2019年1月9日水曜日

1930y TERROT350 Tank。

新年1発目のヘヴィプロジェクト。
1930年フランス製TERROT350(HSTだったっけかな?)
以前レストアご依頼してくださったオーナーのOさんが、
「この車種の最大の特徴である真鍮のタンクを活かせないだろうか」
という遊び心を思いつき、
あんま程度の宜しくないタンクを海外より引っ張って来て、
底板分離して凹み叩き出して再び再溶接していざ表面の磨き上げフィニッシュではあるのですが、
このTerrot底板はスチールでして、
異母材同士を銅リベットと戦前特有のハンダで溶着している構成なのです。


今回このリベットとハンダの解除は危険であろうと判断したので
スチール部分をカットして作業したのですが、
これの溶接を担当したツネちゃんが大変苦労しまして。
というのもTig溶接の膨大な熱量で至る所からハンダがメルトダウンしてしまい、
それが溶接棒と融合して合金化してしまい、
あれだけ何でもこなすツネちゃんがやったとは思えない溶接を観て、
その苦労っぷりが伺えて涙出てくる状態(笑)

ですのでここからはスレッドワーク(鈑金ハンダ)に慣れているワタシにバトンタッチです。

そこらじゅうに炙り出てきたフラックス除去だけでも相当に一苦労ですが、
ワタシが知る限りボディが真鍮で出来ているタンクというのは
ブラフシューペリアとこのTerrotだけですので、
この真鍮バフ掛けでフィニッシュが成功となればワタシも仕上がりが愉しみではあります。



平成も今年で終わるというのに
Pre War(戦前)弄って奮闘しているウチは大丈夫なんでしょうか(苦笑)


4年前のTERROTフルレストアの記録はよろしければこちらをどうぞ。
「TERROTという名のモーターサイクル」