MOTO GUZZI850EL DORADO(エルドラド)
カスタム製作記、細々と淡々と続きまする。
牛歩で進む我がGUZZI製作プロジェクト。
以前にも書いた通り、コンセプトとして
「古のショーで観られた近未来のショーカー。でもそんな時代来なかった」
を目標にして仕上げていく予定なのですが(苦笑)
これ、一体どんなコンセプトなん?
と思われる方も多いと思います。
まぁそうでしょうね、意味不明ですw
言葉で挙げれば
FUTURE LINER(フューチャーライナー)
STREAM LINER(ストリームライナー)
AERO LINER(エアロライナー)
そんな感じで呼ばれている戦前の1920年後半から1930年後半に流行したスタイルです。
追記:
このスタイルは当時特にフランスの裕福層で流行して
ボディを英国で言うコーチビルダー、イタリアで言うカロッツェリア、
フランスで言うカロツェが製作を請け負って架装したものがこのスタイルです。
因みに流れるような流線形をフレイムス(炎)に例えて
フラムボワイヤンと呼ばれていました。
フラムボワイヤン、日本語にすると火焔様式(かえんようしき)。
うん、何だかカッコいい(笑)
フランス語呼び失念してましたが、SNSで教えて戴き思い出しました。
Okazaki氏、あざっす♪
こういう流線形なんだけど、どっかスチームパンクな匂いのするデザイン。
車だけに限らず鉄道やモーターサイクルでも見られました。
当時からすればこれだけでも腰抜かす程近未来でコーフンしたんでしょうな。
蒸気機関ですけどね(笑)やはりこの時期こういうフォルムの車体が存在していました。
昔の人が思い描いた輝かしい未来のフォルム。
今となってはプリウスが「答え」でしょうから
そんな未来はこれっぽっちも来なかった過去の産物(笑)
でもね、これに夢を感じるんですよね、ワタシ。
ここまで包まずともそんな感じのフォルムが成し得ないだろうか。
それをGUZZIでやってみたいんですわ。
ま、1960年代のGUZZIで1930年代のスキーム落とし込むんですから
もうね、そこは「お遊び」のインストールです(笑)
でもね、どうせ遊ぶなら徹底的に色々調べて自分の中にキチンと消化して
それから形にしてみたいですよね。
で、GUZZI。
今回ハンドシフトにするつもりなんですが、
そのシフターでこれ以上ないものを見つけました。
ベークライトの素材にコインが埋め込まれたこいつ。
そう、こんなコンセプトにまさしくぴったりな1939年のニューヨークで開催された
万国博覧会の記念コインが埋め込まれているではないですか。
素晴らしい!これは入手しましょう♪
で、左手首やっちまいます(苦笑)
このリハビリ兼ねてこいつに細工施してました。
ピンセットでコツコツと螺鈿工芸でゴザイマス(笑)
アワビ貝は当たり前ですが曲面に沿ってはくれないので
メッチャ細かく砕いて接着剤塗ってはピンセットでつまんで貼っていく。
仕事のクリアのインターバルの時間とかで毎晩せっせと貼っていく。
そしてレジンで何度か包んで貝を全部埋め込んで
ついでにコインもレジンで埋め込んで丸めて整形して
最後にクリアをトップコート。
徐々に手首も治癒してきたのでそれに併せて完成w
自分でも一体どこに向かってるのか理解らなくなる時があります。
果たしてこれがペイントのリハビリになったのか、とか(苦笑)
でもコンセプトに沿ったワンオフが出来上がって満足でゴザイマス♪
仕事にも精が出るってモンですw
牛歩の如き我がGUZZIプロジェクト。
こんなどーでもいい箇所からどんどん進めている次第です(笑)
最後にこの1939年の万国博覧会。
この年ドイツがポーランドに侵攻。ヨーロッパでは戦争が始まりました。
日本もこの博覧会には参加してパビリオンを出展していました。
日本は最後の頼みでアメリカに友好な姿勢を示したくそうしたようです。
が、この後のアメリカの回答は無慈悲なものであった故
ご存知の様に翌年日本もアメリカを攻撃。太平洋戦争が勃発。
かくして第二次世界大戦が始まってしまったのです。
「平和の祭典」を謳ったこの博覧会はその後の悲劇の歴史によって
虚しく記憶に残された博覧会になってしまいました。
もう2度とこの様な記録を辿らない様に
ワタシのGUZZIにこれを付けて心に想いながら乗っていきたい所存です。
平和だから愉しめるんですもの、ね。