2020年10月21日水曜日

潮風ガビガビからの生還。


昨年9月に休刊になってしまった
モーターサイクリストClassic誌。

こちらで連載途中だった高垣君のYDS3、
そのままWEBマガジンの「モーサイ」で継続する事になり、
私めがその外装のレストアを引き受けさせて戴きました。

瀬戸内海で潮風に晒されていた割には状態良い方ではありますが、
各パーツ錆の「虫食い」は中々な状態。

とはいえ、ウチには形すら崩壊してるモノも多数来るので、
ぶっちゃけ「形」あるだけでもありがたいというものです(笑)

まぁ先ずはがっつり磨いて酸化被膜つけて。
凹みや深刻な虫食いはあまり深追いせず(穴開くからねw)、
虫食いはPOR筆指しで息の根とめて、
凹みは地金耐えられそうだったので引っ張り出しの後鈑金ハンダ。

タンクのトンネルは今後の防錆の方を重視してPORがっつり。
PORは上塗りの食いつきが悪くなるデメリットありますが、
トンネルに関しては脱着で出来ちゃうひっかき傷よりも
錆びさせない、を最重要課題とします。



その他パーツはブラスト経由だったので、
ありがたく悠々と裏側全部にPOR塗布です。



このフォークカバー内側も結構錆びるので念入りに。


状態良いとはいえ、この虫食いの有様です。
あくまでもウチに来る他のケースと比べて状態が良いと言ってるだけで、
DIYユーザーだと絶望ビリーな錆の深さでしょう。
それか私がマヒしただけですwww



あまりに深いと総パテしごいて埋めていくしかないでしょう。
が、プロユースですとサフェの厚みが強烈に盛れます。
(ずるい技でスプレーパテなるものもあります)


今回はサフェ2連続の工程で全部埋められると判断。
1度がっつり砥いでなるべく錆の腐食を埋めていきます。

1日中ブースに籠ってひたすらサンディングです。
ブース内が腐海の森となっていきます。

身を粉にして働きつつ、
身が粉粉になっていきますw

こうして2度の砥ぎまくり大会でどうにか平滑な下地を取り戻しました。

うん、滑らかになった♪

下地に概ね1か月は要します。

で、キャンディレッドなので先ずはシルバーっす。

で、塗ったっス。
文字ではあっちゅう間ですが1日作業っスw

あのガビガビがこうなるのは自分でも気分がいいっす♪
一旦これでクリアコートして一時終了です。
で、数日後また全部砥ぎ入れてキャンディとなります。

外装一式のキャンディともなると結構な時間要します。
キャンディは透けた色なので、塗り重ねの回数で色調が決まります。
という事はこのパーツ全部を同じ色調で塗らねばならんのです。
まぁそれが出来るからプロで飯食ってるっちゅう話ではあるんすけどもw

4月のアメリカのロックダウンで暫し入手困難だったキャンディ塗料。
これにより作業中断数か月となっちゃいましたが、
今後はもう物流は大丈夫かと思われ。
コロナで仕事減ると腹括ったものの見事にその予想が外れ、
まさかのバックオーダー祭り(苦笑)
おまけに材料届かないと散々ではございましたが、
夏過ぎよりまた業務安定してきましたので、
今後もばっちりがっつりこなしていきまするよ~♪




よし、色調ずれず万事OK。
これでクリアコートです。
当たり前ですが画像はクリア入れる前です。
あとはタンクのみホワイト入れます。


で、余裕なさ過ぎて作業画像まるで撮り忘れる。
いきなり完成www
まぁクリア入れるとこんな質感になります。


無事に高垣君の元へと戻りました♪
高垣君、あとはレストア日誌で頼みまする~





曲だけでもゆったり目に。
一応年代をYDS3に合わせたつもり(笑)