2013年4月13日土曜日

地金無垢ほど実は難しい。

最近流行しているペイントでダメージペイントとかエイジングってのがあります。
旧車の間では補修とかでは昔から使われている手法で、
いい塩梅で色抜けしてるキャンディの車体とかで事故やっちゃて
「ああぁでも折角いい感じのヤレだからオールペンは避けたい(泣)」な時に
ダメージ受けたパーツだけを元の様にダメージエイジングしてあげて
リペイントし直した様にみせない手法です。
ワタシの所には口コミでこのペイントでの補修依頼が多くて
実は某有名処のミュージアム車体とかも結構やっております。
どこのかは勿論言えません。
それ言ったらどの車体がリペイントされてんのかバレますから(笑)

ダメージやエイジングでの一つのポイントは「それっぽい事」。
皆さんの脳裏の中にある「それっぽさ」を巧くギミックで使う事によって
よりそれっぽく見せるというテクニックです。
例えば鉄素材由来と見せるのに効果的なのが「錆」。
浮き錆や錆タレを表現する事によってベースが鉄という概念を植え付けます。
石素材を表現するには大理石の様にポツポツと黒を飛び散らせたり
ウッドだと木目なんかがその効果になります。

ここで一番難しいのはそういうダメージ・エイジングの無い鉄。
単なる「無垢鉄」ってのが実はペイントでは誤魔化し効かないので
ギミックに頼れないので本当に難しいのです。

そんな「ヤレてない上品な鉄素材をペイントで」という
こちらの心の奥底を見透かされたような依頼が入りました(苦笑)

あくまでほぼ「汚し」は無し。
鉄の製造過程で生じる「ヘアライン」だけの勝負です。
本来の鉄のヘアラインは実は結構がちゃがちゃです。
鋳物出来立てブロックなんかだとヘアラインは生じません。
でも何かで表現しなければならないのでその「何か」を模索します。
多分皆さんの意識の中にある「鉄」っぽいヘアラインは
工場で溶かされて伸ばされてローラーのライン上を転がっていく
そこで生じたヘアライン。
という事でタンク後ろへと集約されていくヘアラインを
サフェーサー下地でも削って造り出し、
シルバーペイント後もちょっと細かいペーパーで削って造り出し、
深い・浅いそれぞれのヘアラインで表現してみます。

まぁ、上品な鉄に観えなくもない(笑)
これで納品してみましょう。

という事で設立・営業したばかりの
昭島にOPENしたての「BAD WORKS」さんへ。

店主の橋本君。
ジェシー・ジェームズばりの立ち姿ですが
こう見えて穏やかなナイスガイです(笑)

早速車体に外装を装着。

シンプルながら大人の気品漂う
何だかまとまりのいいチョッパーになってます。
なるほどね、車体廻りちゃんとキレイに仕上げてるから
ラットな地金でなく上質な無垢鉄というオーダーだったのか。
これにあとはHOPPING SHOWERのTETSU氏が
このままシックに大人っぽくでドロウイングする予定だそう。
氏の手腕ならお任せでOKでしょう。
橋本君、ご用命ありがとね~♪




タンクがゴールドのラメラメになってるMOTO GUZZI。
サイドカバーのこちらはレインボーのラメラメ。
大丈夫。出来上がりはちゃんと頭の中では纏ってるから(苦笑)


JOINTS出展車輛のオーラスはけんたんのところのSR。
あまりにナローでステーの多いフレームで
サフェ入れの段階でこれの色入れは困難極めるな、と実感。
シート下に殆どの電装品納めるのでステーが増設されていて
且つ凄くナローに造り直されてるのでガンが奥まで入らない。
しかもオーダーがパウダーフレークで半艶フラット仕上げ(泣)
一度クリア入れて砥いでもう1回かよ、とか思いつつ
多重にバーバー吹いても肌荒れるだけだしこれは大変だと
本番ペイント前にフレームをブースに吊って
何十回も動きのシュミレーション。
身体に動きを完全に覚え込ませてからスタート。
何とかなりました。
いいか、もう一度言う。
フレームよ、悪いコト言わねぇからお前はパウダー行けw
まぁ特殊ペイントだからウチに来たんですが(苦笑)
こちらはあとタンクのみ!!


イギリスから金と時間掛けたジョークもらった例のモチーフ
しゃあないから自分で描く事にした。

虎だから焼き入りの金箔使うか。

でまぁ筆でちょろちょろっと。
ちょいと牙増しで絶滅したサーベルタイガーw
敢えて意匠デザインで目無し。
その方がデザインっぽいし観様によっては下の牙がヨダレに観えて
「わほほーい♪お肉お肉~~~❤」でウハウハな虎さんにも観える(笑)
本音はエリア88のF105搭乗のグエン・ヴァン・チョムのモチーフっぽいから。
あれだね、義勇軍のフライング・タイガースっぽくしたかったのよw

ワタシのセクションではこれくらいにしておきます。
こちら後日ポリッシュして72時間完全硬化待って
いよいよきょーへーのところへと送ります。


仕事がツメツメだったので行けなかったのは残念ですが
大変雰囲気も良いアットホームなイベントだったようで
Facebookなんかで参加者の愉しかった報告がいっぱい伺えました。
なので多分こいつも空から開催の無事を見守ってたろうから
ちょこっとジャイロに乗ってYossieのところへ。

「ありがとね~」と言いに来たのだが
考えてみれば多分こいつ、山梨行ってたな、と。
でもって例の如く走行1本目で早々にサーキット上でガス欠かましてただろうな、と(笑)
あぁもうそれで間違いないなとしか思えなくなり
帰り際には「ばーか、ばーか♪」と言ってきましたw
天国に逝ってもワタシとの関係は何ら変わらない
立川の半従業員(笑)


ラストスパートで鞭打つ今日の4曲。

「喜」。Madness "One Step Beyond"

「怒」。Bafore My Life Fails "Prayers"

「哀」。Nitin Sawhney "Falling"

「楽」。Toy Dolls "Nellie The Elephant"