2013年7月23日火曜日

忙しいのにこんなモンまでやって(笑)

とある日、Ryozzy君より℡。
「Muneさん、バンデンプラプリンセスのウッドダッシュって手直しいけます?」
「うーん、現物観てないからアレだけど、
ウッドそのものの割れは治せんが他はいけるんちゃう?」
軽い対応で彼は本気でウッドパネル一式持って来ちゃった(笑)
正直、結構メケメケ。
ローズウッドは表面だけに薄く貼られたものなので
ウッドは消えない様に押し付けつつ離しつつの凄く辛いテンションで
ひたすら劣化したニスをサンダーで剥いでいく。
異常にセンシティヴなテンションで作業する事、7時間。
パネル一式全部剥ぎ終わったら両手の握力無くなっていた(苦笑)

握力の回復待ちつつ曇ったウッドを蘇らす為に
筆で蜜蝋を塗って磨き込んでいく。
遂にガンすら持たなくなってしまったペインター。。。。

一度ここで吸い込み防止処理兼ねて
溶剤での薄め一切無しのこってりクリアでコーティングする。

こちらがメインディッシュ。
どうしても劣化したローズウッドが剥げて欠損してる箇所もあるが
そこは上のこってりクリアで埋めて後からキャンディコートで色調合わせる事にする。
合わせ板なので横はいつまでも塗料を吸いまくるので
横の木目は全てエポキシ蝋で固めてからリペイント。
そしてこってりとバシュー。

どうしてもウッドのクラックは埋められないが
まぁ、次のウレタンなら保護強度はニスよかあるだろう。
ウレタンがどれくらい木に食いついてくれるか、は
ワタシのジャイロ(塗って6年)と店のカウンター(塗って11年)で実証済み。
だからそれを信じて吹きつけまくって砥ぎまくる。
最後に欠損部分や日焼け補正、
そして次のインテリアのファブリックとの色調を整えて

ウレタンでラストのコーティングとなります。
やっぱレストアって、結構な手間掛ります。

グローブボックス裏とシート裏の補助テーブルは
どういうワケだか裏側ほどローズウッドバキバキで全滅状態だったので
こちらは仕方なく白木まで剥く。
さて、どうしたものか。
Ryozzy氏曰く
「オーナーさん、カスタム心もある人なのでMuneさんにお任せします」
了解。
長い付き合いのRyozzy氏の言葉はそのまま鵜呑みにしてOKでしょう(笑)
パカッと開いて観える遊び心ってヤツで
レスポールなんかっぽいサンバーストにしてみましょう。
因みに左側が3色グラデ、右がそれに縁に透けた黒をうっすらかけたもの。
短い間隔でグラデの効果を上げるには実は劇的な色の変化をつけて上げた方が
より効果的に視覚に訴えるものなんです。

というワケでウッドパネルのレストア&軽くカスタム、完成です。
ウッドの張替え圧着・そこからリペイントとなると
バンプラクラスだと軽く20万は超えてしまいます。
ウッドの程度にもよりますが
レストアで済むのであればちょっとお得かもしれませんね。

Ryozzy君、見違えったよ~♪
近々納品伺います!!



とある日。
サイドパネル無しのラビットが来店。

昭和な雰囲気たっぷりのこのスクゥターにスケボー。

オーナーは彼。コーイチ君
高校生時代よりよくウチに遊びに来ていたBMXライダー。
今は亡きフリーペーパー「IGNITE MAGAZINE」を貰いに行って来い、と
お父ちゃんからの指令を受けて発刊の度に顔出してました(笑)

そんなモータージャンキーな家族の元で育った彼。
今はそんな父ちゃんから譲り受けたラビットが愛車。
なんとそのパネルに自らドロウイングしてみたいとお願いされた。
若者のそういう夢、先行くおっさんが叶えてあげんでどうする!!
ってコトで1日作業場と塗料を貸してフリーダムにやらせてみる(笑)

コーイチ君から出たテーマは「サイケデリックなあの時代のもの」。
これで右側パネルを彼自身が、
左パネルをワタシが担当して仕上げてみる企画となった。

お昼を軽く回っておやつ時に作業を開始したコーイチ君。
「夕方過ぎくらいには終わりますかね?」
甘い、甘いぞコーイチ君。
日付変更線跨がなければ万々歳、ってところだろうw

ほんじゃ、ま、ワタシも作業に取り掛かろう。
先ずはアイボリー塗って

オレンジ塗って

イエロー塗って

グリーン塗って

赤さび色塗って

黒を塗る。これを2回繰り返す。
フォトショップで色だけ変えているワケではない。
そして闇雲に気が触れたワケでも、ないw

次第に熱心に作業に没頭していく若者。

最近エキモのSRをお買い上げとなった森クンが来店。
これから愛車を造り上げる喜びに満ちた共通点の若き二人。
ワタシの店で大いに夢を語り合っている。
因みにワタシの店は若者が沢山夢を語りに来てはくれるのだが
ワタシの私腹(売上げ)はそれほど伸びない。
世知辛い世の中である(笑)
まぁとはいえ夢と希望でいっぱいの雰囲気はやっぱり悪いモノではないので
それはそれでよし、としておく事にするw

描き続ける事、およそ7時間。


彼の手掛けたアートピース、完成。
お疲れさん!!

若者の希望に溢れたアートは
時として汚れた大人には眩し過ぎて直視出来ないw

・・・取り敢えずワタシの方のピースと並べてみる。
サイケデリックというお題でやってはみたものの

40過ぎのおっさんの「それ」は何とリアルにドロドロしたものであるか(笑)
我ながら考えさせられた1枚である。

後日どちらもきっちりとクリアコートして

20代と40代のアートバトルが完成する。

1週間後。
愛車に装着してみる。

ヒ、ヒィィィィ!!か、可愛いぃぃぃ♪
超LOVE&PEACEに溢れてるぅぅ♪
BEATLESの「All You Need is Love」が聴こえてくるぅぅ

それに対してワタシサイド。

完璧にダウナーきめて観えてる世界観だよ、これw
超色使い激しいのに
ストーンズの「♪Paint it Black」しか聴こえてこないぃぃ。。。。

とはいえ本人には気に入ってもらえたようで何より。
最後にパネル裏側に二人で記念のサイン入れて終了。
コーイチ君、お疲れ様!!
今度明るい時間に遊びに来てね。
ジャイロと2台でどっか行こう(笑)


この忙し過ぎてどーにかなりそうな時に
実は魚肉ガレージでも一大イベントがあり。
それを終わらせて性も根も尽きていたあくる日。
なかじがF12でカブとベンリィを引き取りに来た。
遂にウチの店からモトクロッサーがいなくなる日。
占拠から解放されて嬉しい日であるはずなのだが
3年近くずっとウチの店の前に居座ってたこの子達。
いなくなると思うとちょっぴり寂しい気もする(苦笑)

サビ汁をデロデロ流す車に載せられてドナドナです。

普通の感覚では車がこれでは有り得ないのでしょうが
当のなかじは超ごきげんそうです。

もう多摩地区にはバカしかいなんだなぁ、と
しみじみと思いました(笑)
なかじ・魚肉クルー。
残りの作業は任せた!!