2011年7月5日火曜日

金箔銀箔。

さて、勝手に個人的に紆余曲折ありましたが
遂にMotchie氏のメットに参ります。
あの常磐線のような緑とも青とも言えない
ワタシの好みど真ん中のカラーまで終了してましたね。
では今回はダイジェスト風に画像いっぱいでお送りします♪



先ずはメットを足付け。
全体をくまなく#1000相当のペーパーで。
がっちりと足付けないと上が剥げるので
ここは執拗にサッシの埃を指先で拾い上げて
嫁いびりする姑のように。
























で、今回のモチーフを入れるため
マスキングテープを貼り付け。
モチーフはメット左側に入れる事にしました。
ジェントルなMotchie氏なら
その左側を通行人等にも風当たり良く見せる事が出来るでしょうし、
カフェ志向のモーターサイクルが主なので
逆にロードでは追い越し車線の住人でしょうから
ここは左が正解です。
チョッパーの方々ならどうする?
まぁカフェより余計に流すように街を駆け抜けていくワケですから
伊達を気取るなら勿論左にモチーフ入れます。
エラそうに講釈たれてましたが
要はワタシが左に入れるのが単に好きなだけのようですw






















さて、シワ無くテープを貼り終えたら
ここ最近ラフで何度も描き込んできたモチーフを。
メットの場合恐ろしく3次曲線なので
転写なんかだと端に歪みが出易いです。
なので描き込んで手が覚えるようにしておいて
マスキングテープの上にペンで直接描いていきます。
地球儀のモルワイデ図法とかグード図法とかが
何であんなミカン剥いたみたいなけったいな格好だったのか
今になって仕事で痛感しているワケです。
今なら声を大にして言いたいです。
丸い地球をむりくり展開すんな。
地球の果ては海が滝みたいに流れてんだぜ、とか
地球ってバカでかいゾウが下で支えてんだぜ、とか
そんな昔の人の方が発想的にステキ♪






















鉛筆で薄くアタリを付けたら
次にちょいと本格的にマジックで描き込みます。
上のフラッグを当初はVINCENT風にしようと思ってましたが、
時間掛け過ぎてその間にMotchie氏に
「パフェ・レーサー(甘党レーサー)」のモチーフで使われてしまったので
こちらは違うのに変更です。
Excelsiorからヒント得てたなびかせます。
文字の意味はまた今度ねw






















さて、輪郭の落とし込みも終わったので
ナイフ入れましょうかね。
先ずは銀箔の箇所から。
猫さんが何だかザンネンなマーシャルみたいだw
Motchie氏、
最後にはちゃんとなりますからご安心を(笑)






















さて、このナイフで抜いた箇所にワニスを塗ります。
プロはゴールドサイズとか呼んでます。
今年からウチではこのパレスペイントという
純国産を使ってます。
結構使い勝手いいです。
何より国産ってのがいいです。
何度も言ってますが本来箔貼りは日本の(アジアの)文化です。
輪島塗の漆に金箔。
だからサイズも国産があるのなら間違いなくそれ。
だって日本人だもん♪






















で、塗ります。
出来るだけ均等に。
でないと乾燥時間がバラつきます。
ゴールドサイズの乾燥時間は季節によって変わります。
あ、この時はワタシは空白に時間書いてますね。
塗った時間書き留めてあります。
この乾燥時間は気温・湿度で結構変わります。
ときたましか箔貼りしないワタシなんかより
これを日々繰り返してるピンストライパーさんなんかの方が
このシビアなタイムコントロール出来てると思います。
その分ワタシは塗装の肌のコントロールは負けませんけどね。
餅は餅屋。こんな同じ様に見える職種の中でも
それはあったりします。
でも今回は箔貼り後にスピニングとか入れないので
乾燥時間はアバウトでも大丈夫。






















で、塗ったら10分前後でマスキングはなるべく剥がします。
グロス(光沢)出てるので
猫さんとFISHBONE(魚)は結構くっきり見えますね。
猫さんは相変わらずトホホ顔ですw
因みにこれのインターバルの同時進行で
BMW一式とMV AGUSTAやってます。
実は空き時間無いタイトな時間枠で仕事してます。。。






















