2012年5月18日金曜日

ローテクと技法のせめぎ合い。

ゴールドキャンディのGT750外装一式、フィニッシュです。

GT750って年式によってフロント部分のラインが見切れてたり無かったり
上部の黒帯があったり無かったり
それが年式ではなくて国内仕様なのか輸出仕様なのかだったり
まーそれはそれはバリエーションがあるようでして。
事前にオーナーさんから細かく希望を訊かなくてはならないですね。
先に仕上げた後期型タンクに初期型カラーリングをインストールもあったので
そんなにバリエーションあんのか、と知った次第デス。
(そちらの画像は都合上出せませんが。。。。)

ここ最近はユーザーさんもだいぶ細かいニュアンスを持っておられる故、
その辺はきっちりかっちり意思疎通して承知せねばなりません。

このGT750、塗り上げにも少し新しい試みを施してみました。
いつも通りレストアペイントで行うキャンディ多少色抜け(ムラ)は勿論、
下地のシルバーに少し一工夫してみました。

この時代のシルバーは「目」が整ってはおらず、
ラッカー特有というかメーカー大量生産故の粗さというか
シルバーの「目」が泳ぐまではいきませんが
明らかに「鱗」があるのが特徴です。
文字で表現すると
「もにょもにょもにょもにょ」、ですかね(苦笑)
現在の高性能塗料ですとシルバーは整合感バッチリで
文字で表現すると
「すん」ですねw

今まではキャンディの「ムラ」で旧車感をイメージしてきたのですが、
このGT750の外装で更に下地のシルバーの「もにょもにょ」感も足して
更にクリアを鏡面にせず段差もさほどは削らず
敢えて肌を残してみたのです。

現行の塗料でこれをやるので
サフェーサーを均一に砥いだ時点でこのもにょもにょ感は無理なので、
ここで一手間入れて試してみました。

当時物のチープなペイントの表現の為に
何故ここまでして現行の高性能塗料でスキルダウンするのか
たまに自分でもよく理解らなくなる時がございますが、
ペイントを依頼してきた方全員がミラーフィニッシュを望んでいるワケでもないので
こうして変な表現ですがテクを駆使して
メーカー仕上げの様な・当時のチープなペイントの様な
ローバジェット風をする事もあるのです。



が、これが結構難しいのです。
こちらのメソッド(方法論)からすると明らかに「手抜き」なのです。
いや、手を抜いてるワケではないのですが「手抜き」なのです(苦笑)
このさじ加減がやっててホント難しいんですね。
お客さんが望むところまで表現出来れば「成功」なのですが
お客さんの望みをオーバーした表現になっちゃうと
その時点で「手抜き」となっちゃうワケです。
正直、ユーザーさんから感想戴くまでは
納品終わっても胃が痛くて仕方ありません(苦笑)

「考え過ぎじゃね?」と言われてしまえばそれまでですが、
ご指名戴いてお金戴いている以上、
ユーザーさんの喜ぶ顔が観たいと思うのは当然ですし、
喜べない結末でお金を戴くのはどうかというのが考えの根底にあるので
多分今後もこのメソッドと「手抜き」のせめぎ合いとは
生涯戦わなくてはならないんでしょうね。
GT750のオーナー様がご満足戴ければ是幸いでございます。



まぁ今までもそれなりに事前に伺ってはきてましたが
今後オーダーする方は
「肌あり」「肌無し」をお選び戴く形でお願い致します。
あ、因みに「肌無し」だから安くならない?はならないです。
メソッドと手抜きの狭間で技法はそれなりに駆使しておりますので
仕上がりの違いに値段の違いは生じません。
あしからず(笑)

MAGNIもフィニッシュです。
こちらは上部キャップをニュートンタイプに変更で大改造されております。

キャップが付いていないと
何だか大穴が開いているだけに観えます。
ユカタン半島に点在するセノーテみたいです。
ワタシの思考は油断するとすぐに中南米かアフリカに行きついてしまいますw
一生のうちにティオティワカンとマチュピチュ、
アンコールワットとラリベラは行きたい。
実は超プライベートではヨーロッパには何ら興味ございませんw
(注:別に遺跡マニアというワケではございません)

MAGNIタンクの上のでっかいセノーテ。
左下がケツァルコアトル神殿に見えなくもない(笑)





