SR400の1992年限定カラー
「ミヤビマルーン」の再生ペイントのご依頼。
長年大切に乗っていたが
ニーパッド剥がそうとした時クリアが負けて剥離。
ショックでかなり落ち込んだそうで
再生ペイントを承った次第。
先ずはがっつり採寸。
結構内側に落とし込まれているのね。
タンク上のコーションラベルと
なるほど、わかりました(渡辺篤史の建物探訪風)。
では色データ採ったら剥離します。
屋内保管と訊いていたので剥いてみても問題一切無し。
30年経過を考えても素晴らしいコンディション。
少し経年で細かいひび割れの生じている立体エンブレム、
この2点はオーナーと共に歩んできた歴史なので
今回どちらも残します。
どちらも現在でも入手出来るものですが
そこはオーナー様の歩んできた人生ありますからね。
無事にエンブレムも取れましたから残す方向で。
下地が痛み激しい場合は残すの断る場合もあります。
コーションの下の地金も傷んでいる場合もありますからね。
その場合は剥離磨きの工程を選ばせてもらう事もあります。
こんなの戦前車ばかりやってる私からすれば
このミヤビマルーン、預かってから判明したのですが
このアイボリー、3コートパールなんです。
実物観て煌めくパールに気付き
「わ、これこの部分3コートパールやんけ」と。
上のコーション埋める工程もあるし
3コートパール重ね塗りで塗膜厚くなるので
純正だとマルーン塗ってアイボリーのグラフィック貼り付けなんですが
今回は塗り重ねの厚さ鑑みて逆の工程で。
預かり前の概算から3コートと判明したところで
概算も仕切り直しで少々割り増しになりましたが
オーナー様ご理解戴き本当に感謝です。
こればかりは現物観ないと判断つかないのです。
紛れもなくカスタムペイントではありますので、
アイボリーが実は3コートパールという事もあり
代わり映えしないフィニッシュなのにまぁまぁの高額ですから、
しっかりクリア下に埋没して今後劣化しません。
思えばもう30年越えの外装。
今後はこういう純正戻しのご依頼も増えるかもしれません。
SRもそういう車種になりつつあるという事です。
或る種カスタムペイントではありますが、
元の色と採寸尊守という点では
自由度よりもシステマティックな技術が必要となります。
「え!?このバイク〇〇〇万円で買ったの!?
こんなの昔解体屋でタダだったよ!?」
こんなの昔解体屋でタダだったよ!?」
「え!?このタンク塗ったの!?
ネットにこんなのゴロゴロしてるんじゃない!?」
ネットにこんなのゴロゴロしてるんじゃない!?」
この辺の言葉出る人、老害です。
だったらそのベースをタダで持ち込んでみせてくださしよ。
年月は着々と重ねているものなのです。
昔ゴロゴロあったものも今はそうでもないものなのです。
ま、偉そうに言いましたがかく言う私も
たまにこれに似た発言脊髄反射でかましそうになって
ギリのところで慌てて抑え込んでいるフシもございます(笑)
N様、この度はご用命ありがとうございました。
30年以上前でこのサウンド。
もっと現代で評価されても良いと思う。