2021年6月17日木曜日

Falling。

現在レストアペイント中のMOTO PARILLA。

言わずもがなのイタリアの名車ですが、
今回は水貼りデカール(トランスファー)をクリア下にインストール。
もうここよくご覧の方はご存じの成功率半々のトランスファー。
20年こいつと格闘し続けてきましたが、
今回は更に香ばしい当時物トランスファー。

もうひび割れてるし点数多いし、既に吐きそうですw

取り敢えずトランスファーのコンディション確認含め
先ずはライセンスプレートから作業開始。

うん、ビンテージ過ぎて糊成分ゼロ(苦笑)
仕方ないので木工ボンド水溶き用意してスタンバイ。
今度はボンド成分に負けて破れそうになってスライドしない(苦笑)
位置決めで自由度が高い(スライドさせて動かせる)が売りなのに
それが出来ない極薄の破れやすいトランスファー。。。

どうにか貼り付けて水抜きしてエナメルで先ずはトップコートして、
それを1週間以上放置した上でウレタンを1日1回ずつバラ吹きしていく。
どういうワケだか数回バラ入れたのに縮れ寸前の兆候が出たりする。
兎に角怖い。何が起きるのか全く予測つかない。。。

それでもどうにかウレタンクリア盛り上げて、平らに砥ぎ上げて
最後のトップコート施してフィニッシュ。
これ、あとフロントフェンダーとタンクに同じ事しなきゃいけない
(´・ω・`)


フロントフェンダー先端。
まぁトランスファーは同じ様なコンディション。当たり前だが。
エナメル抑え込み・バラ吹き数日間・そして少しウエットにクリア盛り込み。
あと数回クリア盛って平滑に砥いだらこっちもフィニッシュかな。


タンク。
白と赤のラインは筆で引っ張って、でもって一番大きなトランスファー。
下がシルバーなので水溶きボンドの痕ありますけど、
これはクリア入れれば消えます。
ラッカーシンナーで吹けば落ちるのですが、
少しでもトランスファーに触れたらシワシワに溶けちゃいますし、
赤いラインに触れてもそっちも速攻で溶けちゃいます。
要はデンジャラス過ぎて拭き取ろうにも拭き取れません(苦笑)

こちら現在エナメル定着中。
これからウレタン入れていく最も危険な作業が待ってます。
あとタンク上面にももう1枚トランスファー作業が待ってます。

吐きそうですww



本来このトランスファーが主流だった時代は
まだ現行のウレタン塗料が存在してなかったんですよね。
だから当然なんですがウレタンでコーティングされる事は想定されていない。
物理的に無理なものに挑んでいるワケなのです(苦笑)

カスタムペインターさんは多くおりますが、
同じ様な作業で苦悶してるレストアペインターが全然いないので、
ただ1人悶え苦しんで工房で爆音でハードコアパンク流してます
(´・ω・`)


でも選曲はパンクではございません。
飛べるのか落ちるのか、残りの作業の結果次第。。。