2025年12月6日土曜日

MY SHARONA。



今年のロッドショー車輛2台目。
車坂下の野呂さんトコのTHUNDER MOTORCYCLEですね。
野呂さんが立ち上げたブランドで
国内での販売展開もさることながら、
昨年より東南アジアでも販売を開始、
遂に今年南米ブラジルとも契約を達成し来年より販売開始、
今ラストに欧州狙って販売を拡大しているバイクで
もうある種メーカーといってもよいでしょう。

勿論数ある国内の販売店でも車坂下は
当たり前ですがフラッグシップショップ。
元より何度もアワードを獲得してきた野呂さんですから
このサンダーもビルダーの真価の腕発揮すべく
がっつり臨むようです。
で、10月初め身包み剥がされたサンダーの画像が来ました。

次の週にぶった切られたサンダーの画像が来ました。
まぁ我々の業界ではここまで調理するのもザラなので
私もこれ観てそんな驚きません。
一般人からすれば取り返しのつかない事してるみたいな感じですが
正直業界に居過ぎて感覚マヒしてますw

また次の週フレームが構築されていきました。
ディメンション決まったみたいですね。
キャスト角結構寝ていてロングフォークですが
ネック位置立ち上げてセットアップしているので
こう見えてそんなに乗りにくいものにはならないようです。
この辺の計算式が数多く手掛けたビルダーの経験値とセンスです。

次の週タンクがセットアップされていました。
ん?待てよ!?
まさかこれ・・・・・

エキモのケンタも野呂さんも許さねぇwww

そしてまた次の週。
徹底的に身包み剥がされたこれがウチにやってきました。
もう腹くくりましょう(笑)

フルスクラッチ・フルスムージング・フルモールディング。
それが同時進行で2台分こぞって入庫です。
眩暈がします。
もう1度言います。
ケンタも野呂さんも許さねぇwww

どうにか形にします。
サフェ入れて更になだらかに研ぎ上げます。
ペインター、虫の息です。

1色目塗ってクリア吹いて完全硬化72時間待ちます。
で、メインメニューの全身TATTOOを施します。

ケルンの大聖堂とかの天井画描いた人マジで尊敬します。
全身ペイントでタンク一体成型だから無下にひっくり返すワケにもいかず、
この状態のままマスキングしてフレイムス描いて
この状態のままアートナイフ走らせます。
ペインターの命風前の灯火です。

やりきりましたよ、4日間がっつり集中して。


勿論タンク裏もね。
このフレイムス全部繋がってる一筆書きです。

自分で言うのもアレですが物凄いインパクトです。



おかげさまで中々にエグイ車輛が完成しました。
間違いなく現在一番ヘヴィなカスタムされたサンダーでしょう。


こちら今年のロッドショーのテーマ「ピーナツタンク」の展示スペースにて
お披露目されるようですので、
明日ロッドショー行かれる方は
是非ご覧くださいまし。



California Dreamin'。

M-Craftのローリーさんの車輛のナックルヘッド。

本来ロッドショー組で一番乗り(9月)で入庫していたのですが、
肝心のナックルヘッドエンジンのフルレストアが
本国アメリカのビルダーから帰ってこない。
ローリーさん何度も進捗のメール出したそうですが
「ちょっとバックオーダー多過ぎて手が付けられない」
という返信しか戻ってこない。



なので仕方なく9月より保険かけて制作してた方、
ショベルヘッドの方を今回のロッドショーに出す事に。

ナックルの方は既にオーナーも決まっており
9月末に外装持ち込まれていたので塗りあがってたのですが、
置き換え車輛の外装を改めて急遽塗る事になりまして。
なので今年ペイント依頼来たショップ3つ全部11月入庫となり(苦笑)
しかし全世界的にレストアの世界は人手不足ではありまするね。

で、急遽制作になったショベル。
こちら当たり前ですがまだオーナーついておらず。
「ローリーさん、これ色どうする?」
「そうだね、思い切りアメリカな感じにしようかな。
私アメリカ人だしね」
で、バチクソアメリカンな赤オレンジのフレイムスで。
フレイムス自体は王道で定番なのでめっちゃ塗ってきましたが
思い返せばこのド定番カラーで塗るのも私も久々(笑)
フレイムスの形状や色味は全部任されたのでやってみましょう。
一番最初仕事した時はローリーさん日本語ほぼ喋れないから
彼の不安とか解消されればと手間掛かりますが安心材料の為に
サフェの段階で実際にフレイムス描いてみて画像送って
彼の好みやストライクゾーン互いに擦り合わせてやったのですが、
あれから3年何度にも渡って仕事引き受けてきたので
今では「Muneのデザインとレイアウトで外れないからね」と
お任せになれたのもこちらも嬉しい限り。
では先ずベースカラー塗ったのでマスキング。


すんません、11月ショーバイク全部入庫だったので
忙し過ぎて途中過程あんま撮ってません。
上のマスキングの画像も実は今回出展見送りになった
ナックルヘッドの方の画像ですw

ナイフ走らせる為に下書きは勿論します。
でもほぼ1発で描き上げます。
迷ってる時間なぞございません。
数多塗ってきたので指が勝手に動きます。

無理のない曲線の連続。
迷いのないライン取り。
経験上下書きもアートナイフも思った方向へと走ります。
私の周りには非常に優れたペインターが多くおりますし交流してますので
皆それぞれの独自のふくよかなラインでフレイムス塗ってます。
ペインター同士だとわかるのですが
フレイムスって凄くそのペインターの癖が現れます。
ラインに迷いが見透かされるようでは描き不足です。
私はそんな作品はお金を貰えるものではないと思っています。

トップコートのクリア施して完成。
王道カラーこっちもテンションあがりますね(笑)








バッチリお褒めの言葉戴いて無事に納品です。
Yep♪



気の早い話ですが
来年の展望と来年の制作車両のオーダー受けました(笑)
いつでもお手伝いさせて戴きますよローリーさん。