2022年3月20日日曜日

Bags & Trane。


1930年代の戦前車、NORTON16H。
例の如く水転写のトランスファーをクリア下に閉じ込めの作業。
何で成功したのか失敗したのかまるっきりデータ採れない例の作業。
今回はあっさりと成功した。
サフェ入れ・その後の凹み修正・もう一度サフェ・シルバー・黒と赤、
そしてトランスファー転写して固定してからのクリアコート。
長い時間と作業を支えてくれたマスキングをようやく剥がせます。

天面部のペイントするギリギリのところに凹みあったので、
今回はそこリカバリーしなきゃなので
若干本来のライン取りではない。

本来の忠実なライン取りはこっち。
まぁぱっと見普通にはわからない範疇ではあるが(笑)
こっちの方が手前部分若干スリムなのね。
今回のタンクそこに凹みのダメージあったので
ギリギリそこ覆い被さる様にペイントしてるのです。

ご開帳。
んでもって、今回何であっさり成功したのかはまるで理解らん。
というより同じ手法工程でやってもダメな時もあるので
本気で成功例のデータが一切採れん。
マヂで笑えるほど理解らん(苦笑)

ちょっと思い出したんだが、
15年くらい前、世間はまだMixiだった時代の話。
ペインターのコミュニティがあって、それは向学に良いと入会。
早速トランスファーの安定した成功例を尋ねてみたのだが
5千人近くメンバーがいてレスポンスまるでゼロ。

「ラメ吹くとブースの掃除大変よねー」「ねー」
みたいな当たり前な事しか喋ってるか作品自慢しかしてないので
1週間で速攻で退会した。
作品の自慢は自分でやるモンじゃねぇし
(依頼してくれたお客さんだろフツー)、
評価はショーとかのアワードとかで決めるものだろ。
間違いなく自分でするものではないww

今となって思うのだが、
英国のこのトランスファー供給してくれてるメーカーですら
「世界には稀にこれをウレタンクリアの下に閉じ込める事に成功したペインターがいます。
んが、ウチではそれやって失敗してもビタ一文責任取らんよ」
と、堂々とサイトで謳っていらっしゃるので、
要するに私はその世界の稀なペインターなんだと悟る(笑)

正直理詰めで合理的且つ正確に作業が出来ないこのトランスファー。
成功しても嬉しさも湧かないし励みにもならない。
だって何で成功したのかまるっきり理解らないんだもの(苦笑)

なのでここで明言しよう。
本来このトランスファーはその薄さから
気軽に塗装の上から貼って使うものなんだよ、と。
それで擦れて剥げてきたらガムテープとか貼って全部ひっぺがして
また気軽に上から貼り直せばいい代物なのだよ、と。
だから今では現存台数絶対的に少ない車輛、
例えばRex AcmeとかOK Supremeみたいなメーカーのトランスファーも
未だに販売してるって事よ。
ウレタンで閉じ込めて向こう30年は維持可能になっちゃったら
そんな希少なメーカーのトランスファー、もう販売してないってwww

これウレタンクリアの下に閉じ込めたいというオーダーは正直金額高いよ。
運を天に任せる作業に費やす労力はそれなりの対価戴きます。
でないと私の精神が持ちませぬ(苦笑)


「それでも」という方がいれば
私も精神削ぎ落して頑張ります。