2025年10月13日月曜日

Black And White。

昨年発売されたばかりのBMW R12。
ペイントのご相談でご来訪。
黒ベースに白の子持ちラインというご希望。
BMWの定番中の定番のあれですね。
確かにR9Tでもそれペイントしましたが、
このR12の造形ではどうだろ?と思いまして。
で、お客さんにご提案。
「あっ!それいいですね!!それでお願いします!!」
ご提案は流れの後に。

「いつから入庫させればいいです?」
「新車だし現行だし下地問題なさそうですからね。
丁度今ロッドショー前で比較的空いている状況ではあります」
「なら今日このまま置いていきます!!」
おおぅ、納車されたばかりで1000㎞点検行った後
そのままペイントでお預かりか(笑)
んでは早速取り掛からせて戴きますね。

で、夜には外装降ろし。
現行だからネジ全部トルクス。
工具用意しておいてよかった(笑)

で、タンク降ろした。
現行フューエル以外も色々タンクとアクセスしてて結構大変。

お預かり時
「これガソリンどれくらい入ってます?」
「すみません、まぁまぁ入ってます」
この大きさでまぁまぁだと15ℓは入ってるかな、で抜いてみたら
10ℓにも及ばない量しか出てこなかった。
裏観たらバッテリーやらエアクリーナーやらモジュールやら
それら避ける為のエグリが凄かった。
オーナーさんに確認したら
「満タンでも15ちょいくらいです」
ひょえー。
こんな大きなガタイしてて容量少ないのね。
でもってその容量で大型車のこれでツーリング行っても心配ないのね。
燃費いいんだなぁ。

この黄色と黒のグラフィック、デカールなんでしょ?
と思いながら剥いでみて驚き。
これ、メーカーで塗り分けなん!?
しかもこれ、申し訳ないけど大した発色のイエローじゃないから
隠蔽の強いオキサイドイエローとかオーカーとかでいいやん。
なのに下地に白塗ってから黄色塗ってるがや。
メーカー純正で人が塗り分けでペイントしてるって事に驚いた。

更に驚愕したのがタンク上面。
純正でパテ盛ってある。
21世紀にもなったご時世でメーカー純正でパテ、だと!?
ちょっと意味がわからない(苦笑)

全部剥いて謎が判明。
このタンク、上面真ん中で溶接されてる構造なのね。
だから念の為パテ盛ってあったのか。
とはいえメーカーの溶接だからレーザーみたいに綺麗。
こんなのサフェで余裕で埋まるしまっすぐになる。
あ、メーカーではそこは薄い膜のウォッシュプライマーだものね。
だからパテ入れてたやね。

このR12で使われてるEg他にも形違いのラインナップ結構あるようなので
もしかしたら販売状況様子見してこの工程なのかも。
これで販売好調であれば正式に金型作って量産なのかもしれない。

しかし21世紀になって純正でパテとはね。
50年代のイタリア車は純正でパテ堂々と盛られてる事あるから
まぁそこまで驚きはしないけども。

というワケで現行だから下地に問題あろうはずもなく
ちゃっちゃと進めていきましょう。


で、完成(笑)
現行で下地無問題だから早いのよ。
それ位旧車は下地大変って事っす。






一瞬塗り終えて
「あっやべぇっ、これSUZUKIのGT750に似ちゃったかも」思ったが、
過去ギャラリー観たらそうでもなかった。
安心したw

これ、お客さんに提案させてもらったの、
「どうせならBMW初の量産型だったR32モチーフにしてみませんか?」
だったのです。
お客さんに画像見せたら「いいですねこれ!!」となりまして。



R9Tってリアフェンダーないのでそうは考えなかったのですが、
このR12グラマラスなリアフェンダーだったので
ここにR32の塗り分けスキーム落とし込んだら似合うな、と。


淵まで回り込んだ太めのホワイトと子持ちライン。
BMW初のモーターサイクルへのオマージュ。
もしかしたらウチのペイントの方が
元よりBMWらしいんじゃないかと(笑)

H様、即決でのご入庫とご用命
ありがとうございました!!