2025年4月12日土曜日

Breakaway。

ベリバの車輛終わらせて一安心してたら次はケンタの。
「同じく超パテワークです!!安心してください!!」
うん、何言ってんのこいつらwww
ヘヴィワーク終わらせたばかりなのに
次まさかのTRACY BODY。

トレイシーボディ。
70年代アメリカで流行した一体成型外装の事っす。
意外と純正みたいなシンプルカラーの物もあれば


こういうサイケデリックな70年代丸出しの物もありました。

これはシートのステッチワークで個性出してますね。

完全にアシッド(LSD)きめて塗ってるヤツ。

当時物はほぼFRPで製作されていました。
ケンタはフルメタルジャケットです。

選考でフレームとHリム済ませます。
で、早速ケンタに引き渡します。

これで車体の「棟上げ」出来ますからね。
しかしリム単体だとヤングオートみたいな族車っぽい。
これをどうエキセントリックに着地させるかが
私とケンタのキモの作業となります。
んではTracyやりますか。

大物終わらせて一息したいけど
4月13日ケツカッチンあるのでそれも出来ない。
半ばキレ気味に作業してるので下地は割愛w
サフェ入りました。
裏地先に艶消し黒塗ってあります。

で、ケンタの車輛も外に引っかけ穴一切無い。
マウント全部隠すカスタム車輛っぽい技法ですが
塗る方としては吊るすのに困難極まりないw

きょーへーのHDよりは軽いので
最後まで燃料キャップでフックで大丈夫だと判断。

裏側はウチにせっせと宗教誌投函してくるそれ利用。
助かるよあざます礼言う会。
もっとよこせwww


ベースのアイボリー塗って完全硬化させて
いよいよ手間のかかる作業開始。
先ずはカンバスになる箇所にマスキングテープ貼っていって

あれこれ施すカンバスをこさえます。
この段階で施す場所は頭の中で描いています。

そこにオーダーのリボンを描いて行ってアートナイフでくり抜く。
で、先ずはベースカラーの少し粗目のシルバーを。



シルバー吹いたら次は2㎜のテープでハイライト入れていきます。
黒ベースの車体なら縁ギリでライン覆えばいいんですけど、
今回ベースがアイボリーなので
縁ギリギリがシルバーだと境界線ぼやけるので
同じく2㎜あるかないかマージン設けます。

ハイライト施し終えました。
この作業だけでも慎重にやるので半日かかります(苦笑)



1箇所リボンマスキングします。
ここ、リボン同士がオーバーラップするので
その上下をしっかり確立させるべく必要な作業です。
これ、地味に頭使う作業なので
実はあんまり交差させたくないのがペインターの本音だったりします。
脳が疲れてくるとマジでミスしやすいんすよ。

で、淵薄くブラック吹いていきます。
この作業でマスキングが重要になってきます。

次にアンダーパスの方マスキングします。
これでオーバーパス側ペイントする事で

上下の関係性がくっきりとします。

で、ランダムな模様もリボンに入れていきます。

この状態だとヘビ描いてるようにもみえます(笑)

いよいよ大詰め、キャンディで色入れます。
これも交差部分はアンダーオーバーそれぞれマスキングして。

で、色入れ終ったら

アンダーパスだけハイライトのマスキングも取ります。
2㎜のラインテープはこんな感じで表現されます。

で、ハイライト含めエアブラシで黒でシャドウ入れます。
これで完全に交差してるリボンが表現されるワケです。
結構メンドいんすw

全部工程終わったので
裏塗りのマスキングもここで全部剥がします。

サンタからのプレゼントの包装紙を無造作にバリバリ剥がす
アメリカのクソガキみたいな剥がし方で憂さ晴らししますw

日本の子供はもっと丁寧に開封するんだと思います。
完全に偏見ですけどもwww

くっきりしっかり見切り。
裏側まで回り込んでいる丸棒はしっかりアイボリーです。

JONTS車輛、これにて全て終了。
中々に骨折れたなぁ~~

リボン、良い感じで躍動感と美しさ出たと思います。
アンダーパスとオーバーパスも良き感じ。
これ、2か所3か所あったらミスしてたと思う(笑)

リアのリボンも小さいカンバスで流れ配慮したつもり。
このリボン、一筆書きです。


ランダムな模様もしっかり出てますね。
ハイライトも内側にオフセットさせて正解でしょう。
このシルバーが一番外だったらぼやけたたのは間違いない。


ランダム模様のテクスチャーは要らなくなった名刺をハサミでチョキチョキ。
これをあてがってシャドウ入れていきます。
あ、要らない名刺ってのは地元の信用金庫とかよ。
移転配置換えでいなくなればもう要らないでしょ?
必要な人のは勿論こんな使い方しないのでご安心を。


一瞬破綻しそうなカラーリングを纏め上げる。
下品に闇落ちしそうなものをエキセントリックで纏め上げる。
それが私とケンタが織り成す「技」だと思っています。

でも技術ってカスタムペイントの世界では
単なる「スキル」でもあると思っています。
レストアではそのスキルは再生の上で絶対に必要。
カスタムペイントはその上に完成形へのイマジネーションが絶対。
私はレストアとカスタムでそう意識でいて臨んでいます。

さて、納品。
トレイシーボディをどう積むか思慮したが

またまたやるな廃エース。
まさかのシンデレラフィット(笑)

お風呂漬かってるコイツ思い出しての発想w

さて、行くか廃エース。

最近ブレーキマスターバック破れてハードブレーキになっちゃったけど、
そこまで激しいハードブレーキでもないので
そのまま放っておこうかどうしようか迷い中の廃エース。

で、ケンタと2人で外装載せてみた。

いいやんこれ!!!

中々にファンキーながら中々にエレガント。

で、ハンドクラッチ戻しで預けた私のGUZZIと。

どちらの車輛も私とケンタが係わっているのだが
同じ人間がこさえたとは到底思えないなwww
こちらも13日JOINTS行かれる方は是非ご覧くださいまし。


というワケで無事にJOINTS車輛、全て終了。
1月から4月頭までほぼかかりっきりでした。
お待たせしていたバックオーダーの皆さま、
これより作業に取り掛からせて戴きますので
暫しお待ちくださいませ。
お待ち頂いた分せっせと作業しますので。