2018年4月2日月曜日

KAWASAKI Z1-R。







KAWASAKI Z1Rフルレストア。
カラーリングは奇跡的にも前のペインターが横着してエンブレムマスキングで塗ってたので、
その部分にオリジナルが残っていましたので、
貴重なサンプルとして(日焼けもしてない)データ採って調色。

慎重にG17ボンド剥がして発掘作業です(苦笑)


勿論フルレストアですので地金まで剥いて
下地のコンディションや錆まで全部チェック&対応。

ここまできっちり剥いてからだと
直線的なエッジが特徴の角Zのシャープさが綺麗に復活します。

フェンダーの裏側は中々に錆が進行しております。
その要因は脱着すると理解ります(後述しますね)。


無論がっつり錆除去して腐食箇所撤去して


半世紀は大丈夫であるようにPOR15をしっかり鉄板合わせ面にも染み込む様に塗布。
PORは上塗りの食いつきが悪いので表面にはあまり適していませんが
(更に紫外線にあたると変色して性能も著しく劣化する)、

裏側なら紫外線も当たらないし適材適所ですね。
同じようにタンクのトンネル部分もPOR処理です。

で、問題がこのライン。
純正でもライン幅は色々とあるようで、
2本ラインは同じですがピッチが1.5㎜と2㎜と諸説諸々。
この1年だけ製造の初期型はどうやら1.5㎜だったようでそれで仕上げたのですが、
この1.5㎜というのが我々ウレタンペイントに耐えうる
ビニール製のマスキングテープがこの世に存在してません。
ホビー用のクレープ紙のしかないんですね。

で、これだと溶剤染み込んでテープの糊残るわ、
紙だからアールのラインがポリゴンになるわで、
正直使い物にならない。

また、ライン両者の幅も1.5㎜では片方塗ってマスキングにもあまりにも狭く、
どうにもこうにも全てが難しい。。。

今回はオーナー様の意向でラインの段差無しで鏡面仕上げでという事、
そしてラインの色が2色ともソリッドだったのもあって、
超絶緊張の筆引きで施しました。

これ、どっちかの色がメタリックだったら筆ムラ出ますし
(英車なんかはそれが純正なんでいいんですが)、
片方筆で片方エアブラシとなると
一旦それぞれの作業でクリア入れて保険かけないといけないので、
そうなるとオリジナルのデカールの様な段差残して欲しいは不可能
(鏡面以外選択肢なし)となります。

というより、この幅のタイト過ぎる狭さは恐ろしく精神負担大きいので、
今後は「2㎜が限界」で余程でない限りペイントでは無理(筆なら何とかいける、か?
と判断した方が良いかもしれません。




で、フロントフェンダーが裏側結構錆びてた理由。
Z、純正なのにフロントフェンダーはタイヤもキャリパーも外すどころか、
リフトアップする為にマフラーもエキパイも降ろさなきゃならない。
まぁバイクリフトあればリア荷重にして出来なくもないでしょうけど、
この車両バンス管でセンタースタンド無いからやっぱ無理だろう(苦笑)

フェンダーに傷付かない様にマスキングテープ養生で貼ったんだけど、
そのテープの肉厚ですらオーバーしてて組み込めない。
何これ予想以上にタイトで辛い(´;ω;`)
要は組んだらもうあんま降ろしたくない組付けなんですね、これ。
外そうとしたら必ず塗装傷入れますから、お店もそんなの外したくはないでしょうw

A様永らくお待たせしました。
丁度春です、愉しいモーターライフを!!