一夜明けて朝イチでレンタルバイクという「足」をやっとこ獲得。
早速コザへと向かう事にする。
道すがら1か所宜野湾の地にかつてあった一大赤線地帯、
真栄原社交街(まえばるしゃこうがい)跡地へと足を運んだ。
かつては横浜の黄金町、大阪の飛田新地と並ぶ日本の3大赤線地帯だった場所。
最盛期はコンビニよろしく24時間営業で賑わっていた「闇」の楽園。
暗黙の了解で地域と共にあった「恥部」。
赤線と訊くと物騒なイメージと危険というイメージが当たり前だと思うけど
沖縄のそれは実はそこまでダーティーなものでもなく、
このゾーン抜けると普通に民家地帯にもなるし
地元民はここのメイン通りを普通に車で抜けて大通りに出ていた。
何て言うか、地元民にとってはこれが単なる普通の光景だったのだ。
とはいえこの街が現役の時は間違ってもカメラ片手になんざ歩けなかったけどねw
冷やかしの小僧とか興味本位な連中は車に乗ったまま徐行運転で徘徊し
マジ買いで来た連中や手慣れたおっさんらは結構堂々と歩いて品定め。
ワタシはここはそこまで縁がなく、
90年代半ばに後に登場する山本ってヤツとここ車で来て徐行してコーフンしてた。
ワタシも山本も一切車から降りないどころか窓も閉めてた。
えぇ、完全に街に圧倒されたチキンでしたよwww
よくある声掛けしてくる若い女性と別のBBAが出てくるとか
そういうのは全くなくて
店の前に座ってるその女性自身が「お相手」になる明朗なシステム、
それが沖縄の赤線だった。
本人たちも色んな事情があったではあろうが
あくまでも自由意思で商売して取引してシステムを構築していた場所だった。
2009年、女性権利団体が中心になって壊滅作戦が始まる。
それに市長が呼応して、なぁなぁで上手い事やってきた警察も腰を上げる。
徹底的な壊滅作戦が展開されて2011年、この街は廃墟となった。
女性権利団体の排除っぷりは凄まじかったらしく、
売りをしてる女性らに
「あんた達は人として一番みっともない生業をしている」とか
「人としてどうかしてる」とか
まぁそれはそれは全否定の人格までも否を押し付ける罵声や
誹謗中傷を並べ立てるビラ撒きとかして追い出したそうだ。
何故こんな場所にこんなビラ?
その理由は後で身をもって知る(苦笑)
色んな事情はあれど自由意志だ。
どうしてそこまで誹謗中傷出来るのかワタシにはちょいと理解らない。
それが正解か否かは問えないが
最近はレースクイーン(グリッドガール)にまで追求が入り
廃止されていく昨今。
ボクシングのラウンドガールやそのうちチアガールにまで波及しそうな雰囲気。
もうそうなると美少女コンテストやミスユニバースもそのうち言われるんだろうな。
ワタシは美を追求して何が悪いのか全く理解らん。
「女性蔑視だ」とか「男尊女卑だ」とか「マンスプレイニング」だとか
最近は微に入り際に渡って色々声が上がる世の中ではあるけれど、
もしかしたら女性の敵は女性、なのかもしれないね。
あ、これは独り言ね。あくまで独り言w
炎上禁止ねwww
まぁ見事なまでにゴーストタウン。
おっと、ちょびっとだけ復興してるストリートもあった。
無論今では普通のスナックか何かなんだろうけど。
でもやっぱ廃墟でしかない。
こういうフェミニスト団体とかって
壊滅作戦した後はどーでもいいみたいなんだよね。
横浜の黄金町なんかは場所柄小さなバーや若者のアトリエとかで
しっかり別のスタンスで復興したけれども
ここ何か赤線無くなったら何も魅力的無い街だからさ、
ただの死んだ街になっちゃっただけでさ。
これって地元にとって良かった事なのかな?と
ワタシはそう思っちゃうんだよね。
ここの社交街入り口の商店で景気づけでエナジードリンク飲もうと入ったんだけど
「そんなものないさー」で仕方なくリポD飲んだんだけど、
そこの店主も「あれ以来売り上げほぼダメになった」って言ってた。
まぁそうだよね、自分もコザなんで事情お察しします。。。。
壊滅出来たらそれで満足ってさ、
そっちの方が責任持ってなくね?
