2012年4月3日火曜日

色んな出会いと偶然と必然と

4月に入ってやっとこ少し山超えたので
ここで溜まったネタ一挙放出でございます。

先ずはここ最近のお仕事ネタから。

昨年車体全体にレタリングのご依頼戴いたV-RODのH様。
「ここまでしたらH.D.のロゴも既存ではなくお願いしたい」で
別途カバーをご用意して再びご依頼です。
ありがとうございます。


一度元のロゴをブラックアウトして
上から筆でロゴ入れ。
更にパープルでグラデをちょいと入れてクリアフィニッシュ。
レタリングの上からクリア入ってるので
こちらのカバーは段差ナシの仕様です。


有難い事に
「上面にSHOPのネームをお願いします」と仰ってくださいました。
正直、ワタシはあまりウチのネームを入れるの、しないんです。
ウチの名前で堂々とショーに出した車輛とか
魚肉のマシンは別、ね(笑)
ワタシにとってウチのネームはこう言っては何ですが
どーでもいいと思っているんです。
オーナーさんがペイントを気に入ってくだされば
どこが塗ったのかなんてどーでもいいのです。
他所でもこれくらいの、いやこれ以上のスキルをお持ちの方はいっぱいおります。
ましてやレストアペイントに至っては入れる概念すらありません。
ウチでレストアされた車体がまた30年とかそれ以上とか愛されて
例えば半世紀生き抜いて再びその未来での最先端の技術でレストアされる時、
その携わった職人さんに
「これは前回行った職人は丁寧な仕事してるなぁ」
と思って戴ければ、それだけで結構でございます。
ただそういう風に仕事を継承していければそれでいい。
ワタシの仕事へのスタンスはそんな感じなんですね。
なので余程濃密な関係のお客さんでない限りは
ウチは積極的にはネームは入れません。

とはいえ、勿論入れて欲しいと言われれば
それはそれで嬉しいものです。
そういう時には喜んで作業させて戴きます。
H様、お忙しいようですが
お時間ある時にお引き取り、お待ちしております。





爆発事故でだいぶ納期を待って戴いたS様。
それどころか爆発直後のお店の片付けまで手伝ってくださいました。
本当に有難うございます。
最近公私慌ただしく完成画像の撮り忘れが続出です。
何か早朝から磨いて仕上げて午後から慌てて納品みたいなパターンばかりで
今年に入って撮影をまともにしておりませんでした。
そしたらSさんが後日お披露目に来てくださいました。


CB750Fのキャップが溶接で移植されたこのタンク。
オーダーはフレディスペンサーカラー。
Sさんはペイントショップ探しで何十件もまわったそうで。
ちょっと驚いたのはその際Sさんの希望を伝えても
「いや~、ここまでやってるならフレークとかでがっつりやった方が目立ちますよ」とか
「もっと派手なペイントすれば雑誌載りますよ」とか
そんな提案するSHOPも多かったんだそうです。
Sさんは雑誌に載る為にカスタムしているワケでもなく、
チョッパー的なノリが好きなワケでもなく、
大人が長く乗って飽きないシンプルで美しいカラーでお願いしてるのに
ちょっとそういうSHOPがいるってコトにビックリです。
カスタムは雑誌やショーの為のものではございません。
オーナーが気持ち良く愛せるようにするものでございます。


ウチとしてはSさんの意向を具現化する事に専念し、
車体の大きさの全然違うカラーリングを落とし込み
こういう純正カラーあったの?くらいのプロダクトまで落ち付けたまでです。
あ、淡いブルーの色だけはSさんと話し合って
オリジナルの750Fよりも鮮やかなキャンディでやってます。
これくらいのさじ加減のカスタム遊びでまとめてます。
Sさんありがとうございました♪



BMWにしては大き目のフレークに(とはいってもスノーフレーク)
かなり濃い目のブルーで90S風に。
これにオーナーの提案で赤で子持ちライン。
中々カッコよろしゅうございます。
つるっ、ぬるっと仕上がった仕上がりは
やはり作業したワタシも嬉しゅうございます。
深夜に思わず映り込みでサムズアップでゴザイマスw
因みにライン入った完成形は撮り忘れました。。。。



Velocette Venom Thruxtonのフェンダーレストアでございます。
ステーの穴がバカ穴になっていたので一旦Tigで埋めてしまい
各ステーをちゃんと組んで穴位置マーキングして
再びドリルで切開します。
地味な作業の連続がシャキッとしたレストア個体のイメージとなります。
地味な作業の集合体がレストア車輛の美しさとなります。
個人的には未再生の個体も大好きですが
当時の姿で蘇ったレストア個体も大好きです。
両車それぞれが存在するからこそ
お互いが引き立てあうものだと思います。
とはいえワタシは職業がペインターなので
どうしてもレストア個体に乗っていないといけない気がします(苦笑)



ヴェロのリアフェンダーは異様に長いです。
ペイントする時は前半分・後ろ半分とセクションを割って
真上を頂点にしてガンを動かしてアプローチしていくのですが、
長すぎて吹きながら下がっていく時思わずマスクの中で
「どこまで続くねん!!!」と叫んでしまいます(笑)
何かもうここまでくると周囲300度オーバーとかの
あり得ないフェンダーの車体とかあったら面白そうです。
タイヤだけダストピンカウルみたいで笑えるw


