今年はまめにUPします、とか言っておいて
結局月末レポートになっております。。。。
先月剥いてみたら穴だらけだったBMWのR27。
結構時間要してしまいましたが完成です。
最近、どういうワケだからベルリナーよりも
ミュンヘナーの方が入庫が多かったりします。
ベルリナーモデルはラインの比率が間含め4:3:2㎜が黄金比なのですが
ミュンヘナーはちょいと違って4:4:1が定番だったりします。
ずっとベルリナー中心に引いてきたので癖がついてしまい、
ミュンヘナーの子持ちライン引っ張る時は実は緊張します。
慣れ親しんだラインの間隔に筆が行こうとするのです(苦笑)
でもここ最近はミュンヘナーの方が多いので、
こうして見ると4:4:1の方が美しく見えてきますw
Y様、永らくお待たせしました。
ご友人のMV乗りのY様と共に修理完成したら遊びにいらしてくださいませ。
そしてまた戦前車が駆け込んできます(笑)
こちらは1937年VELOCETTEのKSSのフロントフェンダーです。
この後ろに向かって後から取って付けた感のあるサイドは純正です。
良き時代の造形をしておられます。
実は戦前の鉄、一つ良い点があります。
再生鉄や防錆鋼板ではなく鉄鉱石から造り出した処女鉄なので
物凄く純度が高いのです。
穴埋め溶接なんかはこの純度の高さ故、非常に楽です。
予想外のスラグとか全くと言っていい程出ません。
不純物無いので丁寧に盛って削れば、ね。
もうこの時点でパテなんざ全く必要無いんですね♪
この点だけは戦前の鉄、大好きです。
パテは整形で必ず必要なパートナーではありますが、
やはり付けて削るのは必要最小限にしたいです。
一応最終パテはこれ位薄く追従する付け方は出来るのですが、
これでもウチのお店来られた方はご存知の様に
パテ砥ぎ作業すればお店のカウンターも椅子もうっすらパテ粉です。
たった4~5日で半年以上掃除してない家みたくなります(苦笑)
換気扇回してるブース内で砥いではいるのですが
目視で整形状況が判断出来る空砥ぎでワタシはやりますので
(それ以前に剥き出しの地金に水砥ぎという暴挙働けない)、
作業服が粉まみれ→疲れた休憩→ブースから出る(一応エアブローはしてる)
→椅子に座る→パテ粉胞子撒き散らす
もう店のパテ粉は諦めております。。。。
こちらはプラスチッキーなパーツの補修。
後述のPSYCLE CRAFTERSさんのカウル。
両端の穴がクラック入ってました。
よくあるカウル同士繋ぐ為のツメみたいなものは
正直リペアしても強度がほぼ出ていないので修正不可能扱いしています。
今回はそこまで強烈な強度を必要とはしない場所なので修正を。
クラックにステンのワイヤーを加熱して沈め込みます。
左が埋め込んだ直後、右が過熱途中のワイヤーです。
プラスチックでメンドいのが材質の見極め。
PPなのかPCなのかABSなのかで溶け込ますタイミングや熱量が変わる。
溶け込ませて弱った母材の補強の為の溶棒もそれで変わります。
そして鉄と違って強烈な毒ガスを発生させますので臭いっす。
殺害塩化ビニールです(笑)
熱で容易く溶けるという事は熱で変形するので
研磨は丁寧に熱を持たせないように。
まぁこれでこのカウルは当面クラックの再発は抑えられるでしょう。
プラスチックは出来る個所と難しい個所があるのをお忘れなく。
あっちゃこっちゃ欠けてる割れてるなものは正直無理っす。
いや、無理じゃないんだけど無理っす。時間的にも料金的にも。
これで察してくださいw
戦前車再び。
とある土曜日の午後、オオサンショウウオが入店。
「直して綺麗にしてくださらんかの」
これはもうじき御年90年にはなろうかというお方。
NORTONのタンクですね。
では診療の順番が来ましたらお呼びしますので
待合室(作業棚)でお待ちください。
というワケでオオサンショウウオが机の上で待ってます。
1月の末からウチに面白い車体が入庫していました。
何とあのDR800でカフェレーサーを制作という車体。
パリダカ使用の現世界最大単気筒のあいつです。
あぁ、NSUの2000ccの怪物は置いといてくださいwww
しかも日本ではほぼ見られないユーロファイター系のカスタム。
オーナーのH様はわざわざ名古屋からこちらに。
色々ぺインターのサイト見てウチに決めてくださったようで。
こんな面白い車体に関わらせて戴き、こちらこそ有難うでゴザイマス。
Hさん、実はノーマルのDR800に乗っていて、これは部品取りだったそうで。
しかしEg実働でドナーとして朽ちていくには忍びなくなり、
ならばこちらはオンで復活させてあげたい、とカスタムとなったそう。
だからペイントが終わってもまだまだ未完成。
これからオーナーと色々と熟成させていくワケです。
そんなヒストリーもワタシ、非常に好みです♪
そして真冬の夜にも関わらず名古屋へとノーマルのDR800で帰ったHさん。
ハードコアに乗られる方です。
その証拠にこのロードカフェにもパニア装着のステーが付いてます。
そこもワタシ、好みです♪
頑張らせて戴きます。
外装勿論全て流用メインのモディファイ品。
ここまでのフィッティングはYamashow Factoryというショップが担当したようです。
タンクはジレラのサトゥルノのもの。シートカウルはYAMAHAのTRX850のもの。
中々綺麗に収まってます。
これにワンオフのサイドカバーやヒールカバー等が。
Hさんと打合わせした80年代のスペシャルカーの様な佇まいで、という事で
