2023年10月13日金曜日

Roots Bloody Roots。

いきなりですがこれ、ペイント完了。





とは言っても信じてもらえないかもしれないので



今回は時間遡る逆回転でレポートしてみます(笑)

ダメージ与える1歩手前。
全体の艶引け加減をここで設定します。
この後風を受けて艶出ちゃう箇所とか
膝当たって艶出ちゃう箇所とか
そういうの再現していけばいいんす。

こっちが全体のトーン決める前のフレイムスまで吹いた直後。
一応年代物っぽく仕上げますが
あくまで半世紀前塗ったのはプロって設定で
この時点でフレイムスの段差とかは無くしておきます。

半世紀前だと追随性のあるラインテープとか無かったはずです。
なのでフレイムスは全体マスキングでアートナイフ抉り出しか
フレーハンド筆引きとなります。
今回はオーナーさんより薄く霞んだゴーストフレイムス希望でしたので
アートナイフ抉り出しエアブラシで施します。

ナイフ入れたら塗る場所捲ります。
ナイフを止める事無く全部緩やかな曲線で切れるか否かは
まぁ単に実績経験です。

フレイムスのパターンは勿論オーナーさんと打ち合わせ。



あ、そうだった。
今回のレポート遡るんだったwww

塗りたてすぐには出て来ないでしょうけど、
経年変化で出てきてオーナーさんが愉しめるように
最初の黒ベースの下地のサフェは
かなり目の粗いペーパーで縦傷意図的につけてます。
塗り重ねで今は埋もれて消えてますけど
数年たってクリアが程好く痩せてきたら
うっすらとこの一番下のスクラッチ出てくると思います。
逆に言えば普通のペイントはこのサフェの下地徹底的に造り込む事で
何年経過しても美しさを保つようにしています。
エイジングペイントならではの逆手に取った遊びですね。

で、これが最初に入庫した状態です。
これでウチでペイントしてるんだって
信じて戴けたでしょうかww


因みにエイジングではありますが
タンクのステーや裏側等は地金でPOR処理して万全を期しています。
タンク本来の役目を果たせなくなるようではダメなので
地金の防錆はしっかり施してます。
エイジングで施した錆はタンクの地金が錆びているワケではございません。
それをやっては本末転倒だと思っていますので。
錆び穴貫通して走行中にガス漏れとか
そんな事プロが誘導してはいけないのです。
タンクにはタンクの役目をしっかりやってもらう。
そして見た目はオーナーさんの好みで仕上げる。

オーナーさんより
「どこかに屋号入れてもらえますか?」と
嬉しいオーダー受けましたが、
これはこちらがお断りさせて戴きました。
SNSや近しい人はこれがたった今塗ったものだと知っていても
その他多くの人から見ればリアルサバイバーだって
そう思ってもらえたら面白いって遊んで戴けるように
敢えてウチの看板入れない方がリアルっすよ?、と。
STUPID CROWN現存する以上
これリアルサバイバーではないって事になっちゃうし(そうなんだけどもw)、
仮にウチの作品だとしてもあそこまでヤレるとか
むしろ私屋号掲げて何年仕事してんだよってなるし(ヨーダレベルの年齢)、
もっと言えばたいして年数経過してないのに
こんなにもペイントくたびれるとか
「あそこペイント下地へたくそぢゃね!?」
と思われちゃうとかwww
タイムふろしきかけて遊んだペイントには
敢えて屋号なんて無粋要らんのです(笑)

人の数ほど理想と終着点の数もあり。
Eさん、この度はご用命ありがとうございました♪