街と持ちつ持たれつだった関係をさ、
さもありなん、な超綺麗事な持論と常識でたたみかけてぶっ潰してさ、
「あーすっきりした♪汚物が無くなったわぁ~♪」でおしまいかよ。
お前らのそれもエゴの押し付けなんぢゃね?って
ワタシはこういう街で育ったからそー思ってしまう。
ウチのお客さんでルポライターでフォトグラファーの人がいて、
危険地帯潜入の技、ちょっと事前に教えてもらってたのね。
「不法住人とかに出くわした時に観光客風情の格好だと
速攻で追いかけられたり暴力振るわれたりするから気を付けてね。
或る意味ジャーナリスト風の方が不法住人が混乱して
アポ取って取材してる人なのか違うのか確認するまで時間稼げるからさ。
向こうが戸惑ってるウチに撮影済ませてとっとと退散するのがコツだよ。
でも相手がそっちの人の場合はその格好の方が連れ去られる時もあるから見極めて」
なるほどね、って事でワタシもこの格好(笑)
Iさん、成りきって参考にさせてもらいます。
因みに滞在6日分の荷物はこのメッセンジャーバッグ1個だけ。
下着類・充電器類・雨合羽それだけ。
アウターはずっと同じもの着てればいいんだよ。
観光に来たんじゃねぇんだからよ。
男一人それで充分なんだよ。
このCHROMEのメッセンジャーバッグは最高にタフで優秀なアイテムでした。
まだ知り合う前だったんで入手ルートは別口だったんですが、
今回の探索撮影のお手本にさせてもらったのはCPWモトヤンさんのサイトと
彼の被写体への接し方とか構図でした。
多分最後の沖縄帰省になるけど、普段あんまカメラ扱ってない。
でもラストチャンスだから失敗はしたくねぇなぁ、はやっぱり本音。
そんな時彼のサイトの路地裏や廃墟探索の写真がね、
まさにワタシが収めたかった死にゆくコザの情景と一致してましてね。
写真素人だから今回はがっつりモトヤンさんの撮り方勉強させて頂いたんす。
普段からかじってる風装うならば自分の個性で撮れよなんでしょうけど
すんません、マジでカメラ素人なんでパクらせてくだちぃw
で、知り合ってから気付いたんですが彼のSHOPでもCHROME取り扱ってます。
次回からは彼のところで買おうと思います(笑)
無骨な実用タフネスツールとしてのCHROME、ほんとにオススメです。
普段あんまカメラなんぞ持ち歩かない方です、ワタシ。
例えばモーターサイクル系のイベントなんぞで持って歩いてるとします。
多分それはワタシにしか撮れない写真なのだとは思うのですがレンズ向けると
「あ!Muneさんだーーー!!!」
と、みんなめちゃくちゃ色んなポーズや変な事してくれるのです。
そう、多分それはそれでワタシにしか撮れない1枚だとは思います。
築いてきた関係性だからこその笑顔やおどけたポージングを皆さん提供してくれる。
ただ、その反面その場の何の気取りも意識も無い「空気感」といいますか、
「素」でいる状態の被写体は誰もくれないんですよw
だから魚肉スピードやFlatfishesのウェブ何かで使われてる写真は
良い意味でワタシよりも顔がバレてないクルーが殆ど撮っているのです。
ワタシが撮ると皆ワタシに気付いて「ウェーィ♪」になるから(笑)
まぁそんな写真も愉しいので使いますけれど、ね。
今回ね、完膚なきまでに一人という状態でレンズ向けてるとね、
情け容赦なくワタシが「空気」になってるのが逆に心地よくてね。
ないものねだりではありますが、ワタシはこの無視されてる感を愉しんでました。
実は現在の真栄原、完全なゴーストタウンというわけでもない。
この劣悪な環境でも住人がいるのだ。
とはいえ建物は「ちょんの間」。
建て前の入り口の1席しかないバーカウンターと
