2017年4月8日土曜日

GUZZI製作記 アトリエツネナガ編

MOTO GUZZI850EL DORADO(エルドラド)
カスタム製作記、細々と淡々と続きまする。

2017年。
遂に我がGUZZI本腰入れての製作に取り掛かる為
先ずはリアセクション完成すべく
アトリエツネナガへ入庫となる。

ツネちゃんが最初に手掛けたのはリアエンドのループフレーム。
手曲げで製作していく。

「Muneさんと奥さんの二人の命預かりますからね。
しっかり造りますよ」
ツネちゃんのしっかりがどれだけクオリティ高いのか知ってるので
頼もしい限りです。


元パイプにきっちりしっかり嵌め込む形でループが完成。
エンド位置を打合わせして本溶接。

左右でバランスを取りつつ角度を観つつきっちり挿し込む。
本来左右別で造ってほんの少しのズレをエンドで溶接して調整して、って
そっちの方が簡単で辻褄合わせも楽。
だけど先に述べたツネちゃんの本気。命預かる重み。
だからこの非常に難しくて難度の高い嵌め込みで仕上げてくれた。
それ自身がインロウにもなっている堅牢なループエンドが完成。

次にリアフェンダーの加工。
先ずは錆びてくたびれた地金を磨きでリフレッシュ。

元々見た目に反して薄くてペナペナなGUZZIのフェンダー。
裏側に補強で3.5tのフラットバーを溶接してくれている。

もうこれだけでハーレーのFLあたりと変わらない強度になった(byツネちゃん)。
で、ここでふと気が付く。
ノーマルのEL DORADOでも深く被ったフェンダーだけど
これって例えばタイヤパンクした時とかってリアホイール脱着どうしてんだろ?
疑問に思ったので46さんにTel。
「うん、純正でもリアホイールはフェンダーあると降ろせないから
バイクリフトで後ろはみ出させて持ち上げて下に抜くしかないんだよね」
あー、やっぱそうか。
このGUZZIはロングも気兼ねなく行きたいコンセプトなんだよね。
遠い出先でこの交換のネックで作業拒否とかされそうな気がするなぁ。
まぁ外車でしかも旧車となれば門前払いも多そうだけどね(苦笑)
で、ちょっと考えた末、後ろを分割出来る様にしてもらった。

古いBMWみたいに蝶ヒンジ使って跳ね上げ式も考えたけど
ワタシは最後にリアキャリア装着する予定なので
跳ね上げたところでキャリアあっちゃぁ上がんないわな、と考慮して
潔くパカーンと取れちゃう分割式にしてもらった(笑)

理解る人が見ればすぐに指摘されそうだが
「これだけ(3点)ボルトマウントで大丈夫?」って思われそうですが、
更にパネルも付くのでこれ以上のマウントはオーバースペックになりそうなので
取りあえずこれでOK。

で、いよいよフレームとリアフェンダーがドッキング。

リアフェンダー前部のマウントステーはこんな感じ。
中央に這わせた3.5tの帯鉄にジョイントすべく3点で申し分ないマウント。

後ろは2点。勿論裏側にナット溶接してあるので脱着は凄く容易。

で、リアホイール降ろしたい時にこうやってフェンダーが分離できる様に。

パッカーン(笑)

これならスタンドで少しリア持ち上げれば
ホイールへのアクセスも凄く楽だろう。
フェンダーの切れ目の「ちり」は確かに少し出るけども、
元々旧車もその辺ちりがぴったりなモノなんて皆無だから
ワタシは逆にこのちりをそれっぽいと解釈しまするw

タンクも最終的にきっちりマウントしてくれた。

元々のEL DORADOは前側も後ろ側も横から貫通でボルトマウントする方式。
その為に純正タンクは全周にわたって大きな「ベロ」があります。


タンクチョップしてスリムにした際にトンネルの状態が芳しくなかったんで
トンネルは新規造った為にこのベロが失われていたんですが、
ならばマウント方法も現在の国産が採用している
前は丸いゴムで横から挟んでボルトマウント無しでフリーにして
後ろは上からマウントしてタンクをある程度振動逃がす構造でマウントしてみた。
正直英車に多い前も後ろも上からの垂直マウント(しかも前後ボルト)とか
前後横からのどちらもボルトマウントとかは
レストアしていても負担掛かって破れちゃってる個体も多いんですね。
国産旧車のタンクは鉄板が薄くて錆穴とかのトラブルは多いですけど
マウント方法でこれを早くより採用していたので
マウントステーの破断・ガソリン漏れは殆どケースがありません。
因みにウチに最も多く入庫する空冷BMWも前はラバーにクリップオンするタイプ故
ステーの負担でのガス漏れはほぼ皆無です。
長年のレストア仕事でそれ知ってるなら自分の車体でやらない手はありませぬ。

