北海道よりBMW R65LSの外装一式のレストア&カスタムペイントのご依頼。
LSといえばあれです、奇才ハンスムートのデザインっすね。
BMWが依頼したものの
あまりのぶっ飛びっぷりに完全にビビり散らかし
この1シリーズで終わってます。
でもそれをスズキが目をつけて
もはや戦後40年経た1980年あたまに日本刀をモチーフとした
狂気の沙汰としか思えないKATANAをデビューさせます。
が、これがその後空前の大ヒットとなったのは皆様の知る限りです。
これに気を良くしてハンスムートと再びバイクを世に出しましたが、
これが東京タワーモチーフというまたまたぶっ飛びデザインで、
東京タワーなのにコマツ建機にしか見えないという狂気の沙汰でしたw
因みにウチの工房は結構カタナ塗ってます。
レアな3型をカスタムもしたりしてました。
リトラクタブルライトのあいつですね。
因みにこの3型はスズキ社員のデザインです。
ハンドルまでが遠いのにシートの段差がめちゃくちゃあるので
逆刃の日本刀で身体真っ二つにされるんじゃないかって位乗りにくいです。
でもこの3型は結構小柄でも乗れるコンパクトさだったの覚えてます。
ほぼ世界中どこ探してもリプロ出てないんすよね。
サイドカバーが片方挿し込みのグロメットが完全に欠損していたので
「これどうにか再生できますか?」と打診されたので
ウチでは珍しいプラリペアでツメの再生を試みてみました。
幸いもう片方がこの部分完全体でしたので
プラリペア強度が心配で今まで使ってきませんでしたが、
こっちの方は左右どちらもこんな感じで完全欠損していたので
元の形がまるきりわからず。
こちらは残念ながら諦めて戴く形となりました。
なんとも香ばしい以前の修復痕が。
ビジュアル的にも全然修復されていないスメル漂わせまくってます。
何かゴムみたいなガムみたいなの貼り付けてあるだけだし。
裏側も折角なのでFRPだけじゃなくパテも入れて
がっつり下地の成形インジェクションFRPが露出するまで剥いて
上からFRP新規貼り直しでクラック完全に埋めておきます。
成形インジェクションFRPとは粉々に砕いてペースト状にしたFRPを
型に流し込んで成形するタイプのFRPで
90年代あたまくらいまでのBMWの外装では非常に多く使用されています。
PPと違って元よりFRPなので新規レジンの貼り付け相性は抜群です。
PPと違って元よりFRPなので新規レジンの貼り付け相性は抜群です。
欠点はPPよりも経年で瘦せ細って俗に言う「骨粗鬆症」になってしまい
シートカウルもあちこち割れ欠けあったので修復していきます。
こちらも成形インジェクションFRPです。
LSはサイドカバーだけがPP、タンクは勿論スチールです。
LSはサイドカバーだけがPP、タンクは勿論スチールです。
この部分完全に割れていたので裏表から新規FRPバインドです。
しっかりスムージングしておきましょう。
こっちは新規FRPで再生しておきましょう。
先ず裏側からFRP貼り付けて
細かいラインの繋がりをパテで成形してこれで完了です。

間違いないですね。
裏をしっかりと成形しておきます。
こっちもスムージングして修復歴無い様にしときますか。
で、次に表面FRP貼っていきます。
おぅ、FRPだけでかなり形になりましたね。
タンク剥いてみましょうか。
お、この車体元はレッドだったようですね。
うん。

間違いないですね。
元色レッドでシルバーで3回塗り直されてます。
自分の車体の地金の姿とか中々観れないので
7月より新規導入したクリアが色々トラブル生じまして。
廃番になった前のクリアで当たり前の様に出来ていたペイントが
新しいクリアではことごとく失敗するという危機的状況。
メーカーとトラブルシュート対策に追われ、
結果別のクリアで問題解決したのですが、
この一連の問題脱却までに10日程費やしてしまいました(苦笑)
正直25年で3回クリア変えてますが
こんなにも言う事きかないケースに陥ったの初めてで
実は純正のシルバーに見えますが
タンクのエッジやエンブレム周辺とかに僅かに濃淡つけてます。
あくまで純正然であるように見せているので
唯一濃淡が良くわかるのがLSの文字ですかね。
これら全てオーナーさんからのオーダーです。
クリアでとんでもない問題出て暫し作業ストップしましたが
問題解決して無事に納品です。
K様、この度はご用命ありがとうございました。
過去に前例のないクリアいう事きかない問題で
10日間どんだけ精神病んで涙した事か。
というワケで曲はこれw





















