丁度10年前、
タンクと風切りのペイントをオーダーしてくださいましたKさん。
10年区切りで再びご用命頂きまして。
「もっとクラシックな佇まいにしたいので
前後フェンダーをクロームペイントしてもらえますか?」
「了解ですよ、では入庫まで1か月ちょっとお時間ください」
Kさん、お別れ記念であちこちツーリングへ。
愛車の写真をいっぱい撮って思い出にしてたら
「ああぁ、私この色が好きだったんだ」
と気付いてしまったようで(笑)
「ならば今回キャンセルにしておきますか?」
「いえ、それは迷惑なので何かアレンジをお願いします」
承知いたしました。
同じ色戻しではありますが
ペイントして良かったと思って戴ける作業していきますね。
フロントはタイヤ降ろさないとフェンダー抜けません。
ボバーの完成です(笑)
「カスタム完了しましたー」
店主すぐに笑いに走ります。
フェンダーステーが前中央後ろと全部形状が違うので
フェンダーステーを固定していたマイナスボルトが結構錆てます。
この出っ張り分カットします。
仮組み。
とはいっても今回フェンダー降ろしたら
元と代り映えしなくてすみません(苦笑)
これにあと1工程加えて前後フェンダーは完了です。
Kさんに画像レポート。
フロントエンドとリアエンドもBMW同様アーチさせました。
リアにも子持ちライン。
店主すぐに笑いに走ります。
備忘録として画像残しておきます。
ウチに転がってる真鍮ボルトあしらえましょうかね。
でもウチの真鍮ボルト長さが結構あったので
元と同じ長さに揃える治具こさえて
それに設置してカット作業します。
カットしっぱだとネジ山インサートしにくくなるので
ダイスで成形もしておきます。
カットしたらすぐに洗面台に貯めた水に放り込みます。
元ボルトM5からM6にコンバートで穴拡大必要かと思いましたが
何とそのままですんなり入りました。
元からガバ穴かぃ。
元からガバ穴かぃ。
流石はインドクオリティ(笑)
装着確認したので地金剥いて作業進めていきます。
同じ色なら本来剥かずに足付けで足し算いけるんですが、
10年前にタンクそれでやろうとしたら
インド製めっちゃクリア層薄すぎて速攻下出てしまったので
前後フェンダーもそれは多分同じです。
なので下地からやり直しという工程なんす。
とはいっても今回フェンダー降ろしたら
裏側が結構な錆出ちゃてたので
(まぁあんだけクリア薄ければ錆ますよね)、
そういう意味では今回作業の半分がレストアになります(笑)
これにあと1工程加えて前後フェンダーは完了です。
追加作業のオーダー戴いたサイドカバー。
あれ?この車体新車購入じゃなかったっけ?
剥いたら赤黒黒黒黒赤水色と6色も塗り直し出てきたがや。
ご丁寧に全部サフェまで入れて。
Kさんに画像レポート。
「ええ、新車です。で、なんでこんなに塗り直しを?」
それは私にもわかりません。
ゴールドの子持ちラインフリーハンドで引いて
上からトップコートクリア施して
美しく上品に仕上げてあります。
形状的にはミュンヘナー時代のBMWに似てますからね。
真鍮ボルト回避して少し上気味に引いてます。
やっぱ真鍮マイナスボルトにして正解っす。
フロントエンドとリアエンドもBMW同様アーチさせました。
で、サイドカバーこんな感じで仕上げました。
元あった羽のモチーフを焼き箔で。
BUMP OF CHIKINのモチーフらしいんですが、
これをクロームの上にインストールして
最後に楕円をゴールドで、羽のアウトラインを黒でドロウイング。
そしてクリアフィニッシュです。
途中で「やっぱこの色がいい。この色が好きだったんだ」で
大幅にペイント内容が変更となったプロジェクト。
でも塗る前にそれに気付いて良かったんじゃないでしょうか。
自分の愛車ですもの。自分の愛が最優先です。
クラシックではなくなりましたが
Kさんの想いをエレガントな方向でインストール出来ていれば幸いです。
納車時大変喜んでくださったので安心しました。
この度は10年目の節目でのご依頼、ありがとうございました。