2025年10月19日日曜日

You Will Never Be One Of Us。

我がGUZZI。
ハンドクラッチに戻すべくケンタの所へ持ち込んだのが2月。
そしてJOINTS終わって取り掛かってくれたのが4月。
が、どういうワケだか1速入るけど以降入らない。
シフトダウン出来るけどアップがまるで出来ない。
という事でミッションをYOKO TECHよこっつに診断してもらう。

すると後日、アウトプットシャフトのこんな画像来た。

ねじ切れてるやんけ・・・・・
幸い純正出たから新品調達出来たけどさ。
よこっつも組んだメカに問い合わせたんだとさ。
そしたら「そんなになってなかった」、と。

私、完成してからまだ180㎞そこらしか走ってないんだけど。
180㎞でこうなるんですかそうですかそうですかw

まぁいいよ、新品出たし。

無事なミッションもフリクション軽減させるべく
全てにWPC加工施す。
2度と開けなくていいように、で念の為ね。
また降ろして繰り返す事考えれば安いものだ。
で、我々業者はWPC加工の驚異を身をもって知っているし。

ただ、新品でもさっさと組めないのが海外メーカー。
縦溝のスプラインがキッツキツでギア組めない(苦笑)
よこっつが超絶慎重に縦溝開口してくれた。
1/100単位の匠の技あざっす。

で、精度出しながら組付けてくれる。

ねじ切れてないミッション完成。

んが、組んでみてチェックしたところ
全然調子よくない。
クラッチが全く切れていない事がここで判明。
またミッション降ろす。
先に組んだメカにまた問い合わせる。
「新品に変えてあるよ」
画像観る限りそれは事実っぽい。
メーカーの刻印まだ擦り切れずに残ってるからね。
じゃあ何が原因なんだろう?

よこっつが検証して理由が判明。
GUZZI純正クラッチは新品で厚さ8㎜。
交換時期の摩耗で7.5㎜。
で、この新品クラッチ7.3㎜しかない
(´・ω・`)

新品不良品だけど、前のメカ試走してないのね。
試走すれば1発でわかるクラッチミートじゃん。
ハンドチェンジそんなに乗りたくなかったって事でしょうね。
私ゃ仕上がりに信頼置いてたからさ、
「単板クラッチってこんなにシビアなんかな」って思っちゃってたよ。
脚操作のロッカーで数ミリ単位の超スパルタンな駆動だったもの。
てっきり私がハンドチェンジ下手になったのかと自分責めちゃったよ。
でも考えてみれば私お客さんのハンドチェンジ当たり前に乗ってるやん。
ジョッキーでもスーサイドクラッチでも問題なく乗ってたやん。
イベント出展でお台場とか横浜まで余裕で移動してたやん。

自分責め過ぎて違和感に気付かなかったわ。
というより先に組んだメカ信用し過ぎてたわ。

で、クラッチプレートから組み替えるんだが、
旧来のギアだと歯が微妙にきっちりしてない。
どうやら生産途中からより綺麗に嚙み込める対策品に変わったらしい。
こっちが新品クラッチに従来スプラインのコンビ。
よこっつ×つけてるね。

こっちがどちらも対策品で組んだクラッチ。
ギアの歯がしっかり奥まで噛み込んでるのがよくわかる。

対策品の方が遥かに良いのは誰が観ても明らかなので
よこっつがどっちも対策品コンビで組んでくれた。

という事で今後どちらも対策品に対応の車輛となりんした。

細かい所だけど大切な今後へのアップデートですからね。


それに伴いクラッチ組み込みの為の特殊工具もこさえてくれる。




途中よこっつ夏休みとって沖縄行ったので
(ワークライフバランスまるで無い業界だからむしろもっと休めw)
私のGUZZIレポートいいから沖縄レポートしてくれ書いたら
ブチキレられたりしながらw

ケンタのところ持ち込んでから半年。
紆余曲折あってようやくまともに走れるようになった我がGUZZI。

「もう2度と来るなよ」
と揶揄されつつ(笑)