妄想はこれ位にして納品しましょうw
廃エースが未だ入院中なので代車です。
軽なのでこれだけでもう一杯です。
BMWのRSカウルなんか助手席です。
ちゃんとシートベルトまでしてますw
早ょ帰って来い、廃エース。。。。。


そういえばGT750レストアで紹介したPPパーツの補修。
重なるものでBMWのK外装で現在行っております。

あちこちドリルドです(笑)
こちらのKシリーズ、今週末よりいよいよ下地完了してペイントです。
多分ペイントは2週間程で終わります。
下地には1か月以上掛ります。
ペイントとはそんなものです。

週末にはいよいよシーリー外装も風切プレートも終わります。
翌週にはもう1台のMAGNIが終わる予定です。
その翌週にはこのKシリーズやRS、ドカが終わる予定です。
果てしなくお仕事があるのは有難いコトでございます。
VELOCETTEのトランスファーが英国よりまだ来ません。
もう慣れましたw
現在ウチのブース横で惰眠貪るコイツは
VELOCETTEとなっております(笑)
これ、国内産のデカール。
試しに入手してみた。
ラミネートの薄さ(というよりラミネートにプリントされてる)は申し分無く
これならクリアで十分埋まる薄さなのだが
ロゴの精度がイマイチ。
エッジがどういうワケだかいちいち丸い。
やっぱ英国からの入荷を待たなくてはならないようです。
これではダメです、ザンネン。。。。。

半年貼りっぱだったVINCENTで一つ成果が観られた。
落とすのにラッカーシンナー使ったのですが
貼って数日のトランスファーだとイチコロなのに
剥がすのに結構擦らなきゃ落ちなかった。
どうやら貼ってこれ位放置してれば
強固に貼り付くようで。
っておいおい、半年お預かりなんて出来るか!!
これでは尚更商売にならんわ。
ウレタンの硬化に負けない接着力、どうにか出来ないもんかねぇ。。。。



お知らせ。

ここ数年原油価格が不安定なのをいいことに
材料がバッキバキに値上がりしております。
洗浄用ラッカーシンナーなんか10年前は一斗缶¥1,700だったのに
今ではグレード落としても¥2,900です。
ごく稀に原油価格安定で価格が戻る材料もあるので
ウチとしてはこの帳尻りを「産廃処理料金」で調整してきましたが、
あまりに売り上げを材料費が圧迫しているので
産廃処理料金を改定させて戴きます。
現在5万円以下の料金に¥1,500、以降5万円毎に¥1,500としてきましたが
5万円以下で¥3,000、以降5万円毎に¥3,000の加算とさせて戴きます。


全体的に全ての料金に割増も考えましたが、
材料費が上がったからといって安易に値上げしても
皆さんの塗りたいという意識を萎えさせてもいけませんし、
かといってウチが潰れても本末転倒なので
やはりこの産廃処理料で調整がベストだと考えます。
(ウチとしてもこれで材料費ペイに近くはなる・
皆さんも総じて料金値上げよりかはリーズナブル)
ご理解の程、何卒宜しくお願い申し上げます。



2 件のコメント:

  1. G7オーナーです。
    先日TRさんに外装を拝見しに行って参りました。サイドカバーの記事も読ませていただいていたので、仕上がりを楽しみにしていたのですが、結果大満足です。
     ペイントというお仕事のことはよく存じ上げていなかったのですけれど、パーツ一つ一つに掛ける手間に、失礼ながら感服致しました。大事にしていきたいと思います。
     写真を何枚か撮って来たので、納車まではそれを見ながら楽しみにしています。
     ありがとうございました。

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  2. G7オーナー殿
    コメントありがとうございます。
    ならびにご満足戴けましたようで本当に何よりです。
    ペインターがいくら満足気にフィニッシュしても
    一番大切なのはオーナー様が納得・満足して頂けるのかが
    本質中の本質ですので
    こうしてコメントを戴けますと
    多少なりとも自身の仕事へのアプローチへの確認にもなります。
    オーナー様の思っている以上に考え過ぎて飛び越えて
    ぐるりと一巡してしまってOUT、を昨今とても恐れているので
    本当に安心した次第でございます(苦笑)

    近いうちにTRさんで完成した姿を拝見出来ると思いますので
    是非ともワタシも観察したい次第です。

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