2020年9月12日土曜日

DUCATIこそが馬。

思い返せば立ちゴケ転倒による粉砕からスタートした
みゆきさんのドカカスタムペイントプロジェクト。
あ、痛々しい姿なので閲覧注意w

「これを機会にMuneさんにカスタムペイントしてもらおうと思いますー」
「凄い前向きだけど凄い度胸だねー」
こんな感じでスタートです(笑)

で、思えばこの外装の引き取りをしたのがもう1年前。
多分かなりの時間要すると思っていたワタシは
外したボルトを可能な限り元に戻しておいた。
みゆきさんは、っと、ボルトどんどん袋に詰め込んでおるがや(笑)
「みゆきさん、これ元に戻す時どれがどの位置だったか理解る?」
「いやー大丈夫っすよー、たかがボルトっすよ?
どこでだって暮らしていけますよこいつら♪」
「お、おぅ。。。。w」



「キャンディどうっすかね?」
「どんなペイントです?」
「こんな感じっす。赤だとりんご飴みたいな感じ」
「ほっほぉー♪」
で、ベースにはSSでやると最高に贅沢なキャンディに決定。


これにDUCATIへの敬意で旧ロゴとか入れるとカッコいいかもね。

凄い派手な手法使いながらも飽きの来ないシンプルにみせる。
そして大人の女性の艶やかさもそこにさりげなく加える。
うん、ならば表現かなりトリッキーだけど印影でこれ入れてみましょうか。
ケンタのチョッパーのフェンダーでもやったこれね。
上下で印影反転させてるけどこれが重ね塗りの回数で濃淡付ける技法。
めちゃくちゃ手間かかるけど綺麗だと思います。
こちらは完全に下地のフレークの部分もあるので
またこれとはちょっと違う表現と手法を模索する事にします。

「Muneさん、馬入れよう。馬♪」
「馬、かぁ。ちょっと考える」
DUCATIに馬。
実はこれ歴史的にみれば正統な理由が存在します。
その詳しくは宜しければこちらをご参照ください。
我らがみやけんさんが丁寧に記述しておりまする。





まぁ、先ずはキャンディカラーの下地の更に下地、シルバーを。
各パーツの一部マスキングしてるのは、
その部分あまりにも塗膜の肉がつくと
組み立て時に干渉抵抗が大きくなり過ぎて
穴位置が合わないとか最悪組み上げられないとなるから。
それ位最後のフィニッシュまでにクリアが都度入るからです。
マスキング部分は組むと見えない部分なので、
下地のサフェーサーで留めておいて、
最後の赤キャンディだけ入れてクリアコートに収めるように設定します。


で、同じような画像ですが次の工程でフレーク(ラメ)まぶします。

同じ様な画像になるのはある意味当たり前です。
これが中で塗装する際のベスポジだからっす。

とはいえ自分でもシルバーの画像とフレークの画像、
サムネイルのままだと判別つきませんでしたww


で、このフレーク。
当たり前ですがクリアが超絶凸凹になります。
これを平滑に砥ぎあげないと次のキャンディでも「アラ」が出ます。
更に砥ぎ上げてる際にフレークの頭が出てくると
その部分がキャンディで黒っぽく色が載ってしまいます。
ですのでガンガンに砥ぎ上げる為にもクリア相当入れなければなりません。
このドカの外装全部を砥ぎ上げるのに2日は要します(苦笑)

で、いよいよロゴ入れ。
簡単に書いてますが、綺麗な陰影でインストールする為に
何度もシュミレーションして順番を決め、
テストピースも何度もしてます。
正直プレッシャーでだいぶヤラれて放置も本音ですが然り(苦笑)
みゆきさん、ホント待たせてごめんね。。。。

まずは旧ロゴをマスキングに落とし込み。
さて、ナイフ入れますか。

一番浅く見える場所からのスタートとなります。
実は視覚的に一番深く見える場所が一番最後の作業だったりするのです。
だから頭使わないと思った仕上がりにならんのです(苦笑)

次は月桂樹(ローレル)施しましょうかね。
影絵みたいに下から1枚ずつエアブラシで。

気合い。集中力。挫折禁止。
因みに印影は赤の繰り返しで入れており、黒は微量しか使ってません。
全ては赤の濃淡だけで描いてあります。

こんな感じで片側終わりました。ざっと16時間ほど。
左右ありますwww
この画像の時点でみゆきさんに送ったらビビられました。
「ち、ちょっとド派手過ぎませんかねこれ」
落ち着いて、ちゃんと馴染む計算になってるからw