立川戻ろうか、GUZZI。
やべぇ、ちゃんと半クラ使える泣きそう。
ってかそれが普通のバイクなんだけどwww


半年ぶりにおかえり、GUZZI。

リアのフェンダースカートも半年ぶりに装着。

よこっつ、ホントありがとね。
ハンドクラッチ&フットチェンジ化(まぁ純正に戻っただけだけど)、これにて完璧に終了。
ケンタのこさえたフットチェンジ廻りも何ら問題ないばかりか、むしろスムーズでフラストレーション皆無。流石だよケンタ。
2人共ありがとう。
2人共完璧っす。


ロクにシフトチェンジしないGUZZIとそれに伴う諸々で、
一旦嫌気さして売っぱなっちまおうかと自暴自棄になってバイク嫌いになったが、
「53にもなって厨二病こじらせるな」と同い年のよこっつに諭され、ウチを離れて半年。
ようやく普通に乗れる単車に仕上がったよ。


帰り調子最高だが夕方の帰宅ラッシュに飲み込まれて、
私の左手(クラッチ)がイカれて何度も路上で休憩かまし、
途中H's clothingさん初訪問なのに左手限界で立ち寄ったら
凄く良く対応してくださったり、
モーターサイクルの良さ何だか噛み締めながら帰宅しました。




バーターは私個人の理想求めたらダメ。
それは完膚なきまでに己だけの願望。
先方が「こんなもん」思ったら、結果は「それ」でしかない。
そこで一喜一憂するのは己の勝手に過ぎないと思ってる。
でも乗ってみたらケンタの「それ」はこっちの期待以上だった。
よこっつはバーターではないけど、より完璧な精度と技術をもってして応えてくれた。
2人がいなかったら私単車降りてたと思う。
本当にありがとう、ありがとう。
さて、半年の間に結構くたびれたね、お前。
今日は酒呑みながら磨いてリフレッシュしてやろうと思う。











2025年10月15日水曜日

労働軍神。

久々に業者間で色々交流交える
「たまに多摩に集う会」やりましたよ。

2輪・4輪。
旧車・現行。
ペイント・メカニック・エディター。

前回催したの2018年だったんやね。
コロナ挟んで久しぶりの宴っした。

最後に催した時結構な大人数で(30名オーバー)、
そうなると終始固まっちゃって交流してないただの飲み会だったし、
人数いるのが目的じゃないからね。
今回は初心に戻ってほぼ多摩地区オンリーで。
でも右の人長野の茅野から参加したんだけど(笑)

Photo by職質のプロ、ヒゲ君(今年8回拿捕されてる)。
ここバス通りで運行終了してる時間だって説明ないと
私含め前歩いてる3人完全にチンピラだぎゃw

また来年企画しますねん。
さて、ワークライフバランスなんか最初から持ち合わせてない面々、
また猛烈に仕事こなしていきましょうかいの(笑)




2025年10月13日月曜日

夜来香。

10年以上前にVelocetteペイントご用命頂いたNさん。
お久しぶりでございまする。
今回はどういったご用命で?

こちらのいい感じでヤラれてる戦前のお椀型ヘルメットを

こんな感じでStainedさせる事って可能ですか?
ちょっと観えない場所で溶剤のパッチテスト施してみて
大丈夫そうだったのでお預かり。

4色(4本)エアブラシ駆使してるので
途中過程撮ってる場合じゃなかったので
いきなりですが完成(笑)



元のダメージと汚れを最大限活かして
ほんのちょっと濃淡でエイジングを演出して
艶もぼかして年相応に馴染ませてフィニッシュです。
絶対元からこうだったとしか思われないと思います。
ここで晒しちゃっますけどもw


喜んで戴いての納品でした。
Nさんまたのご用命ありがとうございました!


