2020年6月30日火曜日

あの時結婚した青年と再び。

前に掲載した、15年以上前に結婚式のウェルカムボードならぬ
ウェルカムタンクを依頼してくれた関塚君

独立開業して店の「顔」になるマシンを製作すべく、
今回こうして今度は同じショップ主同士という立場で再びご依頼を。

が、時がコロナショックに陥り。
キャンディカラー塗料が国内在庫がきれてしまい、
しかし当のアメリカが完全にロックダウン。
船便の到着を待つこと数か月。

更に日本に陸揚げされてコンテナ封切りに1か月。
待望のキャンディ塗料が全色揃ったのが6月あたま。
キャンディ待ちで一体幾つものオーダーが止まったままだったか。
色々一気に仕上げていく事にしよう。
体力持つ限り。


段違いで色の違うキャンディカラーなので
1色終わるたびに慎重なマスキング。
キャンディなので少しでも隙間あって色が侵入すれば終わり。
もう一度やり直しになるので猛烈に神経を使う。

イエロー吹いたら慎重に徹底的にマスキングして次の色。

十分に乾燥させて同じくマスキング。
これを繰り返して下の段へと作業を移していく。


どんどんマスキングまみれになっていく。
が、剥がす際スムーズに除去出来るように「パターン」を作っておく。
同じ手順で貼っていけば、どの段でも同じ要領になるので、
剥がす際にトラブルも出にくくなるし、
違った時に蓄積されていく苛立ちを極力抑える為でもある。
苛立ちがペイントの最大の「敵」なのである。


シートカウルも同じ手順。とにかく平常心。
今徹底的に慎重にやっておけば後半の疲弊してる自分が楽になる。
未来の自分への「優しさ」にこだわって作業していく(笑)

最大のキモだったのがタンク。
ここが車体の前から後ろへと色が変わる「見せ場」なので。
だがマスキングしちゃうので、上下の色のグラデーション位置がわからなくなる。
もうここからは意識の集中。記憶が頼り。
並びで美しく見える位置に美しく見える長さで色ぼかしさせていく。
イエローグリーンなんかは「馴染み」が良いのでちょっと多めにオーバーラップ。
赤から青もそうですね、紫が美しいのでやはり多め。
だがオレンジグリーンはあんまり相性が良いとは言えない。
なのでこれだけはストローク極力短めで綺麗にチェンジさせる。

まぁこんな感じの作業をして最後にクリア吹いて段差取り。
取るの難しければ無理をせず下が出るギリギリでやめといてもう1回クリア。
こうしてミラーフィニッシュとなるワケです。
この車体の場合キャンディ部分の下地にフレーク使用しているので
否応なしに2回クリアですね(苦笑)

 完成。
狙った通りのグラデーション出て安心しましたわ。


ね、キャンディの下にキラキラのフレークいるでしょ?
因みにホワイト部分もパールです。



これでようやく納品となりまする。

五日市、奥多摩へと続く道沿いに店を構える関塚君。
ホント待たせてすみませんでした。



関塚君の狙いは
KAWASAKI特有の男臭さではなく、女性でも乗れそうな綺麗な車体。
小綺麗で品良くまとまったZ400FX。
うん、いいと思います♪

15年経て、またこうして素敵な依頼をご用命。
凄く職人冥利に尽きる話ですよホント。
続けてて良かったと本当にワタシも思いました。
ご用命ありがとうございました♪

モーターパークm'z
 東京都あきる野市五日市44