2010年9月10日金曜日

そろそろ立派なクラシック。




















もう半月以上前の話ですが、
80年代の名車、RZ250の外装レストアをしました。

ご依頼くださったのは聖蹟桜ヶ丘にあるバイク屋さん
「ハイサイド」さん。
ごくごく普通の街中にあるバイク屋さんです。

このRZ、我々世代やちょい上世代からすれば
「あぁ、もうクラシックなの?」かもしれません。
もっと上の世代の方でしたら
「それはまだクラシックではないだろ」かも。
でもよく考えれば誕生から30年。
もうクラシックと読んでもいいのでしょう。

レストアにあたってこの時代の車体は一つ問題があります。
80年代になるとグラフィックが多彩・複雑になる車体も多く、
下地のカラーも凝ったものも多くなります。
例えばこのRZは下地がソリッドの白ではなくパールホワイト。
これに濃紺のラインと赤のライン、
そしてごく僅かに黒の縁取りのあるYAMAHAのロゴ。
これでタンク・サイドカバー・シートカウル・フェンダー、
そしてフロントビキニカウルとなると
金額が凄くもなってしまうのです。
しかもビキニの裏地は半艶の黒だし。










































ちょい前まではあるいはこのグラフィックも
デカールキットが販売されていたのかもしれません。
しかし今はどうやら無い模様です。
という事はこれら全てをペイントでやるワケです。

因みにオリジナルはパールベースのペイントの上に
デカールが貼ってあるだけ。
デカールにはクリアは掛かっておりません。
パールベースで塗るだけならそれは勿論安くはなります。
「ならばグラフィックはカッティングシートで」
確かに塗るよりは安いでしょうけど
3次曲線なので巧く貼れるかは疑問です。
YAMAHAのロゴは薄く黒の縁取りがあるので
こちらは普通のシート屋さんでは断られるかもしれません。

大抵、これくらいの年式の車種は
金額提示で驚かれたりしてしまうんですね。
長年乗ってきて愛着はあるんだけど
そこまで金額掛かると考えちゃうなぁ、が
概ねの見解のようです。

確かに金額は掛かります。
こればっかりはオリジナルが複雑なグラフィックだから
どうしたって仕方ありません。

でも金額掛かるだけの価値もあります。
例えばシートカウルのオリジナルみてみましょう。




















赤と濃紺の間の白抜きの箇所、
ここもデカールです。
でもここはパールでなくて単なる白です。
まぁ位置関係ズレないようにこうしてパッケージされてるんでしょうが、
こういっちゃなんですがやっぱチープです。
しかもクリア掛かってないので段差バッキバキです。
これがペイントでしたら勿論その部分もパールですし、
触った時の段差も皆無です。
そしてクリアの艶も断然美しいです。

「オリジナルが段差あるんだからそれでいい」
「オリジナルがただの白なんだからそれでいい」
そうかもしれません。
でもオリジナルは少なかれ生産コストを念頭に置いています。
しかもこう言っちゃ何ですが
70年、80年代と遡ればその分コスト削減が残念ながら如実です。
本来ならデザイナーさんもここはパールで、
そして許されるなら段差無しの美しいフィニッシュにしたかったと
ワタシは推測します。




















金額はそれなりに掛かりますが
開発当初の方々の「本当はこうしたかった」的な想い、
デカールキットが無くなった故の産物ではありますが
ワタシはそれを具現化して「レストア」と称しております。
「オリジナルはそこは単なる白なんだから」
「オリジナルは段差あるんだから」
そうですけど、開発陣の方々は
そこもパールだったら尚更良かったでしょうし、
段差無しの美しいフィニッシュをむしろ望んでいたと思うんです。
大量生産の中で削減された「美」だと思うんです。
だからこそそこを「具現化」したいんですね。


毎回金額提示で尻切れトンボになりがちな80年代の車輌。
もし探してみてデカールキットがあったのなら
勿論それでも構いません。
重要課題の金額がぐっとお安く済みますし、ね。
でもデカールキットが存在しなくなったのなら
「あーもうお手上げ」でなくて
貴方の愛車、頑張って仕上げてあげてくださいな。
貴方が思っている以上にその愛車、
もう立派な名車でありクラシックであるかもしれません。
貴方の女房、
貴方が思っている以上に
まだまだ「べっぴん」さんの可能性あり、ですよ(笑)


話変わって、先週末に出張レタリングしてきた
TR COMPANY」社長のCBレーサー、
優勝したようです。
流石です、社長♪
おめでとうございます~
自分が作業してるトコの写真って恥ずかしいですw
ってか何の目的も無しに伸ばしてきたちょんまげ、
今後どうしよう?
ここ10年近くボウズだったので
アラフォーだし頭のてっぺんの髪の毛まだ大丈夫か?で
安否確認のつもりで伸ばしてきましたが(笑)、
ここまで伸びると単に切るのも勿体無いですなw

















さて、明日はCRUIZです。
いつもと変わらない空気感でやっていきましょう。
参加予定の皆さん、では明日!!

2 件のコメント:

  1. 「本当はこうしたかった」的な想い。→なるほど〜。勉強させてもらいました。
    カスタムとレストアの境界線って人それぞれですもんね。
    数をこなした人の言うことは説得力あります。

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  2. terry殿
    ワタシの仕事は常々、リペイントすればもう
    「ノン・オリジナル」となってしまうんです。
    それでもどうしたって塗り直さねばならない時もある。
    そこでワタシが念頭に置いているのが
    大量生産故に削減されてしまう箇所、
    開発陣やデザイナーさんが本当はそうしたかったであろう
    本来の「美」を
    ワタシの下では或る意味オートクチュールなので
    それを汲み取って活かしてあげたいと思ってるんですね。

    そういう意味ではレストアペイントもカスタムペイントも
    どちらもオートクチュールなのかもしれません。

    「数」は、これから先もっともっと増えていくでしょう。
    この先どんなオーダーが待っているのか
    考えただけでそれが愉しみでもありますね♪

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