TRさんからご依頼のGT750後期のタンク。
後期だけど前期カラーリングで、というある種カスタムペイント。
前期と後期ではタンク形状も全然違います。
これを自然にプロダクションせねばなりません。
タンクエンブレムの位置も全く違うので
ここはエンブレムのエンボスは埋めてしまうことにします。
いつものスレッド盛りでございます。


何かリペイントされてる塗装が物凄いねちっこいので
サンダーでは剥離にペーパー何枚消費するんだよ、だったので
剥離効果の超高い(手に付くと超痛い)剥離剤を注文。
赤系だったので何だか凄いスプラッターな光景になりながらも
ドロッドロの赤い臓物みたいなのを洗い流し
やっとこサンディングです。
エンボスもここまで鉛で埋まってりゃあパテも超薄付けでOKです。
3月の画像なので現在はサフェはもう入ってます。
ただ、ライン取りで悩んでます(苦笑)
あ、色見本で借りた元別冊の品田氏のサイドカバーも
いい加減返却せねばなりません。
品田さん、大変助かりました♪
勿論お返しします。借りパクはしません。
パクったところでG7持ってないので持て余しますw



さて、我々魚肉が開幕戦前で大わらわだった頃、
RITMOの46さんよりご依頼が。
「あー、LOCまでに間に合わせればいいですね。まぁ大丈夫っすよ~」
「いや、出来れば4月1日のPride of Classicsに参加してあげたいんだよね」
「!!!!!!!」
毎年そうですが春はあちこちで忙しくなるようで。。。。


シートベースを製作したのは立川のAMPデザインの安食さん。
このシート、実はぐるっと丸まった微妙に丸みのあるデザインで
FRPで2分割で造られてます。
丸まってるから2分割でないと型から抜けないんですね。
しかも今回は46さん車体に大幅にモディファイ加えてるから
安食さんの造形で仕上がりが3月半ば。
そこからウチにバトンタッチでペイント&レタリング。
でもって26日にラズダズにバトンタッチ。
でもって4月1日にはシェイクダウン。
何で企業戦士みたいなコトやってんだ⁉ワタシらw
異常に各自凌ぎを削って携わりました。
安食さん早く愛車250エルシノア仕上げてくださいよ~
一緒に土の上で遊びましょーよーーー♪


で、ワタシはこれだけでは終わらない(苦笑)
このタンク、実はチョップされて凄く細くなってます。
頭のキャップもニュートンタイプになってます。
物凄く造形が必要です。
これが一番不安だったです。
因みにタンク横のメッキ部分。
これ、ペイントです。
実際はもっとクロームっぽくていいな♪だったのですが
クリア掛けたら何だかユニクロっぽくなっちゃったです。
個人的には時間あったらもっとやり込んでたと思いますが、
ここは時間勝負なので今回はこれで。
まぁこんな感じで拘り過ぎて段々納期が押し押しになってるんだな。
今、自分でそこに気付きました。。。。


金曜日ギリギリに納品。
うっはっは、カッチョいい♪
うん、今回はソリッドで少し近代っぽいホワイトで正解だったかも。
少しホワイトにブラックとブルー入れてます。
わざとRYOKO夫人入っちゃった画像使ってますw


だいぶスリムでスタイルがよろしい♪
チョップした理由はセパハンがセット出来るようにする為。
必然から生まれたモディファイ。
因みに買って3年放置しまくってるワタシのアンバサダー、
ホントは先にチョップタンクやりたかったんですけどね。
ワタシがチョップしたかった理由は
GUZZIのシリンダーの造形美が乗ってても際立つから。
理由は違えど46さんに先越されました(笑)
でも実際データ取れて確証得たから許すw
ってかお願いだからワタシのタンクもチョップしといてください♪


後ろからのビューだとよりスリムさが鮮明です。
ノーマルビューと比べると一目瞭然です。(画像byRITMO)
このシリンダーの造形美がワタシが求めるものです。
欠点は各部の造形があまりにも自然過ぎて
多摩地区MADEの結晶がメーカーのプロダクションに観えちゃう事(笑)
何かの元からあったパーツ付けただけにも観えるw
でもまぁそれでよろしいかと思います、多摩地区MADE。

すっかりオフに専念してるからワタシは参加出来なくなっちゃったけど
参加車輛は仕上げてイベントで少しでも華を添えるエッセンスに
なってくれていたのなら嬉しい限りです。
桐高の面々、ごめんね。



造りモノ最後は魚肉のベンリィ。
まさか再びベンリィ弄って手元に所有するとは思ってなかったなぁ。
実は10代終わりの頃、
貧乏バンドマン時代に乗ってたのです、ベンリィ。
スラッシュメタルで髪の毛伸ばしてダブルのライダース着てこれですからね。
相当頭悪かったんでしょうね、当時のワタシ。


自宅のベランダで缶スプレーで塗りたくって
シートなんか味噌汁zと同類の自分MADEで張り替えて
タンクのエンボス痕なんか埋める技量もないので
上からイタリアンのステッカー貼っておしまい(苦笑)
当時山手通りにカブ系弄ってる「GATE1」という珍しいSHOPがあって、
よくそこにこれで通ってパーツ買ったりしてました。
今観ると20以上前からこんなカラー好きなんだね、ワタシ。
勿論今ではペイントで人様からお金戴いて暮らしていて
エンボスなんか普通に埋められるワケで
シートなんか軽く外注出しちゃうワケで(笑)
20年前の自分はこんな自分を想像してなかったな~、と
何だかしみじみベンリィを眺め
カブを愛でる小春日和でございまする。