2020年12月9日水曜日

シルバーショットガン。

I様よりオーダー戴いたヘルメット。
I様は以前DUCATIのシルバーショットガンの外装でもオーダー戴きまして、
それに合わせてヘルメットもシルバーフレークでというオーダーです。
「でしたら元からフレークのBUCOなんかのヘルメットで始めると
予算が大幅に抑えられますよ」
「いえ、あの年代のショットガンみたいなフレークが欲しいので、
敢えてフレークからお願いしたいのですが」
おおぉ、了解しました。
ではあの頃のペイントフレークの様な、
フレークとフレークが重なり合う様な奥行きのあるペイント、しましょう。
でまぁ、それがこの時の投稿だったんですけどね。
ではここから続きを作業して参りましょう。


多重フレークを埋めるのに凄い量吹いたクリアを
凸凹段差無くなるまで全部ガンガンに砥ぎます。
砥いでフレークが頭出しては本末転倒なので、
どんなに砥いでも大丈夫な回数クリア攻めします。
参考までにソリッドペイントでウチではクリアは3コート。
フレークは埋めるだけの作業で8コート。
料金がソリッドとは桁違いなのはこれでお分かりいただけるかと。

I様よりオーダーのあったグラフィック2種。
旧体フォントのDUCATIロゴとデスモドロミック機構のイラスト。
これをメットにインストールしていきます。

メット後部にデスモ機構のイラストをアウトラインカットアウトで。

フロントはおでこ部分にドカのロゴをセット。

こちらもトレースして

カットアウトしてスタンバイ。

デスモは銅箔を使用。
銀箔だとシルバーフレークの下地と同化してしまうし、
金箔だと少し色味が邪魔。
内燃機にはリン青銅やベリリウム銅使われますので、銅箔がぴったりかな、と。
まぁイラスト部分のメタルは鍛造鉄で銅ではないんですけどもww

デスモドロミック機構については一般の方々なら
特に知らなくても人生何も問題ないのでご安心ください。
これの知識集めるよりも、京たこ食べてる方が人生遥かに幸せですwww
男というのはこういうものにロマン感じてしまうものなのです。
それは私も然り、です(笑)
あ、でも業者は知らないと恥かきますよ。



DUCATIロゴはアウトラインの黒からやりましょうね。

これでまた保険かけて一旦クリアコート。

次の最終工程までこのまま3日以上は放置お休みです。
ペイントはとにかく「忍耐」、です。
仕上がりが愉しみ過ぎて作業せっついた人はほぼ失敗します。
私クラスになると「本当は早く進めたい」を封じ込めるとか通り越して、
本気で「忘却する」というレベルにまで達していますw
というより、他の預りにすぐに脳内がスイッチするので、
本気で3日以上「忘却」出来る感じです。
早い話、仕事に追われております(苦笑)


で、すんません。いきなり完成w


元から両サイドにピンバッジが付いていたメット。
今回そのピンバッジ穴を塞ぐのではなく、
DUCATI関連のピンバッジにリロケート。

知り得る限り最強のエポキシで固定しましたので、
多分普段使いでは取れないかと思います。

DESMO機構のイラスト、中々良いなぁ♪

思えば20代あたまの時参加したビンテージモーターサイクルのツーリング。
そこに沢山いたのがDUCATIのシングルでした。
リペイントされて澄み切ったシルバーフレークのショットガンもカッコ良かったし、
色褪せて日焼けしてシャンパンゴールドになってる個体もカッコ良かった。
どっちがいいとかじゃない、どちらもそれぞれ素晴らしい。

そして正統派イエローデスモも正しくカッコいい♪
まぁやはり憧れた車体ではありました。

ペインターになり、縁があって私の元に来たスクランブラー。
来た時Egとフレームだけだったという事と、
仕事でイエローもシルバーもいっぱい塗ってきちゃったので、
事もあろうに自分の車体やる時に飽きちゃったwww
「私のだし仕事の研究勉強の為にも色々やっちゃえ」で、
こんな姿になっちゃった我がクソビッチ。
Egもライトチューンしちゃって
吸排気系もPWKと筒抜けマフラーになっちゃってるから
レスポンスも別物になっちゃった文字通りのクソビッチ(苦笑)

でも正統派のレストアペイントでご評価頂いている今だからこそ、
自分のはここまで傾奇者になったペイントでもいいのかな、とは思ってます。
いいじゃん俺んだし♪正統派いっぱいいるなら俺のはこれでいいや♪って。
だから街中で並んだフュージョン乗ってる若者に
「凄っげぇ弄ってますね!!そのエストレヤ!!」
って言われちゃうんだけどもwww

I様お待たせしました。
完全硬化終わりましたら発送させて戴きますね。
再三のご用命、ありがとうございました♪
コロナで今年は開催されませんでしたが、
また「シングルドカミーティング」でお会いしましょう!