さて、乾燥時間もいい頃です。
ここで他の作業で気を取られてると
頃合を見逃します。
何か頭の中が大変なコトになってきますw
ウチの箔はほとんどが金沢MADE。
純国産です。
外国の金箔は実はかなりの商品が真鍮です。
銀箔はかなりの商品がアルミです。
材質のコストが安いので分厚く造れるからです。
分厚いと貼るのも楽です。
国産はその点偽り無く本物の金・銀です。
なのでとても薄い。
正直凄く貼り辛いですが、
日本の伝統工芸の職人さんとかはそれ、使うんでしょ?
生意気ながらだったらワタシもそうしたい。
ワタシはアーティストなんかではなく
オーダー通りに仕上げる職人なんだから
その技術だけは磨き上げておきたいものです。
精一杯背伸び状態なのでしょうが
日本の匠の一部でありたい勝手な願望です。























その薄っす薄な銀箔を貼ります。
この薄さも日本の職人の成せる技。
何が何でも引き継がねばw
で、風の止まってる比較的涼しい夜明けに作業です。
扇風機回すとどっか飛んでくし
止めるとこの時期汗で指先に銀箔が絡みつく。
皮脂無いのに竹箸にすらまとわりつきます
(金属ピンセットだと静電気発生して箔はつかめません)
膝にメット置いて自分で必死で撮影。
動かせない膝がプルプルしてますw


























どうにか貼れたみたい。
では続いて金箔のフラッグ部分ナイフで抜きましょう。
























こちらは銀箔で見切りテープ損失してるので
その箇所は筆のみでゴールドサイズ塗っていきます。
この辺りから作業がこのメットだけに集中していきます。
いかんせんワタシはこの世に一人です。
脳ミソも一般人よりちょいと足りないワタシ一人です。
どうか他の皆様、ご了承くだされ。
ここまで来て失敗は一番痛い。
全作業、集中集中。。。。





















すっかり夜が明けたね。
外ではモスキートからワタシを守るべく
プラグと溶接棒で出来てる
蚊取り線香持ってるギャンが朝日の中お仕事してます。
この時期店の床でちっぽけなコイツが頑張ってるので
来店した方はどうか踏んづけないでくださいw
このギャン、非常に真面目に仕事してます。
「あの壺はなぁ!!!あの壺はなぁ!!!」みたいなコトは
一度も叫んだコトは無いです。
黙って蚊取り線香持ってます。
搭乗してるのはマ・クベではないようです。
詳しいことはK内氏に訊いてみてください。























話がそれました、スミマセン。
というコトで乾燥時間終わり。
ここは舶来の焼き入り金箔奢ります。
貼り比べて改めてオドロキました。
肉厚で張り易いのなんの。





















ここからが未開の領域です。
猫さんの目玉に螺鈿工芸施します。
これは自分のドカで経験済み。
凄い厚みで段差消すの一苦労です。
なので事前に猫さんの目玉を彫り下げます。
初めてやる作業なので緊張MAXです。
アートナイフでコリコリやっていきます。

























少々銀箔にキズ入りましたが
これは筆入れで何とかなるでしょう。
何とか彫り下げました。
もう集中力切れそう。。。。
アコウ貝の発色出す為に
彫った下地にエナメルで黒挿します。


























で、そっとワニス塗ってその形でくり抜いた
アワビ貝(アコウ貝)貼っていきます。
因みに使用した貝はメキシコアワビです。
模様の美しさが断然違います。
でもってワタシがメキシコ好きです。
使わないワケがありませんw
猫さんは相変わらずトホホ顔のままです。























このアワビのカットが一番難しかったかも。
何度もポキポキ折れました(泣)
5個目くらいでようやっとフィット。
輪郭にラフに筆入れて今回はここで終了。
1回クリア入れて肉付けてから
段差無い状態で再び筆入れます。
なので猫さんは暫くトホホ顔のままです(笑)
Motchie氏、もう少々お待ちくださいまし。
























今週には再びテンション上げて
筆入れしてクリアで包んで
来週には仕上げますデス。
スミマセン、
流石に起床時間36時間は意識朦朧デス。
「すん」とやってしまう職人の領域、
ワタシにはまだ遠いのか・・・・ぁ・・・・
もぅ・・・・限界・・・・・・・。
ネマスw