2019年4月25日木曜日

1930y Terrot Motorcycle。


4年前、Oさんより持ち込まれた
1930年製フランスのモーターサイクルTerrotのレストアをスタートさせ、
半年を費やして完成したのだが、
あれから4年経ってOさんは真鍮で出来ているタンクの特性を活かして、
日本の再生職人さん達の腕も信じてくれて、
グッサグサだったゴミコンディションのタンク持ち込んできて、


メタルワークは概ねアトリエツネナガのツネちゃん。
底板が鉄製で異母材同士を当時のタンクらしく

ハンダで溶着されているのです。
まぁまだ溶接というものがこの世に存在していない時代だったからこそ
こんな異母材のチョイスが存在したんだと思います。
ワタシの知ってる限り(レストア手掛けた限り)では、
真鍮ボディ採用していたのは
このフランスのTerrotとイギリスのブラフシューペリアだけですね。

ハンダ部分は下手に弄らない方が良いので、
そこを避けて切開、内側からハンマリングで地金馴らし。
その後Tigで再溶接なんですが、
Tigの熱で他のハンダが溶解してしまうので
それはそれは難易度の高いウェルディングだったそうです(苦笑)

で、上がって来たタンクの真鍮をとことんまで磨き込み。
ハンマーの手仕事の雪平鍋みたいな凹凸は残しつつ。
その方がよりPre Warっぽいですからね。




こんなカスタムタンクまで仕立てちゃう様になったよ。
あ、勿論Oさんは純正の希少性に敬意を表して
敢えてゴミ同然のタンク引っ張ってきたのですよ。
純正タンクには間違いないけど、
純正はメッキ処理の上に青か黒の塗り分けだったから、
この真鍮ベアメタルはカスタムと言っていいんじゃないかな。