その奥の遊び場しか無い。
それでも不動産は金になるなら誰かに貸す。
そう、物凄く貧困なホームレスや不法滞在の外国人が暗黙でここで暮らしている。
言われてみれば元が赤線、上水道と下水、それと電気は一応存在する。
だがインフラはそれだけで清掃車も巡回して来ないしガスは無い。
だから街にはゴミが溢れ、カセットコンロの缶がそこらじゅうに捨ててある。
数件共同でこうして洗濯機を使ってるようだ。
と思ったらここの住人に見つかって追いかけられた。
シャッター切った瞬間「バーン!!」飛び出てきたから驚き過ぎて足捻った。
やべぇ、住人何言ってるのか理解らねぇ。
観念して事情を説明しようと思ったが日本人じゃねぇ。
こういう困った時には煙草だ。
自分が吸って落ち着くんじゃねぇ、あげるんだ。
一箱差し出した瞬間に超すんなりと受け取ってゴキゲンになる。
「あんたー、何しにここ来たのー♪」
どんだけ安いんだお前(笑)
わかりやすい日本語でゆっくり喋って事情を伝える。
「うん、わかたよ、わかたよ。ビールのみたい」
ちきしょう、ビールまでせがまれる(´・ω・`)
さっきの商店また向かう。
「えー、お兄さんまたどうしたのー?」
「あー、いやこの人にオリオンビールを」
「こいつ冷やかしのカメラマン見つけると毎回こーして酒せびってるさー」
くっそwww
煙草とビールですっかりゴキゲンになった彼から今の現状を訊く。
赤線地帯のまんまのしょぼい部屋の作りなので家賃は爆安だそうだ。
でもホームレスにとっては段ボールよりかは格段にマシなのは事実。
家主も困ってるから不法滞在の外国人にも貸してくれるので仲間を呼んで
こうしてブラジルのファベーラ(スラム)みたいなものを生み出しているらしい。
このワタシから煙草とビールせしめたおっさんはチャイナだった。
街にはフィリピン人やコリアンもいるらしい。
ホームレスのOZOMATLIかよ。
上機嫌なおっさんが側についてくれた事で
撮影がスムーズになったのは副産物だった。
煙草一箱渡したってのにワタシから「1本くれ」とせしめるが。
でもワタシにアドバイスしてくれたIさん、ウソついたよね。
ワタシ、超追いかけられたんですけどw
「ここ、案外綺麗だね」
「うん、そだよ。ここ日本の若い子が店やてるよ」
裏側からのエントリーならここ、道広いからな。
やっていけるか否かは定かではないが横浜の黄金町みたいな感じか。
「へぇ~」
と写真撮ってたらおっさんが脱兎の如く逃げた。何で?
「おい兄ちゃん、何してるね」
しまった油断した。
別の自警団に捕まってもうた。。。。
別の自警団(笑)
日本語通じるから丁寧に説明した。
名刺渡して暫しスマホでワタシのHP閲覧中。
「あ、これ兄ちゃんね!本物ね!」
別に東京から来たからって有名人ではないです、ワタシw
どういう理由かは不明ですが納得して頂けて何よりです。
あんまりにも治安悪くなるからこうして警らしてるワケさ」
事情凄く理解りました。
さっきの場違いに見えたビラも納得しましたw
何だか警察や行政ですら放置した場所なのにご苦労様ですと言いたい。
昔24時間営業だった時は同じく24時間盛況だったらしいランドリー。
ここで仕事終わったお嬢らが「仕事着」洗濯してたんでしょうな。
もう誰も使ってない感じが漂っておりますが。
いきなり追いかけられて足まで捻ってしまったが
GITANES一箱とビールと名刺でここまで滞在出来たのなら上出来だ(笑)
ここを後にしてコザを目指す事にします。
で、コザ実家着いて気付いた。
メイン機のレンズキャップ、追いかけられた時落としたっぽい。
煙草+BEER+レンズキャップ、+捻った足首。
ちょっと高くついたかもしれない。。。。