方が
描くのは難しいところがあります。
線がシンプルで1発なので誤魔化しが効かないというのが理由。
三浦選手の米津玄師の絵の方が実は描きやすい。
絵に癖のある方が模写しやすいんです。
極端な言い方すればジョジョの方がワンピースより描きやすい。
シンプルが故に頬のラインとか唇の口角の上げ具合一つで
キャラが崩壊しちゃう事も多いんですね。

というワケで本番前に何回も描き込んで
作者とライン一致してくるまで指を馴らす。
そこからようやく本番スタートです。

今回は下地のドライカーボン活かすべく
キャンディレッドでベースカラーを。

後頭部はカーボン地そのままです。

競艇選手のヘルメットは額部分と首回りが
カーボンではない繊維状のFRP構造なので、
この部分だけはどうにかする必要があります。
ネットで観てるとどのペインターもこの部分の処理に悩んでいるようです。
今回はカーボン地ままだったので、
この部分はキャンディかける前にブラックでフェードアウトしておきました。


クリアかけて3日お休みさせて完全硬化待ちます。
んではウタ、やっていきましょう。

左右にマスキング施してそれぞれのモチーフ落とし込みます。

先ずはウタの色入れなので、これ位の転写でOK。

こっちも同様。
これを各セクションアートナイフで切り抜いて色入れしていきます。
先ずはエアブラシですね。

瞳の紫と肌色入れ終ったところです。
次の色入れる為にマスキングを元位置に戻していきます。
ウタの瞳が紫なので
今この状態だとゾンビみたいですwww

反対側も肌色を。
塗ったら寸分違わずマスクキングを戻します。

どんどんいきます。
ピンクの髪の方完了。



およそ12時間程黙々と作業。
段々とどこ塗り終えてどこ未だなのかわからなくなっていきます。
脳がへばらないようにラムネ貪ります(笑)

流石に1日でやるにはキツイ。
なので1日目の自分にしっかり「申し送り」残しておいて
2日目に突入です。


2日目にもなると13色近く色出てきて
塗った部分と塗ってない部分は記憶の勝負になります(苦笑)

とにかく集中力切れたらアウト。
黙々とラムネ食いながらひたすら作業(苦笑)

ベースカラーはこれで完了。

現段階マヌケですけどこれで良し。
塗り残しもはみだしもないのを確認して一旦保険かけてクリアコート。


後日そのクリア砥いでいよいよ輪郭、アウトライン入れていきます。
こちらは筆でフリーハンドで。
ここでウタをウタらしく見せる為の指の慣れの成果を出します。
片側半日。
次に反対側描きますが、こっち接地面で描く事になるので
何かあったら危ないので一旦ここでも保険欠けてクリア。

後日またそのクリア砥いでこっち側描き込み。
それ終えたらまた保険かけてクリアコート。
この段階でクリア合計8発かかってます。
カスタムペイントはこの地味な作業の積み上げと繰り返しです。

またクリア砥いで次は芦澤選手のネームとゼッケン、
あとは顎部分に装飾、頭頂部のスペースに軽くピンストライプ。
当たり前ですがここでもまた保険のクリア。
この画像はそのクリア砥いで金箔で施したネームのアウトラインを筆入れ中。
面相筆で1発の世界。
とにかく集中、集中。
ラムネボリボリ。。。。

ここまで筆作業続くと表面凸凹になるので
最終クリアの前にたっぷりクリア吹いて水ペーパーで平らに全面砥いで
やっとこれでラストのトップコート施して遂に終了。







作業開始から丸々2か月以上、
プランニングも入れれば4か月。
芦澤選手の次の3年間の大切な仕事ツール、完成です。


UTAなら普通に考えてADO張れやなんですけどすんません。
自分この1か月10feetばっか聴いてましたサーセンwww