2024年6月28日金曜日

Over The Wall。




高校時代の同級生、加治君のロケットカウルお預り。
他の車輛についていた中古品。
RITMOさんからのオーダーシートには
リペイント&子持ちライン筆入れとある。
持ち帰ってみて現物確認したら、
「これ、塗る必要ない位コンディション良くね?
磨けば元に戻るんじゃね?」

カラーベースに至る傷がないのと
以前に塗ったのも確実に私なので
だとするとクリアの塗膜どれほど余力あるのかも把握済み。
という事で1時間位フルポリッシュかけてみたら


完璧に鏡面仕上げで元に戻っちゃったよおぃ(笑)
FRPパーツでどうしても出てきちゃう磨きの熱で繊維が浮いてくる「戻り」、
これも塗って数年経過してるから全然浮いてこない。
こうなるとむしろ上物やんけw

カラーベースに至る傷がなかった事、
前に塗ったのが自分だからクリア層把握してた事
(他のペインターだとどれほど塗膜あるのかはわかりませんので
あまり勇猛果敢に攻めて磨くのは怖くて出来ません)、
2つの奇跡で塗らずにフィニッシュです。
筆引きで子持ちライン引いたら終わりやね。
浮いた分でラーメンでも奢って、加治君ww


話変わってBMWタンク、剥離してみたらまたもや穴開き貫通。
これで3月以降5本連続で錆び腐食穴開き案件。。。。

ここ怪電波では何度も申し上げてきましたが、
純正の中ではBMWのタンクはプロダクションが素晴らしい方です。
元より中に朱色のコーティングがされているのもありますけども
ぶら下げて水砥ぎした後のエアブローで水気捌けるのが格段に早く
(雨ざらしにされた設定でこれは経年でとても大きな有利なマージンです)、
更に高級車であったが故に屋内保管で大切にされてきた個体も多いので
今までは他の車種に比べて地金のリスクが極端に低い車種でした。
が、ここ数年錆穴貫通事例が非常に多くなってきたのが事実です。
例の朱色のインナーがだいぶ劣化してきているタンクも多く観られますし、
現在流通している個体がもうあんま程度良いものがないのかもしれません。
まぁそりゃそうですよね、もう半世紀近く経過してる個体もおりますしね。

業者さんからのご依頼はその業者の指示に従いますが
(お客様とのやりとり内容もありますので諸事情ございますし)、
個人でお持ち込みのエンドユーザー様の場合は
今後は地金まで総剥離して下地のチェックを必須とさせて戴きます。
塗って1年ちょいとかで穴開き開通とかしちゃっても
業者さんなら責任問題はショップかお客かという事になりますが、
個人持ち込みとなるとこちらがそのやりとりをしなければなりません。
塗って数年もしないウチに錆穴開通で塗装膨らんじゃうとか
お客さんも私も切な過ぎてイヤどす。

4月より入庫ストップして(個人はもう年内終了)
必死にこなして完成納品し続けて
やっと「出口」が見え始めました。
壁超えた手ごたえ感じてます。
もしかしたら秋口ロッドショー車輛入庫前に
ほんの僅かエンドユーザー受け付けるかもしれません。
ここ観た方だけに送る耳より情報でしたw