2010年3月25日木曜日

さよなら、ブサイクちゃん。

我が家のブサイクちゃんが逝った。
享年8歳。

ブサイクちゃんとは
淡水魚のエンゼルフィッシュのことだ。
















エンゼルフィッシュの平均寿命は5~7年だそう。
だとしたらウチのブサイクちゃんは8年半。
大往生だったんだね。


まだ立川に引っ越す前。
府中にいた時からいた。
あの頃は親指くらいの大きさの稚魚だった。
一緒に全部で4匹買ってきた。
小さいながらにもヒレも長く優雅で立派な3匹に対し、
その中で一番ヒレも立派でもなく
一番ずんぐりしてたのがブサイクちゃんだった。
自ずとその名が付いた(笑)
ただ、すぐに見分けもつくので
何気に家族にこの酷い愛称で親しまれた(笑)


引越しの際、
水槽にとって一番環境悪である「移動」。
これに美しかった他の3匹は耐えられなかった。
ブサイクちゃんだけが生き残った。
そして親指くらいの大きさだったブサイクちゃんは
大人の手の平大の大きさにまでなり、
正真正銘のブサイクちゃんっぷりを発揮していた(笑)



3年半前から海水魚を始めて、
淡水魚の水槽は半分の大きさの45cmになった。
それでもブサイクちゃんは元気だった。
この頃にはブサイクちゃんの寿命を念頭に置いて
淡水魚の水槽は新しい魚を投入しなくなった。
こちらもそのうち海水魚にしたかったからだ。
底掃除役のヌマエビと苔取り役のプレコ、
そしてブサイクちゃんだけの水槽になった。
しかし、それがかえってブサイクちゃんの老後にとって
優雅な環境だったのであろう、
ブサイクちゃんはその後も元気に生き続けた。


いつしか底のヌマエビもいなくなった。
苔取り役のプレコもいなくなった。
それでもブサイクちゃんは毎日、
家族がガラス越しに見えると
餌をねだって寄ってくる毎日が続いた。
こちらも海水魚にしたいというのはあったけど、
毎日こうしてバクバク餌食べてるブサイクちゃんとの生活もまた、
我々ファミリーにとって「いつもの生活」だった。
魚のクセに明らかにウロコが老化でカサついて
背骨までちょいと曲がってきているのも微笑ましかったが、
それでも元気に毎日餌を食べていた。
子供らが
「水槽にドモホルンリンクル入れたらウロコ綺麗になるのかなぁ」
なんて言って皆で笑ったりもしたなぁ。






先週くらいから
我々がガラス越しに立っても
あまりこちらに出てこなくなった。
そして今週に入っていよいよ動かなくなった。
水草に身体を挟み込んでじっとしている。
エラだけは動いているのでまだ命があるのは確認出来た。
恐らく自然界では川の流れに流されてしまい、
こうなると捕食されて終わるのかもしれない。
自然界では有り得ない最期なのかもしれない。
でもブサイクちゃんはウチの水槽で暮らしてきた。
この今ではだた一人(一匹)の為だけの水槽で暮らしてきた。
ブサイクちゃんにとっての居場所はここだ。
我々は最期まで水槽の設備を動かし続けた。
家族でただただ様子を見守った。


今朝。
ブサイクちゃんは天寿を全うした。
何だかんだでウチの7歳の娘より先にウチに居たブサイクちゃん。
皆でお墓を作って葬ってあげた。
お昼に設備を止めた。
そのままでは水が腐るので
掃除をして空の水槽だけがそこに戻された。
やはり寂しいものをその景色に感じた。



じきにこの水槽にも
新しい海水魚が泳ぐ日が来るだろう。
でも家族は忘れないだろう。

ブサイクちゃん、
8年と半年、
家族と共にいてくれて
ありがとうね。