2009年11月25日水曜日

ぬがぁぁぁあああ~~!!!


お預かり中のGT750タンク。
この色は過去にやってるので調色データありますが、
年式の経過を考慮してサイドカバー片方を色見本として同じくお預かり。
日曜日、天気が良かったので
他お預かり5点含めて大色合わせ大会を決行。


始めに他車種3点、
各1時間ペースでコンスタントに調色ミッションをこなしていく。
難しそうで時間掛かりそうなキャンディ・パールから片付けていく。
でも何だかんだでいいペースで3色終了。
残るはそんな難しくなさそうなGT750と
太陽光でなくてもほぼ色ズレの起きないソリッド1色。
午前中で3色片付けたので少々楽勝モード。



が。




出ない。何やっても出ない。出ない(泣)




マニアック話で申し訳ないが、
調色というのは真正面から見る色味・斜め45度あたりから見る「透かし」、
これが正反対からも見て3点から色味を見ながら、
どの点からも「ズレ」がなくなるまで煮詰めるものです。
例えば正面色がバッチリ合ってても
透かしのいずれかの視点で色味がズレればその調色はOUTです。
下手すると車なんかは真横からよりも
買い物終わって駐車場へ向かう途中の眺めとか
自分の愛車をいずれかの「斜め」から見るケースの方が生活上多いので
透かしを重視して調色した方が結果良いコトが多かったりします。




で、このGT750。出ない(泣)
前のデータ引っ張り出してサンプルのサイドカバーと並べても全然違う。
「あー、車体の個体差かねぇ~」で、
心機一転データ造る気負いで頑張るも、出ない(泣)
色が足されていくので量がどんどん多くなる。
こーなってくると「どツボ」のパターンが多いので
(これだけ色が足されては透かしが黒ずむ一方で、もう結果絶対よくない)、
この色は破棄。
心を落ち着けて再度アタック。






日没、終了。出ませんでした(号泣)





年に一回くらいあんだよな~、こういうケース。
しかも見た目大したコトなさそうなヤツに限って(失礼。。。)




もうね、これ以上続けると塗料が大量になっちゃうので
オーナーに連絡して残りのパーツを送ってもらう。
幸いタンク以外はサイドカバー2枚だったから
もうサービスでサイドカバーも塗らせてもらうコトにする。
悔しいし不本意だが、
時としてその方法論の方がベストな時もある。





今日、残りの反対側のサイドカバーを預かって店に戻る。



さっさと足付けしてサフェ入れちゃおうとカバー2枚を並べて
「・・・・・・ん?」
よぉぉぉおおく見ると、この2枚、透かしの色味、違わない?
以前に塗ったGT750のサンプルピースを横に並べてみる。
「・・・・・・・んんん?」
今日持って帰って来たサイドカバー、
このテストピースとかなり色ぴったんこじゃない?



ダブルアクションサンダーで両サイドカバーを砥いでみる。

「・・・・・・・んああぁぁぁああああ~~~!!!」


左の今日持って帰って来たサイドカバー、ミドリミドリ。
先に預かってた色見本カバー、ホワイトホワイトしとります。
年式考えても、オリジナル塗装ならクリア掛かってはいません。
ミドリミドリが正解。クリア掛かってない証拠。
先に預かってたカバーは塗り直されてるワケです。
サンダーで砥いで白いのは上のクリアが砥げているからです。。。。



見抜けなかったぁ~~~~(悔)




悔しいので今回大量に造った塗料は破棄します。
前のデータのちゃんと透かしの「赤く白い」本来データで塗ります。。。。
調色では定評頂いているのは自分でも少々自負して参りましたが、
「お前なんざまだまだひよっ子だ、この小僧が!!!」と
色の神様にバチ当てられてまいました。。。。






預かり品を見切れなかった自分のまだまだ青きかな。そしてワタシの携わるPAINTの何とも深きかな。




追伸:川村カオリ様。
貴方とはカミさんが持ち込んでからのお付き合いでしたが、
12年間幾度も聴く事でワタシも親しみを持ちながら
聴くようになっていました。
ワタシはまだまだ息子や娘と
「夏の朝にキャッチボールを」愉しめるようです。
そんなシアワセに感謝しつつ
38年を毅然と生き抜いた貴方に追悼の意を表します。
貴方もまた、リアルに「ROCK」な方でした。