英国車だからGミラーとかビッグバンドジャズの方が合うんでしょうけど、
同じ戦中戦前の李香蘭をチョイスさせてください(笑)
「支那の夜」「蘇州夜曲」も好きですがこれも好きな曲です。

Black And White。

昨年発売されたばかりのBMW R12。
ペイントのご相談でご来訪。
黒ベースに白の子持ちラインというご希望。
BMWの定番中の定番のあれですね。
確かにR9Tでもそれペイントしましたが、
このR12の造形ではどうだろ?と思いまして。
で、お客さんにご提案。
「あっ!それいいですね!!それでお願いします!!」
ご提案は流れの後に。

「いつから入庫させればいいです?」
「新車だし現行だし下地問題なさそうですからね。
丁度今ロッドショー前で比較的空いている状況ではあります」
「なら今日このまま置いていきます!!」
おおぅ、納車されたばかりで1000㎞点検行った後
そのままペイントでお預かりか(笑)
んでは早速取り掛からせて戴きますね。

で、夜には外装降ろし。
現行だからネジ全部トルクス。
工具用意しておいてよかった(笑)

で、タンク降ろした。
現行フューエル以外も色々タンクとアクセスしてて結構大変。

お預かり時
「これガソリンどれくらい入ってます?」
「すみません、まぁまぁ入ってます」
この大きさでまぁまぁだと15ℓは入ってるかな、で抜いてみたら
10ℓにも及ばない量しか出てこなかった。
裏観たらバッテリーやらエアクリーナーやらモジュールやら
それら避ける為のエグリが凄かった。
オーナーさんに確認したら
「満タンでも15ちょいくらいです」
ひょえー。
こんな大きなガタイしてて容量少ないのね。
でもってその容量で大型車のこれでツーリング行っても心配ないのね。
燃費いいんだなぁ。

この黄色と黒のグラフィック、デカールなんでしょ?
と思いながら剥いでみて驚き。
これ、メーカーで塗り分けなん!?
しかもこれ、申し訳ないけど大した発色のイエローじゃないから
隠蔽の強いオキサイドイエローとかオーカーとかでいいやん。
なのに下地に白塗ってから黄色塗ってるがや。
メーカー純正で人が塗り分けでペイントしてるって事に驚いた。

更に驚愕したのがタンク上面。
純正でパテ盛ってある。
21世紀にもなったご時世でメーカー純正でパテ、だと!?
ちょっと意味がわからない(苦笑)

全部剥いて謎が判明。
このタンク、上面真ん中で溶接されてる構造なのね。
だから念の為パテ盛ってあったのか。
とはいえメーカーの溶接だからレーザーみたいに綺麗。
こんなのサフェで余裕で埋まるしまっすぐになる。
あ、メーカーではそこは薄い膜のウォッシュプライマーだものね。
だからパテ入れてたやね。

このR12で使われてるEg他にも形違いのラインナップ結構あるようなので
もしかしたら販売状況様子見してこの工程なのかも。
これで販売好調であれば正式に金型作って量産なのかもしれない。

しかし21世紀になって純正でパテとはね。
50年代のイタリア車は純正でパテ堂々と盛られてる事あるから
まぁそこまで驚きはしないけども。

というワケで現行だから下地に問題あろうはずもなく
ちゃっちゃと進めていきましょう。


で、完成(笑)
現行で下地無問題だから早いのよ。
それ位旧車は下地大変って事っす。






一瞬塗り終えて
「あっやべぇっ、これSUZUKIのGT750に似ちゃったかも」思ったが、
過去ギャラリー観たらそうでもなかった。
安心したw

これ、お客さんに提案させてもらったの、
「どうせならBMW初の量産型だったR32モチーフにしてみませんか?」
だったのです。
お客さんに画像見せたら「いいですねこれ!!」となりまして。



R9Tってリアフェンダーないのでそうは考えなかったのですが、
このR12グラマラスなリアフェンダーだったので
ここにR32の塗り分けスキーム落とし込んだら似合うな、と。


淵まで回り込んだ太めのホワイトと子持ちライン。
BMW初のモーターサイクルへのオマージュ。
もしかしたらウチのペイントの方が
元よりBMWらしいんじゃないかと(笑)

H様、即決でのご入庫とご用命
ありがとうございました!!