BAT MOTORCYCLESよりお預りのFB MONDIAL一式。
タンク下の曲線の出っ張りは肘から前の腕をぴったり伏せる為。
タンク上面の凹みは伏せた時の顎をそこにしまい込む為。
大柄なイタリア人が小排気量のレーサーに乗る為には
こうして空気抵抗を可能な限り減らそうとした「努力の結果」が
「本来はキャンディブルーだったはずなのね。
だからそれに戻してくれるかな」
サンプルで同じ年代のBENELLIタンク預かったので
それに合わせて調色しまするね。
が、この職人。
それに合わせて調色しまするね。
剥いてみて超興奮した。
このタンク、結構なセクションをスレッド(ハンダ)で造形してるぞ!!
赤丸の部分全部ハンダで造られておる!!
この複雑な造形を扱いの難しいハンダで成し遂げるとは!!
古の先人の技術を発掘した時の感動ったらない!!
剥いた時獣脂(タロン)の匂いがしたのでハンダ盛られてるのは理解したが、
ここまで複雑な造形をスレッドワークで行った事に超脱帽。
剥いた時の独特のアンティーク匂からするに半世紀以上前の修復は間違いない。
これはあれか!?
本家イタリアのカロッツェリアでの仕事か!?
今はもうご存命ではないであろう名工の足跡であるか!?
イタリアの爺「どうじゃ?何か学ぶ事はあるか?日本の職人よ」
私「はい!!全てを自分のモノにすべく学ばせて戴きますっっ!!!」
嬉しさで軽くブースの中で削ったパテ粉まみれで小躍りする(笑)
盛り上げは秀でていたようだが、ハンマリングは正直結構下手(苦笑)
1発目のパテ入れて砥いだら現実が露になってきた。
画像のタンク前方部、ギリギリだけどまぁ及第点。
膝のエグリ部分はこれではダメ。
どういう事かというと、後ろのアール部分数か所の高いところを基準にしちゃって、
残りは全部パテ入れないといけない造形になっております。
本来この薄っすら出てる高い鉄部分をハンマリングで落とさないといけない。
エグリ部分これなら合格、前はやっぱ手抜き(苦笑)
私「ハンダ造形見事だったけど、ハンマリング下手じゃね?」
イタ爺「ぞ、造形は得意だったが面出しは苦手だったんじゃ」
私「ハンダ造形見事だったけど、ハンマリング下手じゃね?」
イタ爺「ぞ、造形は得意だったが面出しは苦手だったんじゃ」
私「じゃあこの剥いた時の据えた匂いのパテ、爺がやったん?」
イタ爺「てへっ、だってパテの方が楽ぢゃんww」
天才的な腕持ってるのに変なトコ手を抜くイタリアンの典型(苦笑)
感動してフォローしたが、私は速攻でフォローを解除した。
イタ爺「待ってくれ!!この事実をブリタニカ辞典とかに書かないでくれ!!
これを後世に残すのだけは後生だから見逃してくれ!!」
これを後世に残すのだけは後生だから見逃してくれ!!」
私「爺ぃ、今その役目はウィキだよ。。。。」
とはいえ給油キャップ廻りのカルデラ造形はやはりお見事。
中でもシートカウルはヤヴァかった。
表面クラック入ってたからアルミ地やられてたら厄介だなと剥いたのだが、
何てことない、パテ盛り過ぎが原因(苦笑)
何でこんなに盛ったん?って位ボリボリにパテ盛り。
ただ、シートカウルからはアンティーク匂してこなかったから、
この怒涛の厚盛りは爺の仕事ではないと思われる。
めちゃくちゃすっきりシェイプされた。
6㎜以上スケールダウンしてると思う(苦笑)
アルミ地に裏側スチールのビーム入ってたから重いのかと思ったが、
全部パテ落としたら劇的に軽くなったwww
ただ、私は真っ白けっけだ
Mondial175Sportで検索してもこのタンク一向に出てこない。
「まぁ剥がず前に採寸したからいいのかな」で納品して、
片山さんに「画像全然出てこなかったっす」と言ったら、
「はははは、当り前だよ。だってこのレーサー世界に数台もないから。
このタンクは多分この車両の為だけのワンオフだし」
そりゃ出ませんがな(笑)
だとしたらあの下地のスレッドワークも納得。
でも片山さん、そういう大事な事事前に言ってくださいよ。
ウレタンクリアの下に閉じ込める事の方がリスキーで合理的ではないという事で
フィニッシュ後にクリア上から貼っておしまいにしてくれる。
正直めっちゃくちゃありがたいです(笑)
あの失敗or成功が半々の運任せなクリアコート、
こっちは精神的負担ハンパないですもの。
本気であれ病みますよ。。。。