2010年3月13日土曜日

丁稚君フィニッシュ。

前回ご紹介した役者の卵、U田氏。
今週は時間を作っては作業に没頭しております。
月曜日に下地造りを体験、サフェまで作業しました。
で、木曜日に一日空きがあるとの事で
一気にペイントまでいっちゃいます。

まずはサフェ砥ぎです。
「水が冷たい!」と言いながらも
仕上がりに向けてせっせと砥いでおります。





















さて、遂にメインイベントのガン吹きです。
基本的にすぐにやらせる教育方針のワタシは
アドバイスを横から送りながらも
初めてガン吹きする彼にいきなりやらせます。
○塚ヨットスクールばりのスパルタ方針です(笑)
U田氏、激しく緊張しながらも頑張ります。
中々センスいいようです。
これならカラーベースは全然OKでしょう♪
撮影はウチに魚肉ソーセージ食いに寄った神山氏ですw
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自分でやってるので
塗りムラとか隠蔽しきれてない部分が出てきます。
そのまま仕上げでは本人がちょっぴり可哀想なので
ワタシが横からチェックし、
そういう不具合箇所を指で示していきます。
兎に角U田氏、必死です。
















そして本日。
クリアをこれまた初めて使用するポリッシャーで
懸命に磨き、完成と相成りました~♪
U田氏、よく頑張りました。
こうして自ら頑張れば
このメット達への愛情もひとしおでしょう。















ま、さらりと書きましたが、
ここまでの道のり、決して平坦ではなかったですね。
その苦労は彼が一番身をもって経験してるので
ここでは細かくは書きませんが、ね。


彼は役者の卵です。
そんな彼が自分でやってみたい、で
ウチのお店の扉を開きました。
ただ単に自分でやって安く仕上げようではないという事、
それがワタシには伝わりました。
ワタシはほぼこの上が住宅のお店という小さな世界の中で
日々を黙々と生きております。
そんなワタシから彼は「何か」を掴もうとしていたのですね。
あまり何もないよ、とも思いますが(笑)、
ならばそんなワタシが伝えられる事だけでも伝えてみようか、と。



ブースに入るのは全体の中ではほんの一瞬で、
そこまでに長い時間の「下地」がある事。
そのブースもいざ作業となると刹那的なまでに短い時間での勝負で、
その一瞬に限りなく集中しなきゃならない事。
最後のポリッシュで注意力が欠けたり妥協したり、
集中が切れてアクシデントなんか起こしたら
今までの作業が全て水泡に帰す怖さ・緊張を忘れない事。
そんな中から彼が応用出来る事があったのなら
それでけでも良かったかな~、と思います。




U田氏、お疲れさま!!
来週には完全硬化してるから
嬉々として引き取りに来てくだされ♪







撮影の協力をしてくれたが、
基本的には単にウチに魚肉食べに来た神山氏。
そんな彼のVMXレーサーのタンク。
昨年末の関西でのレース遠征の際、
タンク前方をコキンとやってまいました。
















「タッチアップ程度でも治してもらっていいですか?」
ま、ね。
レーサーってぇのはこーゆーのは仕方ないからね。
貼ってあるデカールとか剥がさない程度で
出来る範囲内で治してあげようかね。

で、昨年末預かったタンク。
頑張らずにでも地道に時間掛けて治したよ。

















ワタシ、当時ペイントを残しながらのレストアペイント、
得意だって言ったでしょ?
キズはそのままにクリアで埋めてみた(笑)
触るとまー皆ビックリはするだろうねw
言うなれば透明パテ、だ。
毎日一滴ずつ「筆差し」して盛り上げていった。
まるで鍾乳洞ですな(笑)
これくらい盛っておけばもう大丈夫だろう。
永遠にコケた「汚点」が琥珀のようにそこにいる。
あぁ、レストアって罪深いw









本日は静かにひっそりと作業。
「箔貼り」でありんす。
人の動きがあると出来ない作業。
音は別に空気揺すらないので何ら関係ないのだが
何となく店内の音楽もブルーノート系のJAZZ(笑)
なんだかそぉっとサイレントな夜更けの一日w

















最近はどーゆーワケだか銅箔の依頼がほとんどで
メインの金箔が全然ない。
まぁ、ワタシも銅箔のピンク・ゴールドの輝き好きなので
まんざらでもない。
因みにワタシは金銀銅、全ての箔は
例の有名なウェブのアメリカのそれではなく、
輪島塗で有名な金沢の匠より仕入れている。

輪島塗はアメリカの建国の歴史なぞどーでもいいくらいに
物凄く古来からある。
そもそもゴールド・リーフとか舶来語で言われているが、
そもそもは「箔貼り」だ。
マメ知識だが、英国車のイメージが黒にゴールドってのは
これ読んでる皆さんは何となくお分かり頂けるだろうが、
実はこのカラーイメージの由来はジャポン、だ。

パリの万国博覧会に初めて出展した文明開化直後の日本は
何を持っていったらいいのか理解らず、何と「仏壇」を展示した。
ちょっと物騒な話にも聞こえるが、
この漆黒の漆塗りに鮮やかな金箔の装飾。
これが欧州にカルチャーショックを与えたのだ。
極東の端に存在する日出ずる国、黄金の国ジパング。
実はこれが黒金コンビのブームの発端なのだ。
その証拠に博覧会以前の英国車は
変なうぐいす色だったり澱んだ赤だったりします。

「黒ゴールドのコンビって、英国っぽくていいよね~」
なんざ評論しちゃってる日本人よ、
いい加減目覚めなさい(笑)
英国に憧れる前にアメリカに憧れる前に
先ずは金沢に憧れよ(笑)
(そーゆーワタシは金沢行ったコトありませんw)





















あまりにサイレントな仕事してたからか
何だか夜更けに一人で興奮してしまったが(笑)、
いつも作業終了後のお店は
この箔屑君達があちこちにふわふわおります。
箒で掃こうにも
「しゃなり」とふんわりかわされます。
あぁ、艶やかよのう、日本人。
でも本当はさっさと掃き清めたいw