タンクの方の現行ロゴは銀箔にスピニング入れて。
因みにこのスピニング、我々ぺインター界隈はそう呼んでますが、
高級スイス時計のムーブメントなんかにも施してありますよね?
あれ、時計界隈ではこの技法「ペルラージュ」と呼ばれています。
あと、デコトラとかよくステンレス部品にもこれよく施してありますね。
という事でデコトラと言えばのやすじさんに訊いた事があります。
「やすじさーん、あれデコトラの世界では何て呼ばれてるの?」
「んー、ぐるぐるやねー」
い、潔くてわかりやすくて、1周回ってカッコいいwww


で、仕上げに希望の濃さの赤キャンディで全てをコーティングします。
これで絵を「沈めて」いくのです。


ダクトの周りとかも敢えてシルエットを引き立たせる様に印影を。
これでデザインを更に強調させる感じですね。

銀箔のペルラー、もといぐるぐるはここまで馴染ませてさりげなく。
あ、でもドカは欧州車だからペルラージュでいいかw

最後までみゆきさんと私で「入れる・入れない」でバトルした馬。
どうにかこうにかデザイン上手いモノ見つけて出して
ではインストールとなる。
こちらもアートナイフ切り出しで左右反転。
とはいえ上のロゴよりは簡単。

ステッカーの様な貼っただけなチープ感にならないように
馬にも印影しっかりつけておきます。

仕上がりの赤に+もう1発って事で、この段階で赤1吹き。

うん、良さげだね♪
こちらは昔ながらな馬にもせず勿論フェラーリにもさせず、
この年式のドカに入れてもしっくりくるデザインで。
あ、でもちょびっとたてがみの部分とかにエリア88入ってるかもしれないw
新谷かおるデザイン、か(笑)

で、馴染ませる。

で、外したパーツを過去の画像観ながら再現復刻していく。

苦節1年。ようやく完成(苦笑)
途中私が挫折しかける・みゆきさんバイク熱失う・2人でケンカする等
紆余曲折ありまくりながらもここまで漕ぎつけたw
さて、組み上げに向かいましょう。

いざ、出発。
9月だというのに気温34度。
田村宗正、廃エースの中で死にかけるw

「Muneさん蕎麦食いにいきましょうよ♪奢るっす!!」
「お、おぅ。蕎麦かいいね♪ご馳走様っす」

もしかしたらと思ってたが、みゆきさん。
この時点では組み上げとか1時間ちょいもあれば終わると思ってたらしい。

SSバイクは各部カウルが複雑な組み上げでドッキングするので、
専門ディーラーでメカやってない限り1発では組み上げられない。
やってみて「あ、こっち先っぽいね」でまた外したりを繰り返す事になる(苦笑)
で、外したボルト。
やっぱりこれがどれがどこのモノだったかわからなくなるww

同じパーツを付けたり外したりを数回繰り返しつつ組み上げていく。
34度炎天下。ちょびちょび休みつつ。
「Muneさん飲み物色々用意してあるんで好きなの飲んでくださいよ!!」
「あ、ありがとー♪助かるわぁー」
「あ、さんぴん茶ありますよ。それ飲みますよねMuneさんなら!!」
「お、おぅ。そりゃまぁ飲むわなー」
華麗に選択肢を絞る京女、みゆき嬢(笑)

後半、やはりまとめちゃったボルト類で苦しむ我々2人。
「Muneさん外した部分流石っすよね、ボルト残してあって。流石っす」
「みゆきさんは何でボルトまとめちゃったのよ」
「えぇしゃあないっすよ、アタシゃ京女なので」
うん、1回全京都の女性に謝ろうかwww

そんなこんなで組み上げ始めて5時間。

みゆきさんのDUCATIカスタムペイントプロジェクト、完成。

ホントお待たせしました、みゆきさん。
でもおかげさまでこっちも採算度外視で存分にやらせてもらえました。
私が思っていた手法の全てで派手なのにシックで大人っぽいの出来ました。

仕上がってこんなにも喜んでもらえたのは何よりです。
今年はホットロッドショーがコロナの影響で中止が決まったので、
ワタシにとってもこれが2020年の最高傑作であるのは間違いないっす。

で、私やみゆきさんではこいつの魅力をしっかりと写真に収めるのが無理ですw
どなたか腕のあるカメラマンの方、こいつを撮ってください(笑)
で、お願いですからその写真HPで使わせてwww
キャンディ撮影メッチャむずい(´・ω・`)

で、みゆきさん車来てるから車道出るの危ないってのww
マフラーとスクリーン交換終えたら立川まで遊びに来てくだしゃんせ♪
完成記念でウチで1杯やろうぜよ♪




えぇ、「赤」ってだけです関連性www