先ずは下地処理した後にシルバーでペイント。
一度車体に装着してここからライン取りです。
Hさんとワタシの打ち合わせでJJ COBAS(ホタホタコバス)の様なラインで。
それを外装にインストールしていきます。
一度現車に装着すると油汚れが付きやすいので(砥いで表面ザラついてますしね)
物凄く入念に脱脂してから黒をペイントです。
ウチの店の特性から旭日旗に見られそうですが
今回はJJ COBASですから(笑)
そして最後のロゴ入れが各所に行われます。
Hさん考案のデザイン「SC779」。
実はこの抜き文字って非常に繊細で大変です。
何せアートナイフ入れる回数が普通に抜く文字と比べて
内側・外側で2回ありますからね。
左右やるとSC779だけで4回切った事になりますからw
こちらのDR800カフェレーサー、完成は間近です。
Hさん、あと暫しお待ちくださいませ。
先述のPSYCLE CRAFTERSさん。
代表の萩原氏のZ1000Rのリニューアルオールペンをする事に。
で、先に外装を預かり下地を済ませて打合わせ。
ファミリーでご来店で、やってきたのがこのダットサンブルーバード。
完全にALWAYS三丁目の夕日。可愛ぇ、超可愛ぇ♪
ナンバーの上に空いてる穴はクランク回す棒突っ込む穴ですね。
萩原氏、一度試した事があるらしく、
「根性要りますけど掛かりましたよ、エンヂン」
おぉ、凄ぇ♪
機関はきっちりレストアしたので絶好調だそうで。
そんな氏の車体はこんな事になってます。
砥いじゃってよく理解りませんが
下地のベースはギラッギラのフレーク2種です。
それをここまで埋めてスタンバる工程は今までいっぱい書きましたので
ここでは割愛しますですw
何だかザラザラにみえますがシリコンオフかければ
ぬらりん(笑)
ギンギラギンにちっともさりげなくないヤツが出てきます。
これにキャンディで落ち着きを加えます。
で、こんな感じに。
渋めのブラウンキャンディで。
70年代・80年代初期の雰囲気でよろしいか、と。
濃い目にキャンディ掛けますがフレークの存在はバッチリです。
天面は少し色を抜け気味に。
意図的に日焼けを施してあります。
と言っても言われなきゃ理解らない程のものですけどね。
これで車体に立体感で色気が出ます。
Z1000Rでここまでやってるペイントもレアですが
ここから更に70年代に持って行きます。
こちらはまだまだ続きますです。
HOLLY EQUIPさんよりご依頼。
あ、去年やらせて戴いたレアな車体、SUZUKIのRH72だ。
正直こんなレアな車体はもう二度と来ないだろうと
昨年揃えて戴いた資料、破棄しちゃってました(苦笑)
再度資料も同封でお送り戴きホントすみません。
もう捨てません。また来ると信じてます(笑)
このタンク、ウチに来て手にした人なら理解るがメッチャ軽い。
当時の職人が極限まで薄く延ばして苦労して造った形跡が随所にある。
まぁ生粋のレーサーですものね。生まれながらにしてサラブレッドです。
だからその薄いアルミ地故に溶接での歪みや熱の影響の歪みも正直多い。
でもね、そこを治しちゃこの風格が台無しになっちゃいます。
ましてや老いてもレーサー。折角の軽量化の賜物にパテなんか入れちゃったら
バカぺインターとして後世まで笑われますw
だから歪み・凹みは一切処理しておりません。
それに合わせて肌もそのアルミのダイナミズムがより見えるように、と
大きくうねる肌で際立たせてあります。
鏡面を逆手に取った手法、ってヤツですね。
これでペイントはされていますが
下のアルミの執念の薄さが伝わってくるはずです。
このタンクの持つ美しさに対するワタシなりの解釈です。
ほーりーさん、いつもありがとうございます♪
因みにこのSUZUKIのロゴ、現行とも旧来とも全然違う。
正直これオリジナルみたいなロゴなのですが、
こういうロゴの起こし作業やDR800のSC779なんかも複写を作る作業は
ここでこうしてライト増設・iPodで好みの音楽セット・コーヒー・GITANES。
そこで黙々と集中してやっております。
勿論途中で店の外に人影があってもガン無視させて戴きます。
だから必ずご来店の際にはアポイントお願いしますね、と謳っているのです。
ワタシとてガン無視や会えず仕舞いはイヤですからね。
そして作業途中で中断の精神的ダメージがこれに関しては超デカいのです。
何卒ご了承くださいまし。
最後にこれでメット塗ったの何個目ですか?な(笑)
ありがたいメディック望月氏のメット。
作業途中、下地のSP〇男様の目玉マークが何度も浮き上がってくるという
かの方らしいライジングサンならぬ不屈のアイコンで頭悩まされましたが
どうにか収まりましたw
こちらはベースが現行品ですので
見た目は程よくダメージドでビンテージですが
ガンガン使用する普段使い専用メットです。
というか元はSP〇男ですからメッチャ安全ですがなw
メディック氏、ジーザスと共に来店しメットを納品。
喜んで戴けたので一安心です。
この辺の常連の方々は結構夜分に来てくださるので
もう作業が終わってる時間だったりするので気が楽です。
でも何故かメディック、ワタシの撮影会を始めました。
作業が全て終わってるから呑んでるのです。
決して普段呑みながら仕事してるワケではゴザイマセン(苦笑)
メットの仕上がりに喜んで戴けたのは嬉しいのですが
ワタシは普段おちゃらけてばっかりなので
メディック氏、もう勘弁してくださいwww
そんな2月の作業レポートでゴザイマス。