次にツネちゃんが取り掛かってくれたのはサドルシート。
ラバーシートにスプリングまで備わった超贅沢仕様です。

本来PER WARのラバーシートの車体の骨組みは
シンプルに裏側は丸棒のみで支えてる事が殆どです。


ラバーを選んだのはロングツーリングとかで雨降られた時、
翌日サッと拭けばすぐに乾いたシートになってくれる事。
これはロングツーリング経験者は理解るんじゃないですかね。
雨降られて宿到着して一晩寝て、次の日に雨が染み込んだあのシート。
翌日快晴だったとしてもケツ濡れちゃうあの精神衛生上ダウンしちゃう感覚(笑)
あれ何とかしたくてラバーを採用したんです。
見た目もぐっとビンテージになりますし、ね。
ただ、座り心地は絶対どうにかしたい。
で、贅沢にも骨組みからオールワンオフに踏み切りました。

良く見るとフロントのワタシが座るDRILASTICの形状と
後ろのカミさんが座るDUNLOPの形状としっかり造り分けてあります。
この時点でツネちゃんにいっぱいチューしたくなりますw
因みにこのラバーの上にロング出る際にシートカバー造ろうと思ってます。
ゲルザブも仕込んだ徹底的な負担軽減実用カバー。
こちらはそのうちRyozzy君にお願いしようと。

さて、いよいよフロントのサドル取付に掛かります。

こればっかりはワタシのライディングポジションがありますので
ツネちゃんの工房訪ねて一緒に作業です。

フロントのマウントを溶接して

リアのスプリングマウントステーを長さ測って製作。

ツネちゃんが一瞬仕組みの理解に迷った戦前車のマウント方法を
「違う違うそうじゃ、そうじゃない」と説明しながらフレームにステーを溶接(笑)

フロントのサドルシート固定完了。
「なるほどね、こういう動きになるのねー」
ツネちゃんも出来上がって納得(笑)

ふぬおおぉぉぉぉ♪

我慢できずラバー置いてみる。
あまりの興奮に死ぬかと思った。

フロントが決まればリアは自ずと決まる。
ここはワタシも仕事あるのでお任せする。
で、ツネちゃんから画像レポートが来る。
ん?

申し訳ない。初めてツネちゃんにやり直して欲しいとメールする。
造りと造型は何も問題ない。
カミさんの着座位置が上に上がり過ぎている点だけは何とかしてもらいたい。
出たトコ勝負の丸投げ、ツネちゃんを全面的に信頼している。
だがカミさんの着座位置だけはカミさんとのタンデムのポジション問題だから
申し訳ないがもう一度トライしてもらう事にしてもらった。
ホントごめん、ツネちゃん。

だがツネちゃん、やっぱりしっかり応えてくれる。
コの字に出してたマウントステーを凹み型で造り直してくれた。

更に前のワタシとあまり上下に差が出ない様にと
シートの骨組みにも凄い努力で低く装着できる取り回しを施してくれた。
カモメのウイング型にスプリングの受けがシート側に最大限オフセットしてある。
やっぱりツネちゃん、凄い♪

さりげない各部の造り込みで良いポジションになった♪

因みにフロントの造りはこんな感じ。
コの字のステーがスプリングの動きに合わせて多少動くので
こちらはリアとはまた違う造り。
我ながら何と贅沢な造り込みのシートなんだ、と思う。

そして今回のアトリエツネナガの最終作業。
リアフェンダーのパネル製作。
当初、先にそういうフェンダー製作したこんちゃんのエンフィみたいに
フェンダー裏側に嵌め込んでボルトオンにしようと思ってました。

だが我がGUZZIはリアのブレーキパネルが結構ボリュームあって
内側からアプローチするとギリギリか当たりそう。
そこでツネちゃんから提案。
「Muneさん、これ外側に付けられる様にしてみてもいいっすか?」
うん、画像観る限りそれも良さそうだね。
パネルを止める場所の処理は多分ツネちゃんが考えているみたいだから
これは丸投げでお願いしてみます♪

こう来たか!!
フェンダーの外に覆いをアーチ状に製作して、そこに挿し込むタイプ。
フェンダーが鉄薄いので点付け溶接だけど、
ここはそこまでの強度要らないしワタシの下地製作でどうにでもなる箇所。
うん、これはこんちゃんのとも違っていいね♪
そしてスリットも入ってます。
このパネルはシャキッとクロームメッキで仕上げる予定デス。

そしてツネちゃんのクラフトワーク第1弾はこれにて終了。
一旦ワタシの元へとGUZZI里帰り。
ツネちゃんにはあとはリアキャリアと各種小物をお願いしてます。
ヘヴィワークは取りあえず完了です。
ツネちゃん、ホントにありがとう!!









おかえり、GUZZI。



生涯で「あがり」になるであろうこのGUZZI。
2017年春、思い描いたスタイルへとどんどん近付いておりまする♪